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担当者直伝!スマートウールのベースレイヤーの種類と選び方

担当者直伝!スマートウールのベースレイヤーの種類と選び方

スマートウールはメリノウール製のベースレイヤーと靴下、ニット帽やグローブなどのアパレルに特化したブランドです。中でもベースレイヤーと靴下は優れた耐久性と高品質のメリノウールの使用から多くの登山者に人気があります。

しかしながらスマートウールは様々な種類のモデルが乱立していることから、何を選んだらいいのかわかりづらいのではないでしょうか?今回はスマートウールのベースレイヤーの種類と選び方について紹介します。

スマートウールのベースレイヤーの種類

スマートウールのベースレイヤーを選ぶ前に、まずはどのような種類があるか整理をしましょう。

4種類の生地の厚み

4種類の生地の厚み

スマートウールには120、150、200、250の4種類の厚みがあります。

製品名を見ると生地の厚みが分かるようになっています。

  • 120…製品名に120という数字が付いている
  • 150…製品名に150という数字か、オールシーズンという名前がついている
  • 200…製品名に200という数字が付いている
  • 250…製品名にサーマルメリノという名前がついている

これらの数字は生地重量を表しており、1㎡あたりのグラム数となります。250の場合は1㎡あたり200gの生地重量となり、4種類の中では最も厚みがあります。

生地が薄いと通気性が高く、生地が厚いと保温性が高いため、夏山登山やトレイルランニングなどでは120や150の薄手タイプを選び、肌寒い春や秋の登山では150や200の中厚手タイプ、冬山登山では200や250の厚手タイプを選ぶことになります。

  • -4度以下で250のサーマルメリノ
  • -3度~9度の間で200のメリノウール
  • 10度~19度で150のメリノウール
  • 20度以上で120か150のメリノウール

ぐらいを目安に考えておくと良いでしょう。

7種類のタイプと3種類のデザイン

スマートウールは以下の7種類のタイプに分けることができます。

  • ノースリーブ…最も通気性があり夏山登山、トレイルランニングの使用に適している
  • Tシャツ…最も汎用性がありミドルレイヤーと組み合わせればオールシーズン使用できる
  • ロングスリーブ…汎用性が高く秋から冬の登山で腕から手首を温めることができる
  • クォータージップ…短いジップアップで冷たい風を身体に直接取り込むことができる
  • ハーフジップ…胸までのジップアップで体温調整が容易だが、若干重みが生じる
  • フード付き…ベースレイヤー単体でも日差しや風から頭全体を守ることができる
  • ボトムス…下半身の保温、登山でのパジャマ、冬山登山のレイヤリングに機能する

以下はタイプ別の比較表です。

タンクトップ

※横スクロールで表がスクロールできます。
ブランドスマートウールスマートウール
モデルメリノスポーツ120メリノスポーツ150
製品名メリノスポーツ120タンクメリノスポーツ150タンク
平均重量88g120g
タイプタンクタンク
㎡あたりの生地の厚み120g150g
メリノウール混紡比率53%56%
ポリエステル混紡比率0%44%
ナイロン混紡比率0%0%
その他繊維比率47%(テンセル)0%
価格(税込)¥6,050¥6,050

Tシャツ

※横スクロールで表がスクロールできます。
ブランドスマートウールスマートウールスマートウール
モデルメリノスポーツ120メリノスポーツ150メリノ150
製品名メリノスポーツ120ショートスリーブメリノスポーツ150ティーメリノ150ベースレイヤーショートスリーブ
平均重量120g130g133g
タイプTシャツTシャツTシャツ
㎡あたりの生地の厚み120g150g150g
メリノウール混紡比率53%56%87%
ポリエステル混紡比率0%44%0%
ナイロン混紡比率0%0%13%
その他繊維比率47%(テンセル)0%0%
価格(税込)¥6,050¥6,050¥9,130

ロングスリーブ

※横スクロールで表がスクロールできます。
ブランドスマートウールスマートウールスマートウールスマートウールスマートウール
モデルメリノスポーツ120メリノスポーツ150メリノ150イントラニットクラシックサーマル
製品名メリノスポーツ120ロングスリーブメリノスポーツ150ロングスリーブティークラシックオールシーズンメリノベースレイヤーロングスリーブイントラニットメリノ200クルークラシックサーマルメリノ ベースレイヤークルー
平均重量138g188g170g208g276g
タイプロングスリーブロングスリーブロングスリーブロングスリーブロングスリーブ
㎡あたりの生地の厚み120g150g150g200g250g
メリノウール混紡比率53%56%87%53%100%
ポリエステル混紡比率0%44%0%45%0%
ナイロン混紡比率0%0%13%0%0%
その他繊維比率47%(テンセル)0%0%2%(ポリウレタン)0%
価格(税込)¥7,920¥8,690¥10,340¥14,740¥16,610

