登山には様々なジャンルがあり、言い方も人によって様々です。山の中を歩く・走る・登る・滑るなど手段も様々で、登山装備やウェアを揃える時に自分が楽しみたい登山のジャンルが分からないと間違った装備を揃えてしまうこともあります。この記事では登山のジャンルと山の楽しみ方について紹介します。
登山の種類を大きく分類
登山には様々なジャンルがあり、それぞれに必要なスキルや体力・技術が異なります。それによって装備やウェアも異なるため、自分が楽しみたい登山のジャンルが何かを知っておくことは重要です。
一般登山 | ・ハイキング ・日帰り登山 ・縦走登山(山小屋泊、テント泊) |
バリエーション登山 | ・クライミング ・沢登り ・渓流釣り ・バックカントリースキー |
トレッキング | ロングトレイルなど |
高所登山 | ヒマラヤ登山など |
スピードハイク | ・トレイルランニング ・ファストハイク |
登山人口が最も多い一般登山
登山道を歩いて山を歩くスタイルで、無雪期と積雪期とで大きく分けることができます。一般登山で最も難易度が低いのがハイキングで、定義は様々ですが、標高差500m未満の山歩きで、険しい勾配がなく、比較的緩やかな坂道を歩く事をハイキングと呼びます。
標高差500m以上の山では勾配が出てくるため、明確な定義はありませんが、登山と呼ぶことが多いです。登山には行程の長さによって日帰りで山を楽しむ日帰り登山、山小屋に泊まって山の中で1日過ごす小屋泊登山、テントに泊まるテント泊登山があります。
一般登山の楽しみ方は様々で、登る山が富士山などの独立峰である場合は頂上を目指すピークハントを目的にしたり、山の頂上と頂上を結ぶ稜線を歩く縦走登山で長い距離を歩いたり、登山のスキルが上がってくると楽しめる範囲も広がります。
登山道以外のルートをたどるバリエーション登山
登山道がないルートを確認して岩場や川、道なき道を歩く・登る・滑るアクティビティをバリエーション登山と呼びます。
クライミングは岩壁や氷壁などを対象とした山登りで道具の使用の違いでクライミングスタイルが変わります。ロープで確保しながら高い壁を登るルートクライミング、ロープを使わずに岩を対象とするボルダリング、自分の技術と体力で壁を上るフリークライミングなど様々です。
沢登りは源流域まで藪漕ぎをし、沢をたどって山頂を目指す山登りで、滝や淵など滑りやすい岩場をどのように登るかルートファインディングをしながら、独特の知識と技術で楽しむアクティビティです。
バックカントリースキーは、整備の行き届いたスキー場のゲレンデを滑るのに対して、整備も何もない山をすべるスキーやスノーボードの事を言います。雪山を効率よく移動する手段が派生して、雪山の中を旅するように移動しながら滑るアクティビティです。
頂上を目指さず山歩きを楽しむトレッキング
トレッキングという言葉は海外の山歩きで使用することが多いです。日本では戦後のピークハントによる海外との競争目的の名残で、登山といえば頂上を目指す、という趣向が根強いですが、海外では山頂にこだわらず、歩きながら自然を満喫する楽しみ方がスタンダードです。
日本でもロングトレイルが全国で認知され始め、山にこだわらず海や里を歩きながらその地方の文化を楽しむ山旅が注目されています。
危険が多い高所登山
ヒマラヤに代表される高所を目指す登山です。低酸素、寒冷地、ルート攻略、天気との相性など様々な角度で攻略する必要があり、最も困難な登山のジャンルと言っても過言ではありません。
山の中を早く移動するスピードハイク
スピードハイクはその名の通り走りを交えて山の中を移動するアクティビティです。トレイルランニングは主に走って山の中を移動すらアクティビティで、ファストハイクは軽量な装備を背負って走りと歩きを交えながら通常のコースタイムよりも早くに移動する登山です。
日本ではトレイルランニングという言葉が認知されてからまだ歴史が浅く、様々な楽しみ方が増える一方、課題も多いアクティビティです。レース思考は距離、スピードなどを競い合ったり、個人で達成感を味わったりと目的も様々です。レースにこだわらない山の中を走ることを純粋に楽しんだり、走ることで一般登山ならば1泊以上必要なコースも、トレイルランニングでは日帰りで楽しめるなどの違いがあります。