この記事の結論:山に持っていく中間着に迷ったら、フリースを卒業して「ポーラテック アルファダイレクト」を着てみてください。通気性が高く、軽く、すぐ乾くので、こまめに脱ぎ着しなくても素材が体温調節をしてくれます。最初の1枚は、汎用性の高い「90」前後のモデルがおすすめです。
「山に持っていく中間着、何を選べばいいかわからない」。山旅旅では、そんな相談をよく受けます。私たちの答えはひとつ。フリースを卒業して、ポーラテック アルファダイレクトを着てみてください。
今回はポーラテック社の協力のもと、スウェーデンのアウトドアブランド、ピークパフォーマンスの「フリーライト アルファ フード」を例に、この素材がなぜ"1年中使える"のかを解説します。

アルファダイレクトとは?特殊部隊のために生まれた「止まっても、動いても」快適な素材
アルファダイレクトは、激しく動く場面でもじっと止まっている場面でも快適でいられるように作られた保温素材です。その原点は軍用品にあります。
2012年ごろ、ポーラテックは米国の特殊作戦部隊と共同で、初代「ポーラテック アルファ」を開発しました。求められたのは、激しく動く場面でも、じっと待機する場面でも快適でいられる保温材。行動中に汗をかき、止まった瞬間に冷える――登山者なら誰もが経験するあの"汗冷え"を、極限の現場で解決するための素材でした。その性能は高く評価され、特殊部隊の標準装備にも採用されています。
そして2017年ごろに登場したのが「アルファダイレクト」です。初代アルファは表地と裏地で挟んで使う必要がありましたが、アルファダイレクトは裏地なしで肌に直接(ダイレクトに)着られるよう設計されています。裏地がない分さらに軽く、さらに風が抜ける。これが今、世界中のアウトドアブランドがこぞって採用している理由です。
最大の武器は「通気性」
アルファダイレクトのいちばんの強みは通気性です。目の粗い生地が、動いているときは熱と湿気を逃がし、止まってシェルを羽織れば暖かい空気をためてくれます。
光にかざすと透けるほど目が粗い生地
アルファダイレクトは、メッシュ状の基布に、ふんわりと立ち上がった繊維が編み込まれた生地です。光にかざすと向こう側が透けて見えるほど目が粗いのが特徴です。

この"粗さ"こそが性能の正体。動いて体が熱くなると、余分な熱と湿気が編み目からどんどん逃げていく。止まって上にシェルを羽織れば、起毛した繊維の間に暖かい空気がとどまる。つまり、こまめに着たり脱いだりしなくても、素材が体温調節をしてくれるのです。
北アルプスの急登で比べると
たとえば北アルプスの急登。普通のフリースなら途中で暑くなって脱ぎ、稜線に出て風に吹かれてまた着る――この繰り返しになります。アルファダイレクトなら、登りでは着たまま熱を逃がし、稜線ではシェルを重ねるだけ。ポリエステル100%で水を含みにくく、乾きが非常に速いのも、汗をかく登山には大きな利点です。

ほかのアクティブインサレーションとの違い
よく比較されるのが、オクタやプリマロフトのエヴォルブといった、ほかのアクティブインサレーションです。どれも"動ける保温着"を目指した優れた素材ですが、アルファダイレクトは通気性と乾きの速さに振り切った設計が際立ちます。「とにかく蒸れたくない」「行動中ずっと着ていたい」という人に、最も相性の良い素材だと私たちは考えています。
フリースとの違い
アルファダイレクトは、フリースと同じくらいの暖かさを、はるかに軽い重量で実現する素材です。小さくまとまり、汗で濡れてもすぐに乾きます。
フリースは目が詰まっているため、着ているだけで暖かい一方、行動中は熱と汗がこもりがち。しかも重く、ザックの中でかさばります。アルファダイレクトは、同じくらいの暖かさをはるかに軽い重量で実現し、小さくまとまり、汗で濡れてもすぐに乾く。山での使い勝手は、比べものになりません。

数字で選ぶ:60と90の違い
迷ったら「90」、グラム単位で軽くしたいなら「60」です。
アルファダイレクトは、生地1㎡あたりの重さ(g/㎡)で種類が分かれます。代表的なのは60・90・120・190。数字が大きいほど暖かく丈夫になり、そのぶん重くなります。
いちばん汎用性が高いのは「90」
山旅旅がいちばん汎用性が高いと考えているのは「90」です。単体の行動着として十分な厚みがあり、シェルを重ねれば冬の中間着にもなる。暖かさ・耐久性・軽さのバランスが最も良いゾーンです。
ULハイカーには極薄の「60」
一方「60」は、アクティブインサレーションの中でも最軽量級と言っても過言ではない極薄タイプ。ザックに入れてもほとんど存在を感じません。グラム単位で装備を削りたいULハイカーにとって、装備全体の軽量化にはっきり効いてくる素材です。
今回のフリーライト アルファ フードは85g/㎡。ちょうど"90クラス"にあたる、1年中使い回せるバランス型です。
季節ごとの使い方
アルファダイレクトは、夏は高所の行動着、春・秋は単体とシェルの組み合わせ、冬はシェルの下の保温着として、1年を通して使えます。
夏:標高の高い稜線の朝夕に
北アルプスの稜線など標高の高い場所では、朝夕や風の強い時間帯の行動着に。着たまま歩いても程よく風が抜けるので、暑くなりすぎません。軽くて小さくなるので、持ち歩くのも苦になりません。
春・秋:気温差が大きい季節こそ本領発揮
標高や時間帯で気温が大きく変わる季節こそ本領発揮。登りでは単体で、休憩や稜線ではシェルを重ねて。1枚で幅広い標高に対応できます。
冬:シェルの下で薄手ダウンのような暖かさ
シェルジャケットの下に着れば、まるで薄手のダウンジャケットを着ているかのような暖かさ。しかもダウンと違って汗で湿っても保温力を保ちやすく、すぐに乾きます。冬山やスキーの行動中に頼れる保温着です。
着るときの注意点
注意点は「単体では風を通す」「引っかけに気をつける」の2つです。
通気性が高いぶん、単体では風を通します。風の強い稜線や休憩中は、ウインドシェルやレインウェアを重ねるのが前提です。また、目の粗い編み生地なので、岩や枝への引っかけには少し気をつけましょう。この2点を押さえれば、これほど頼れる中間着はありません。