ジップアップ

※横スクロールで表がスクロールできます。
ブランドスマートウールスマートウールスマートウール
モデルメリノ150イントラニットクラシックサーマル
製品名クラシックオールシーズンメリノベースレイヤー1/4 ジップイントラニットメリノ200 1/4ジップクラシックサーマルメリノ ベースレイヤー1/4ジップ
平均重量193g200g298g
タイプ1/4 ジップ1/4 ジップ1/4 ジップ
㎡あたりの生地の厚み150g200g250g
メリノウール混紡比率87%53%100%
ポリエステル混紡比率0%45%0%
ナイロン混紡比率13%0%0%
その他繊維比率0%2%(ポリウレタン)0%
価格(税込)¥11,000¥16,060¥17,380

デザインは以下の3種類に分けることができます。

  • 無地
  • ボーダー
  • グラフィック

デザインについては好みで選びましょう。タイプには登山での使用において、それぞれに特徴があります。特徴を踏まえて、自分のアクティビティにあったタイプを選ぶようにしましょう。

スマートウールのベースレイヤのサイズ感

身長180cm 体重65kgのやせ型の男性がMサイズを着用

スマートウールのベースレイヤーには3種類のフィッティングがあります。テクニカルなベースレイヤーのほとんどがスリムフィットを採用しています。

  • スリムフィット…体に沿ったフィッティング
  • アスレチックフィット…動きやすい程よいフィッティング
  • レギュラーフィット…もたつき抑えたゆったりしたフィッティング

次に自分の体のサイズを計測します。これには方法があるので覚えておきましょう。

  1. チェスト…脇の下の周囲の長さを計測
  2. ウエスト…お腹周りをややゆったりめに計測
  3. 裄丈…肘をわずかに曲げて首の後部中央から、肩と肘を通って手首までを計測
  4. ヒップ…腰骨の辺りの周囲を計測
  5. インシーム…内腿の上端からくるぶしの骨までを計測

以下は男性を例にしたサイズ感です。

  • 身長180cm、体重65kgのやせ型の男性がMサイズを着用して若干ゆったり目
    • タイトに着用したい時はSサイズ
  • 身長180cm、体重75kgのがっちり目の男性がLサイズを着用して若干ゆったり目
    • タイトに着用したい時はMサイズ
  • 身長170cm、体重60kgのやせ型の男性でSサイズがベスト

スマートウールベースレイヤーの5種類のコレクション

スマートウールのベースレイヤーには5種類のコレクションが存在します。違いは混紡されている素材の比率による乾きの速さや通気性と、生地の厚みによる保温力の違いと理解すると良いでしょう。

イントラニット

イントラニット
  • 混紡比率:ウール53%、ポリエステル45%、ポリウレタン2%
  • 生地の厚み:200g/m2
  • 展開モデル:ロングスリーブ、1/4ジップ、ボトム、3/4ボトム

このコレクションは体の部位によってシームレスに編み方を変えて、通気性と保温性を変化させています。例えば体幹部分は保温力をアップさせ、脇や背中部分は通気性を上げた3Dニット構造を採用しています。

男女の体型に合わせてそれぞれメッシュパネルが設けられている点も見逃せません。さらには部位によって耐久性や速乾性、消臭性にも違いがあります。

フィッティングはスリムで体にフィットすることで汗を効率的に吸い上げて肌をドライに保ちます。また3D形状に編む技術により縫い目のない優れたフィット感が生まれ、体の一部のような体感と、高いパフォーマンスによるアクティビティ中の快適さは随一です。

サーマルメリノ(旧メリノ250)

  • 混紡比率:ウール100%
  • 生地の厚み:250g/m2
  • 展開モデル:ロングスリーブ、1/4ジップ、ボトム、3/4ボトム、タートルネック

メリノ250は、メリノウール100%で、生地の厚みは250g/m2です。

フィッティングはスリムで体にフィットすることで汗を効率的に吸い上げて肌をドライに保ちます。

製品名にサーマルメリノという名がつくように保温性に優れたメリノウールコレクションです。フラットロックシームを採用しているので肌あたりがなく冬山登山の重い荷物を背負って行動しても違和感を感じません。

ベースレイヤーだけでなくミドルレイヤーやアウターとしても着用することができます。寒い季節における行動が少ない移動着やパジャマにもおすすめのコレクションです。

メリノ150

  • 混紡比率:ウール87%、ナイロン13%
  • 生地の厚み:150g/m2
  • 展開モデル:タンク、Tシャツ、ロングスリーブ、1/4ジップ、ボトム

フィッティングはスリムで体にフィットすることで汗を効率的に吸い上げて肌をドライに保ちます。

生地の厚みはスマートウールのベースレイヤーの中では中間的な位置づけですが、メリノウールのベースレイヤーとしては非常に薄いため、登山やトレイルランニングなど幅広いアクティビティで活用することができます。

ナイロン13%の混合比率なので、耐久性と摩擦に強く、また吸水性が高いため汗を素早く吸い上げる特徴があります。またメリノウールの吸湿性と消臭性を併せ持ち、縦走登山などでも活躍するベースレイヤーです。

