登山の防寒着はオールシーズンで考える必要のあるウェアです。防寒着は読んで字の如く、寒さを防ぐためのウェアです。今回は登山向け防寒着の選び方、登山シーン別でおすすめの防寒着を紹介します。
登山における防寒着の選び方
登山で防寒着と言うと、行動中の防寒着、休憩中の防寒着の2種類に大別することができます。
休憩中の防寒着の選び方
休憩中の防寒着はシンプルに考えることができ、行動中に出た汗によって体が冷えないようにすること、また冷えた空気や風で体が冷えないようにすることを目的としたダウンジャケットや化繊ジャケットが防寒着として選ぶのがスタンダードです。行動中には着用しないため、できるだけ軽量で保温力のあるモデルがおすすめです。
行動中の防寒着の選び方
行動中の防寒着は汗をかきづらく行動することができるように、溜まった熱を放出できる通気性や透湿性に優れたフリースや、アクティブインサレイションと呼ばれる化繊ジャケットがおすすめです。
また汗離れを良くするためにベースレイヤーを重視することも防寒対策となります。寒くなることが想定できる登山の場合は、ベースレイヤーに汗の乾きがゆっくりで体温が奪われづらいメリノウール製を選び、更に瞬時に肌から汗を離すファイントラックのドライレイヤーを取り入れるなども防寒着を選ぶ際の重要な視点です。
登山シーン別おすすめの防寒着
登山用防寒着として、休憩中におすすめの防寒着にダウンジャケットと化繊ジャケットを紹介します。行動中におすすめの防寒着にはベースレイヤーとフリースとアクティブインサレーションを紹介します。
休憩中におすすめの防寒着−ダウンジャケット編
おすすめの防寒着としてのダウンジャケットは軽量でフードがあるタイプがおすすめです。フードがあることで頭と顔、耳を冷たい風から守ってくれます。
超軽量なダウンフーディ『マウンテンハードウェア−ゴーストウィスパラーUL』
1000フィルパワーのQシールド撥水ダウンを使用したダウンフーディです。フードがあり、シェルには5デニールと7デニールのリップストップナイロンを使用しています。左右にはジッパー付きポケットが付いており、ポケットのパッカブルができます。ドローコードは一切なくストレッチ素材でフィット感を出しています。
普段使いもできる軽量なダウンフーディ『ダウン・セーター・フーディ』
フード付きの最もスタンダードなタイプのダウンジャケットです。シェル素材には20×30デニール・リップストップを採用しているため風をしっかり防ぎつつ耐久性にも優れた普段使いもしやすいダウンジャケットです。
軽量かつ保温力抜群『マウンテンイクイップメント クラウド・デュベ』
ダウンは800フィルパワーの撥水ホワイトグースダウンで180g封入されています。325gの軽量なダウンジャケットで保温力に優れています。夏山登山にはオーバースペックなので秋~冬にかけてのマイナス気温になる登山用防寒着としておすすめです。
休憩中におすすめの防寒着−化繊ジャケット編
おすすめの防寒着としての化繊ジャケットはダウンジャケット同様、軽量タイプがおすすめです。ダウンと比べると重量過多になりがちですが、濡れに強いので湿気が多い場所や、長期縦走登山で安心感があります。
厳冬期のミドルレイヤーとしても活用できる万能インサレーション『アークテリクス アトムLTフーディ』
フィットはトリムフィットで体に密着したデザインでレイヤリングとして中間着にもなるし、アウターにもなるという万能な化繊ジャケットです。また湿気がウェアの中に溜まりづらく、外に排出しつつ保温されます。脇には通気性を確保するためのフリースパネルが施されているので、ウェアを着ていても暑くなりすぎません。
保温力と軽量性を追求した化繊ジャケット『ファイントラック ポリゴン2ULジャケット』
ファイントラック独自開発のシート状立体保温素材『ファインポリゴン』を2枚封入し保温力と軽量性を追求した化繊ジャケットです。濡れに非常に強く、化繊そのものに速乾性もあるため、あらゆるシーンで活用できる化繊ジャケットです。
