亡くなられた方のご冥福をお祈りします。
この記事の要点:10月26日に新潟県の火打山で下山中の転倒事故が、27日に三重県の御在所岳・藤内壁でクライミング中の滑落事故が起き、どちらもけが人が救助されました。また、ネパールのヒマラヤ・ガンガプルナで連絡が取れなくなっていた日本人登山者2人について、29日に現地の警察が死亡を確認したと報じられました。紅葉シーズンの終わりは、山小屋の営業終了や日の短さ、岩や木道の冷えが重なる時期です。下山の時間と転倒・滑落への備えを見直しておきましょう。
何があったか
この数日に報じられた主な山の事故は次のとおりです(いずれも報道や警察の発表で確認できた範囲です)。
- 10月26日:場所 火打山(新潟県妙高市)富士見平付近 / できごと 下山中に足を滑らせて転倒。足首の骨折の疑い。警察官らが背負って下山
- 10月27日:場所 御在所岳・藤内壁(三重県菰野町) / できごと ロッククライミング中に約10m下へ滑落。肋骨の骨折の疑い。県の防災ヘリで救助
- 10月29日報道:場所 ネパール・ガンガプルナ / できごと 15日以降連絡が取れなくなっていた日本人登山者2人の死亡を現地警察が確認
くわしく
火打山:営業を終えた山小屋からの下山中に転倒
上越タウンジャーナルによると、26日午前10時20分ごろ、高谷池ヒュッテから笹ヶ峰登山口へ下っていた登山者1人が、富士見平付近で足を滑らせて転倒し、動けなくなりました。同行者が110番通報し、妙高警察署の署員らが背負って下山。下山が終わったのは午後6時すぎで、通報からおよそ7時間半かかっています。高谷池ヒュッテは今季の営業を終えたあとでした。
御在所岳:藤内壁でのクライミング中に滑落
伊勢新聞によると、27日午前11時ごろ、御在所岳の藤内壁で2人組でクライミングをしていたうちの1人が、約10m下の地面まで落ちたとみられます。四日市西署によると、ロープは使っていなかったとされています。事故からおよそ2時間後に三重県の防災ヘリで救助されました。
ヒマラヤ:ガンガプルナで不明の2人、死亡を確認
ネパール中部の7,000m峰ガンガプルナで、標高約7,050m付近から15日以降連絡が取れなくなっていた日本人登山者2人について、23日に標高約6,300m付近で2人とみられる遺体が見つかったと報じられていました。NHKによると、29日までに地元の警察が2人の死亡を確認しました。詳しい状況はまだ明らかになっていません。
登山者にとっての意味・気をつけたいこと
国内の2件は、どちらも命は助かったものの、救助や搬送に長い時間がかかっています。晩秋の山では、次の点を意識しておくと安心です。
- 下りの一歩を小さく:火打山の富士見平から笹ヶ峰へは木道や石、木の根が続く道です。この時期は朝晩の冷え込みで濡れた木道や石が乾きにくく、霜が残ることもあります。歩幅を小さくし、ストックで支点を増やしましょう。
- 救助には時間がかかる前提で:動けなくなってから下山まで7時間以上かかった例のように、山中で待つ時間は長くなりがちです。日没が早いこの時期は、ヘッドランプ、ダウンなどの防寒着、保温できるシートを日帰りでも持っておきましょう。
- 山小屋の営業終了を確かめる:10月下旬は多くの山小屋が営業を終えます。休憩や水の補給、緊急時に頼れる場所が減るため、行程に余裕を持たせましょう。
- 岩場では確保の準備を:藤内壁のような岩場では、短い距離の墜落でも大きなけがにつながります。ロープでの確保やヘルメットの用意、岩が冷えて指先の感覚が鈍る時間帯を避けるといった準備を、仲間と事前に話し合っておきましょう。
- 同行者と連絡手段:今回の国内2件はどちらも同行者がいて、すぐに通報できました。1人で歩くときは、行き先と下山予定を家族に伝え、電波の届きにくい場所があることも想定しておきましょう。
登山届の出し方と、情報の確かめ方
- 新潟県(火打山・妙高方面など):新潟県警察の「登山情報」ページから登山計画書の届け出方法を確かめられます。入山の1週間前ごろまでに余裕をもって出し、家族や職場にも日程を伝えるよう呼びかけられています。
- 三重県(御在所岳・鈴鹿山脈など):三重県は御在所ロープウエイ乗り場付近での啓発活動などで、オンラインでの登山届の提出を呼びかけています。
- 長野県:県警の「山岳情報」ページで、毎週の山岳遭難の発生状況(週報)が公開されています。指定登山道を歩くときは、長野県登山安全条例にもとづく登山計画書の届け出が必要です。
出典:上越タウンジャーナル(2026年10月26日)/伊勢新聞(2026年10月28日)/NHKニュース(2026年10月29日)/テレビ朝日系(ANN)(2026年10月23日)/新潟県警察「登山情報」/三重県(2026年8月1日)/長野県警察「山岳情報」(2026年10月29日確認)