メリノスポーツ150

  • 混紡比率:ウール56%、ポリエステル44%
  • 生地の厚み:150g/m2
  • 展開モデル:タンク、Tシャツ、ロングスリーブ、フーディ

フィッティングはスリムで体にフィットすることで汗を効率的に吸い上げて肌をドライに保ちます。

メリノ150とメリノスポーツ150の大きな違いは、混合比率の違いです。メリノ150はナイロン13%に対して、メリノスポーツはポリエステル44%で、より高い拡散速乾性が特徴です。

スポーツという製品名の通り、クライミングやトレイルランニングなどのハードなアクティビティで活躍するベースレイヤーで、発汗による着心地の悪さを軽減させることができます。

メリノスポーツ120

  • 混紡比率:ウール53%、再生繊維(テンセル)47%
  • 生地の厚み:120g/m2
  • 展開モデル:タンク、ハイネックタンク、Tシャツ、ロングスリーブ、フーディ

フィッティングはスリムで体にフィットすることで汗を効率的に吸い上げて肌をドライに保ちます。

メリノスポーツ150と同様に汗の乾きが早く、より生地が薄いことによって通気性を追加したスマートウールの中で最も薄手のベースレイヤーです。再生繊維のテンセルを47%混紡しており、高い吸湿性と速乾性で汗を多くかくアクティビティで活躍します。

テンセルは摩擦に弱いので重い荷物を背負って登山をするシーンではメリノスポーツ150やメリノ150をセレクトするのがおすすめです。

スマートウールのベースレイヤーの選び方

ここまで挙げてきたように、

  • 4種類の生地の厚み
  • 7種類のタイプ

を掛け算してベースレイヤーを選ぶのですが、これだとそれぞれのベースレイヤーのスペック表を細かく確認する必要があるので、

  1. 5種類のコレクションから自分のアクティビティにあったタイプを選び
  2. その後活用するシーズンに合ったタイプを選ぶ

のが最も分かりやすい方法です。

縦走登山編

3シーズンの縦走登山では、メリノ150、メリノスポーツ150を選ぶのがおすすめです。夏山であればTシャツやノースリーブ、春や秋の肌寒い時期ではロングスリーブやジップアップタイプがおすすめです。

メリノ150

耐久性が高く縦走登山によってもザックの擦れの心配が少なく、縫い目の段差を最小限に抑えたフラットロックシームによる着心地の良さが特徴です。

日焼けが気になる稜線歩きではロングスリーブが単体で着用するのにもおすすめです。

メリノスポーツ150

気温が高い縦走登山ではメリノスポーツの方が汗の乾きが早く、通気性が高いTシャツタイプで登山をするのがおすすめです。快適性を高めるオフセットショルダーでザックとの相性も良く強度も高いポリエステル44%の混合比率で安心のできるベースレイヤーです。

冬の縦走登山では、メリノ250、イントラニネット、メリノ150を選ぶのがおすすめです。厳冬期における冬の縦走登山であれば最も保温力に優れたメリノ250か、最新のテクノロジーを採用したイントラニットで、11月から12月の冬の登山ではメリノ150のロングスリーブやジップアップタイプがおすすめです。

メリノ250

スマートウールの中で最も生地に厚みがあり保温力が高いベースレイヤーです。保温力が高いため登山ではジップタイプを着用することで体温調整を容易に行うことができます。

イントラニネット

体の部位によってシームレスに編み方を変えて、通気性と保温性を変化させています。例えば体幹部分は保温力をアップさせ、脇や背中部分は通気性を上げた3Dニット構造を採用しています。

男女の体型に合わせてそれぞれメッシュパネルが設けられている点も見逃せません。さらには部位によって耐久性や速乾性、消臭性にも違いがあります。

中低山の日帰り登山編

3シーズンの日帰り登山では、メリノスポーツ150、メリノスポーツ120がおすすめです。夏山であればTシャツやノースリーブ、春や秋の肌寒い時期ではTシャツやロングスリーブやジップアップタイプがおすすめです。

メリノスポーツ150

日帰り登山では縦走登山のように冷たい風に当たることが少ないぶん、樹林帯で風のない場所を登山することになるため汗をかく可能性が高くなります。 メリノスポーツ150は汗の乾きが早いため快適な登山をサポートします。

メリノスポーツ120

メリノスポーツ150よりも生地が薄く、さらに吸湿性が高いため素早く汗を吸着し乾きを促進する発汗の多い登山におすすめです。 累積標高が多い、気温が高いなどでメリノスポーツ150とどちらにするか考えるのがおすすめです。

冬の日帰り登山ではメリノ150、メリノスポーツ150を選ぶのがおすすめです。ウィンドブレーカーやミドルレイヤーを活用してTシャツやロングスリーブで体温調整をしやすくするのがおすすめです。

トレイルランニング編

多くの汗をかくトレイルランニングでは厳冬期時期を除いて、Tシャツやノースリーブがおすすめです。夏真っ盛りの暑い季節にはノースリーブを、それ以外の3シーズンではTシャツを着用することで体温調整をしやすくトレイルランニングをしましょう。肌寒い季節にはロングスリーブやジップアップタイプがおすすめです。

▼スマートウールのソックスの選び方がわかる記事

▼ベースレイヤーの基本がわかる記事

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