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マウンテンカラ『中央アルプス 木曽駒ヶ岳ファストパッキング編』

マウンテンカラ『中央アルプス 木曽駒ヶ岳ファストパッキング編』

2017年夏の陣。この年のマウンテンカラは王滝村に向かうこととなった。王滝村は実にアウトドアフィールドが豊富なエリアで、走る、登る、釣りをするといったアクティビティを思う存分楽しめるエリアだ。

王滝村 テンカラ

王滝村からすぐ北には御嶽山があり、東に向かうと木曽駒ヶ岳と山あそびを楽しめる。また、木曽谷といって、王滝村は木曽川上流の流域にあたり、多くの渓流がアクセスしやすい場所にある。だからテンカラ、フライフィッシングを楽しめるフィールドとしては魅惑の地というわけだ。

王滝村の渓流に足を運ぶとわかると思うのだけど、とにかく水の透明度には驚かされる。そして木々の美しさ、森の美しさには目を見張るものがあり、マウンテンカラを楽しむ間、僕らはよく『日本の山って素晴らしいね』と、景色と会話を楽しんでいた。

御嶽山 トレイルランニング

今回のマウンテンカラを楽しむメンバーは高橋くん、ナミネムくん。そしてスペシャルゲスト的にトレランと夜の宴会に合流した大瀬くん。

大瀬くんは現在王滝村で地域おこし協力隊という肩書で、このエリアの魅力をアウトドアという視点で掘り起し、全国に発信している。

皆の予定より前に、僕一人は余暇が2日ほど多く使えたので、木曽駒ヶ岳に向かうことにした。ファストパッキングで中央アルプスを楽しみ、下山したその足で皆と合流する計画。

木曽駒ヶ岳 中央アルプス ロープウェイ

急遽決まった木曽駒ヶ岳のファストパッキング計画。色々調べてみると高速バスは既に満席。電車で行くとなるとどれだけ早くとも木曽駒ヶ岳の登山口に到着するのは11時頃となる。こうなると問題となるのは宿泊場所。11時から登山を開始しても頂上山荘のテント場に到着する時刻が18-19時の見込みとなる。初めて入る山域だったこともあり、ここは安全をみてロープウェイを利用することにした。

ロープウェイは思ったほど人も少なく、あまり並ばずに乗ることができた。ロープウェイを利用することで、これからの長い山あそびの為の体力温存ができたのはありがたかった。

木曽駒ヶ岳 千畳敷カールに到着

千畳敷カール

千畳敷カールに到着すると、ガスっていて周りの視界は皆無。景色は諦めてそそくさとテン場に向かった。途中小雨にも見舞われ、一日目はテント生活を楽しむことにした。

nemo テント ブレイズ

今回持参したテントはnemoのテント『ブレイズ1p』。ダブルウォールで最少重量790グラムと、ファストパッキングには最適なモデル。今回は天気の崩れと、約3,000mのテン場で寒さを凌ぐという点において、心配があったが概ね問題なくテント生活を楽しめた。

nemo テント ブレイズ

夜中天気が崩れた時に冷たい空気がテント内に入ってきたものの、3シーズン用のシュラフに身を包んでいたので問題なく就寝することができた。ペグもしっかり打てるテン場であったことも幸いして、強風にも心配することなく安心して過ごすことができた。

駒ヶ岳キャンプ場

テン場に到着した時間は14時頃だったろうか?テントはまだ疎らだったが、夕方にもなると満員御礼。

ULTRA LUNCH ビバークレーション

この日の夕食はULTRA LUNCHの『ビバークレーション』。超軽量、超早く調理できるこの山ごはんは、初めて口にするのだけれど驚くような美味しさで大満足。こうして1日目は終了し、疲れもあって早めに就寝した。

木曽駒ヶ岳 中央アルプス

次の日起きると雨は止んでいた!前日テントの中で悶々としていたので、早速半袖、短パンに着替えてトレランシューズを履き、トレランザックを身にまとい、木曽駒ヶ岳頂上へと駆け登る。

木曽駒ヶ岳 ファストパッキングスタート

木曽駒ヶ岳 ファストパッキングスタート

今日の計画は木曽駒ヶ岳頂上から、馬の背を走り将棊頭山まで向かう。ここを折り返して濃ヶ池~宝剣山荘とぐるりと周遊。この時点で天気をみて千畳敷のピストン、伊那前岳のピストンを検討してテン場に戻るという計画。

木曽駒ヶ岳 ファストパッキングスタート

晴れたり、曇ったりを繰り返していたが、頂上に到着した時には視界が広がった。テン場では『早朝に頂上に登って良かったね。富士山見えたね。』という話声が聞こえ、残念な気持ちに苛まれていたが、結果オーライな眺めが楽しめた。