ピークパフォーマンス「フリーライト アルファ フード」
85g/㎡のアルファダイレクトを使い、フードで首まわりや頭まで1枚で保温できるのがこのモデルの特徴です。
ピークパフォーマンスは、約40年前にスウェーデンの山あいで生まれたブランド。2026年春夏に登場したフリーライト アルファ フードは、トレイルランからスキーまで「動いては止まる」山のアクティビティを想定した1枚です。

ピークパフォーマンス フリーライト アルファ フード
- 素材:ポーラテック アルファダイレクト 85g/㎡
- 重量:約200g(メーカー公表値)
- 袖・縫製:腕を上げやすいラグラン袖と、肌当たりのやさしいフラットロック縫製
- 首まわり:風を防ぐハイネックと、かさばらないフィットしたフード
- ポケット:ジップ付きの胸ポケット
- 環境配慮:PFASを意図的に使用せずに製造
フードがあるので、首まわりや頭の保温も1枚で完結。稜線で急に風が強まっても、フードをかぶるだけですぐに対応できます。
実際に山で着てみて感じたこと
いちばん良かったのは、寒いことが前提の秋冬の山で、脱ぎ着せずに歩き続けられることでした。気になったのは、フロントジッパーがないのに約200gという重さです。
脱ぎ着のために立ち止まらなくていい
このフリーライト アルファ フードを着て山を歩いてみて、まず感じたのは、寒いことが前提の秋冬の山での快適さです。歩き始めから稜線まで、脱いだり着たりせずにそのまま動き続けられる。体温調節のために立ち止まる回数が減るのは、想像以上にストレスがありません。

気になった点:フロントジッパーなしで約200g
一方で、気になった点もあります。シルエットが少しゆったりしているぶん、フロントジッパーがないにもかかわらず重さは約200g。ここは好みが分かれるところです。
「フードはいらない。それより前を開け閉めして、脱ぎ着しやすいほうがいい」という方には、フロントジッパーで開閉できるジャケットタイプもおすすめです。たとえば山旅旅で扱っているアルファダイレクトのジャケットは、レギュラーフィットで約133g。比べると、その軽さがはっきりわかります。動画では、風に吹かれて飛ばされてしまいそうなほどの軽さもご覧いただけます。
POLARTEC アルファダイレクト90 ULジャケット
- 素材:ポーラテック アルファダイレクト90(ポリエステル100%)、85g/㎡
- 重量:平均133g
- 形:フルジップ。フード・ポケットなし、袖口にサムホール
- 価格:18,990円(税込)
出典:山旅ショップ 製品ページ(2026/10/22確認)
山だけじゃない。街でも活きるレイヤリング
アルファダイレクトは普段使いにも向いています。Tシャツ1枚の上にアルファダイレクトのジャケット、さらにウインドシェルを重ねれば、肌寒い秋冬の街歩きにぴったり。少し暑い室内に入ったら、シェルを脱ぐだけで気持ちよく過ごせます。
山で覚えたレイヤリングは、日常でもこんなに便利。そう気づかせてくれるのも、アルファダイレクトの魅力です。
よくある質問
アルファダイレクトは夏の登山でも使えますか?
使えます。北アルプスの稜線など標高の高い場所では、朝夕や風の強い時間帯の行動着になります。着たまま歩いても程よく風が抜けるので暑くなりすぎず、軽くて小さくなるので持ち歩くのも苦になりません。
60と90はどちらを選べばいいですか?
迷ったら90です。単体の行動着として十分な厚みがあり、シェルを重ねれば冬の中間着にもなります。グラム単位で装備を削りたいULハイカーなら、極薄の60が装備全体の軽量化に効いてきます。
アルファダイレクト1枚で風を防げますか?
防げません。通気性が高いぶん、単体では風を通します。風の強い稜線や休憩中は、ウインドシェルやレインウェアを重ねるのが前提です。
まとめ:中間着の"正解"をアップデートしよう
フリースは暖かいけれど、重くてかさばり、汗をかくと乾きにくい。アルファダイレクトはその弱点をまとめて解決し、夏の稜線から冬の雪山まで、1年中ザックに入っている1枚になります。
フードで首まわりまで1枚で守りたいならピークパフォーマンスのフリーライト アルファ フード、前を開け閉めして軽さを優先したいならジャケットタイプ、という選び方ができます。
まずは1枚、90前後の汎用モデルから試してみてください。きっと「もうフリースには戻れない」と感じるはずです。
※本記事の作成にはAIを活用し、製品の仕様は各公式サイトの掲載情報(確認日時点)と照合しています。
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