行動中におすすめの防寒着−ベースレイヤー編
汗の乾きが緩やかなメリノウールのベースレイヤーは皮脂の嫌な匂いもしづらく、登山で快適な防寒対策以外でも多くのメリットがある素材です。このメリノウールのベースレイヤーと汗離れが早いメッシュ素材のドライレイヤーを組み合わせることで、汗による冷えを防止します。
スマートウールのメリノウール製ベースレイヤー
スマートウールには大きくわけてメリノ150とメリノスポーツ150とメリノスポーツ120の3種類があります。素材に違いがありメリノ150はメリノウールの比率が高いのでハイキングなどのゆっくりとした登山で保温性を重視したベースレイヤーとして使用し、トレイルランニングなどのハードなアクティビティで乾きの早さを重視する際はメリノスポーツ150を使用するなどがおすすめです。新しくメリノスポーツ120が登場し生地重量が30g軽くなり、より通気性に優れたベースレイヤーとして使用ができます。
今回紹介したクルーネックタイプ以外にもフード付き、ジップアップタイプなど展開が幅広いのも特徴のブランドです。
アイスブレーカーのメリノウール製ベースレイヤー
ベースレイヤーとしてのアイスブレーカーはスマートウールと展開や生地重量の種類などが似ており、天秤にかけて迷う方も多いと思います。混紡比率を見てみるとアイスブレーカーにはポリウレタンが入っており、生地に光沢感があり肌触りがつるりとした特徴を備えています。気持ちストレッチ性が高いのも特徴的です。
行動中におすすめの防寒着−フリース編
フリースはストレッチ性に優れ、肌触りも良いため快適に行動することができる一方で登山ウェアとしての重量は軽いものでも200g台です。防寒着としてフリースを選ぶ場合は、通気性に優れた登山スタートから終わりまで着用し続けられるタイプがおすすめです。
平均的な通気性と保温力で汎用性の高いフリース『パタゴニア R1デイリー』
カジュアルフリースとしても着用しやすい最も汎用性の高いフリースです。表面が滑らかで肌触りがソフトなのでレイヤリングがしやすい特徴があります。
登山における使用例
- 夏の登山での保温着としてアウター使用
- 寒い季節における行動着としてミドルレイヤー
- 11月、2月のBCスキー
通気性に優れ蒸れづらいフリース『パタゴニア R1エア』
紹介するフリースの中では最も軽量で通気性に優れています。少し肌寒い季節でハードなアクティビティをする際に重宝するフリースで、軽量であることから念のため持ち歩くフリースとしても最適です。
登山における使用例
- 夏の登山での保温着としてアウター使用
- 初春、晩秋における行動着としてアウター使用
- 3月以降のBCスキー
行動中におすすめの防寒着−アクティブインサレーション編
アクティブインサレーションはフリースの弱点をカバーした中綿の入ったウェアで、化繊ジャケットやダウンジャケットなどの保温着と間違われやすいですが、フリースよりも通気性に優れ、濡れても早く乾く特徴があり、フリースの弱点をカバーした防寒着として注目を浴びています。
アークテリクス アトム SL フーディ
アークテリクスで最軽量の化繊ジャケットです。通気性と防風性をバランスよく実現した表生地は湿気に強く、フリース地のサイドパネルによって空気の出入りを促進した作りです。アトムLTよりも薄くアクティブインサレーションとして使いやすいモデルです。
Rab−カオンジャケット
800フィルパワーの NIKWAX 撥水ダウンを使用したダウンフーディーです。フードがあり、シェルには10デニールのリップストップナイロンと、サイドパネルにパーテックスカンタムエア20デニールのストレッチナイロンを使用しています。ポケットは胸に一つあるのみで、パッカブルは専用スタッフバッグで対応します。裾にドローコードが付いているので風の侵入を防ぐことができます。