この記事の要点:強い寒気が入った10月28日、気象庁の初冠雪の記録に、岩手山・月山・蔵王山・吾妻山・白山・武尊山など17の山が一度に加わりました。前日27日には立山と雌阿寒岳も記録されていて、全国44の対象の山のうち24の山で、今季の初冠雪が出ました(28日23時時点)。11月の東北・北陸・北関東の山や北アルプスは、日によって雪と凍結がある前提で準備したい時期に入っています。
何が発表されたか
気象庁は、全国44の山を対象に「初冠雪」の記録を公表しています。10月下旬は上空に強い寒気が流れ込み、北日本から北陸、北関東の山で次々に山頂付近が白くなりました。気象庁のページでは、10月22日に北海道の利尻山・斜里岳・手稲山と青森の八甲田山、27日に富山の立山と北海道の雌阿寒岳、28日には東北・北陸・甲信・北関東を中心に17の山が記録されています。
ウェザーニュースによると、22日には上空約1,500mに、平地で雪になる目安とされるマイナス6℃以下の寒気が入っていました。今季の全国最初の初冠雪は、10月2日の大雪山・旭岳です。
くわしく:今季、初冠雪が記録された山
- 10月2日:山(担当の気象台) 旭岳(旭川)
- 10月22日:山(担当の気象台) 利尻山(稚内)、斜里岳(網走)、手稲山(札幌)、八甲田山(青森)
- 10月27日:山(担当の気象台) 立山(富山)、雌阿寒岳(釧路)
- 10月28日:山(担当の気象台) 鷲別岳(室蘭)、横津岳(函館)、岩木山(青森)、太平山(秋田)、岩手山(盛岡)、月山・朝日岳・雁戸山・瀧山(山形)、蔵王山・泉ケ岳(仙台)、吾妻山(福島)、白山(金沢)、東方連山(長野)、仙ノ倉山・白砂山・武尊山(前橋)
一方、富士山・甲斐駒ヶ岳(甲府)、浅間山・赤城山・榛名山(前橋)、男体山(宇都宮)や、近畿・中国・四国・九州の山は、28日23時の時点でまだ記録がありません。
なお、今季から初冠雪の決め方が変わりました。これまでは気象台の職員が山を見て判断していましたが、今季(2027寒候年)からは、アメダスや気象レーダー、気象衛星ひまわりのデータから山頂の積雪を推定する「解析積雪深」を使っています。気象庁は、方法が違うため、昨シーズンまでの目視の記録や平年値と単純には比べられないとしています。そのため「平年より何日早い・遅い」という比べ方は、今季はできません。
登山者にとっての意味・気をつけたいこと
初冠雪は「山頂付近に一度雪が積もった」という印で、そのまま根雪になるわけではありません。実際、気象庁の表では雌阿寒岳と太平山の「最新の積雪状況」は、すでに「積雪なし」になっています。ただ、雪が消えたあとも、日陰の登山道や北側の斜面、木道や岩の上には、薄い氷が残りやすくなります。11月の山行では、次の点を見直しておきたいところです。
- 朝の凍結:前の日の雨や融けた雪が夜に凍り、朝の木道・岩場・鎖場が滑りやすくなります。東北の稜線や立山・白山の上部では、軽アイゼンやチェーンアイゼンを持っておくと安心です。
- 稜線の風と寒さ:寒気が入った日の稜線は、麓より大きく気温が下がり、風で体感温度がさらに下がります。手袋・帽子・保温着を、晴れの予報でも持っていきます。
- 日の短さ:11月は日の入りが早く、東北では11月中旬に16時半ごろ日が沈みます。雪や凍結で歩くのが遅くなる分も考えて、下山の時刻に余裕を持たせ、ヘッドランプを必ず入れます。
- 道路と交通:山の上だけでなく、登山口までの山岳道路や林道も、凍結で通行止めになったり冬期閉鎖に入ったりする時期です。出かける前に道路情報も確かめます。
確かめ方と、これから
初冠雪の記録は、気象庁の「初冠雪の記録等」のページにまとまっていて、毎時25分ごろに更新されます。山ごとの「最新の積雪状況」も見られるので、出かける前に目当ての山に今も雪があるかを確かめる目安になります。ただし、ここで分かるのは山頂付近の推定で、登山道の凍結の具合までは分かりません。山小屋や施設、自治体の発表、直近の登山記録もあわせて確かめるのが確実です。
まだ記録のない富士山や甲斐駒ヶ岳、近畿以西の山も、次の寒気で白くなる可能性があります。今季は暖冬の見込みとされていますが、暖冬でも寒気が入る日は山の上は冬の条件になるので、天気図で寒気の入り方を見ておきたいところです。
出典:気象庁「初冠雪の記録等」(2026年10月28日23時時点)/ウェザーニュース「北海道の手稲山・斜里岳、青森の八甲田山で初冠雪」(2026年10月)/NHK「立山で初冠雪を観測」(2026年10月27日)/NHK「岩手山が初冠雪」(2026年10月28日)/NHK「武尊山など群馬県内3つの山で初冠雪」(2026年10月28日)(2026年10月29日確認)