木曽駒ヶ岳 中央アルプス

やっぱり3、000メートル級の縦走ルートを見るとウキウキする。『これからあのルートを走っていくんだな』という景色を一望できる気持ち良さ、そこを走った時の想像する清々しさ。登山を好きになって良かったなあ~と思える瞬間だ。

木曽駒ヶ岳 ファストパッキングスタート

途中、雲の合間に、2日後に登る予定の御嶽山が見えた。そしてその横には八ヶ岳。晴れていればその向こうに富士山が見えるのかもしれない。

木曽駒ヶ岳 ファストパッキングスタート

折り返し地点となる将棊頭山到着。と同時に青空が広がり始めた。

木曽駒ヶ岳 中央アルプス

将棊頭山の頂上標は、なんとも脱力感のある【2,730m将棊頭山】という文字が。これはこれで味わいだ。

木曽駒ヶ岳 ファストパッキングスタート

今日はとにかく時間があったので、しばし休憩。連休中だと多くの山が頂上では人混みになるが、ここでは貸切状態。岩場に寝そべり、周りの景色を堪能する。

木曽駒ヶ岳 中央アルプス

休憩後、次は濃ヶ池に向かう。途中分岐から峰の南側のトレイルに入っていく。

木曽駒ヶ岳 中央アルプス

南側は鬱蒼とした緑に覆われ、多くの羽虫が飛び回っていた。走って通っても虫は体にまとわりつき、足元に集中できない。『うむぅ。これは危ない、気持ち悪い。』と思い、自作した虫除けを全身にスプレーする。まあとにかく効く効く!目の前を飛び交う羽虫たちは僕を上手によけていってくれた。

木曽駒ヶ岳 ファストパッキングスタート

こうしてたどり着いた濃ヶ池は凛とした空気に包まれていた。すぐ近くに猿がいて、キーキーと泣きながら山肌を駆け登っていった。

木曽駒ヶ岳 中央アルプス

どうやらこの池、奥にある雪渓から水が出ているようで向かってみると、とても冷たく美しい水が沸き出ており、飲んでみると言うまでもなく美味しかった。

木曽駒ヶ岳 中央アルプス

徐々に雲が垂れこみこの後の天気が心配だったが、平らで大きな岩が目にとまり、ここに寝そべってしばし就寝。岩の冷たさが火照った体を沈めてくれて、気持ちの良いベットだった。

木曽駒ヶ岳 中央アルプス
木曽駒ヶ岳 中央アルプス

休憩後、次は宝剣山荘に向かう。このあたり一帯は高山植物の宝庫で、美しいいろどりの花々を楽しめる。

ファストパッキングスタイルの利点

ファストパッキングスタイルの利点

こうして宝剣山荘に到着すると、将棊頭山付近で出会ったトレイルランを楽しむカップルに遭遇。これからのルートについての情報交換を交わし、無事を祈る形で別れを告げる。

木曽駒ヶ岳 中央アルプス

登山を楽しむ多くの方々に比べて、短パン、半袖、トレランザックという出で立ちはとにかく異彩を放つ。だから彼らの姿も異彩を放ち、すぐに先ほど出会った人たちだと解った。トレイルラン、ファストパッキングの人口はまだまだ少ないんだなと実感したひとときだった。

木曽駒ヶ岳 中央アルプス

雲行きが怪しかった為に千畳敷のピストンは断念し、伊那前岳に向かった。多くの方々は伊那前岳に向かう手前の分かれ道で千畳敷へと下山していたが、ほんのちょっと、それこそ5分ほど伊那前岳に足をのばすと、素晴らしい景色に出会える。

この山域から見える千畳敷の眺めは最高で、今日のベストビューとなった。

木曽駒ヶ岳 中央アルプス

伊那前岳まで向かえば伊那市の街並みが一望できる。この景色も素晴らしく、今までの経験上、100名山の頂上から見る景色よりも、こうした周辺の山々こそ、100名山を眺めることもでき、景色が美しい事が多いなあと思う。こういう注目されていない山で素晴らしい景色を見つける喜びも面白い。

木曽駒ヶ岳 中央アルプス

そうこうしていると、ポツポツという雨から、次第に雨脚は強まり、ザアザアという雨になり、テン場の小屋に到着する頃には下半身はびしょびしょ。それでも山小屋のストーブに身を寄せていると、あれよあれよという間に濡れたパンツは乾いていく。

木曽駒ヶ岳 中央アルプス

雨雲は通り過ぎ、テン場には青空が戻った。それにしても天気は不安定で、この日の夜は雨が降ったり止んだりを繰り返した。

次の日は4時起床で、暗いうちから移動を行い、木曽福島駅に向かう。ここで高橋くん、大瀬くんと合流。そして夜はナミネムくんが合流する。そして天気さえ良ければ御嶽山にトレランを楽しもういう計画だ。

駒ヶ岳キャンプ場

こうして木曽駒ヶ岳の山あそびは終了を向かえ、明日の下山をスムーズに行えるように地図を見ながら計画をたてて就寝した。

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