山の中の登山道を走るトレイルランニング。ランニングをしている人に始めやすいスポーツとして注目を浴びています。これからトレイルランニングを始めようと思っている人向けに、トレイルランニングの基本的なルールと必要な装備を紹介します。
トレイルランニングとは
トレイルランニングは登山道などのアスファルトで舗装されていない道を走るアクティビティです。ロードランニングとは異なり、土の上を走るので足腰に優しく、標高が高く樹林帯を走るために涼しい特徴があります。また整備されていない道を走るため転倒などの怪我のリスクが多いことも念頭においておきましょう。
トレイルランニングをする際の注意点
- 登山道を歩く登山者の邪魔にならないように、また危険な行為は絶対にやめましょう。
- すれ違う時は走らず歩くようにし、ぶつかったりして転倒を招かないようにしましょう。
- 後ろから走りながら追い抜くようなことはせず、歩いて声をかけ驚かさないようにしましょう。
- 勾配のある登山道を走ることで落石を招かないようにしましょう。
トレイルランニングの魅力
トレイルランニングはロードランニングでは味わえない多くの魅力があります。ここでは代表的な魅力を3つ紹介します。
魅力1:土の上を走ることで体への負担が少ない
街の中のランニングと違ってアスファルトからの日差しの照り返しがなく、土の上を走るため、足首や膝に多くの負担をかけず走ることができます。
魅力2:標高が高く、樹木の日陰で涼しく走れる
街の中よりも標高が高い場所で走るので気温が低く、また樹林帯では樹木の日陰の中を走りることになるため、直接日差しを浴びず涼しく走ることができます。標高100m上げると0.6度気温が下がります。30度後半の7月から8月にかけては特にトレイルランニングが気持ち良いシーズンです。
魅力3:様々な景色に魅了される
山の中は斜面が変わるだけで植生が変わり、植物の変化を楽しむことができます。街や山を見下ろすような景色を楽しめる場所もあります。またアップダウンがなく、山の中でほぼ平坦な登山道を走る爽快感は格別です。
トレイルランニングで必要な装備
それではトレイルランニングを始めてみようと思った時、どのような服装と装備が必要なのか不安に感じる方も多いと思います。以下からは必要最低限の装備を紹介します。
トレイルランニングシューズ
トレイルランニング用のシューズは通常のランニング用シューズとは異なり、シューズのソールに凹凸があり、滑りにくくなっています。
また、木の根や岩などを避けながら走るためにシューズの中で足がぶれやすいのを抑える作りになっています。
シューズのつま先部分を補強していることで岩や木などにつま先を当てても怪我がしづらい安心感のある作りになっています。
トレイルランニング用ザック
容量はベストタイプと呼ばれる必要最低限の装備を収納することができるものから、2L、5L、8L、10L、12L、20L、25Lと様々な容量のトレイルランニング用ザックがあります。初めてトレイルランニングをする場合は、おおよそ10kmほどの距離を走ることになると思うので、8L前後の容量のザックが汎用性もありおすすめです。
このザックに収納するものはこの後紹介していきます。
水分補給のための水筒
トレイルランニング時に水分補給をするための水筒です。市販で販売されている500ml のペットボトルでも全く問題ありません。
ソフトフラスクは、ペットボトルの中の水がなくなったら畳んでしまうことができるため身軽に行動することができます。
また、ハイドレーションシステムと呼ばれるものはザックの背面に1 L から2 Lほどの水を入れてチューブを使って水を飲むことができます。
夏のトレイルランニングでは、事前にペットボトルに入ったポカリスエットや水を凍らせて持ち歩くことで、ザックのポケットにしまっておくだけでも体がひんやりして気持ちが良いです。
レインウェア
トレイルランニング用のレインウェアは、軽量でコンパクトになるものを選ぶようにしましょう。ウェア内に溜まった熱を外に放出する透湿性の高さは重要です。以下で紹介しているレインウェアは、トレイルランニングにおすすめです。雨は降っていないけれども、寒い時に羽織るウインドブレーカー代わりとしても使用できます。
エマージェンシーキット
登山道を走っていると、木の根に足を引っ掛けたり、木の幹で肌をこすったり、靴擦れやマメなどで足が痛くなったり、トレイルランニングでは怪我をする可能性が高いため、必要最低限のファーストエイドを持っておきましょう。
絆創膏は大きめのもの、夏の時期は虫除けスプレーや、ポイズンリムーバーの追加、テーピングとマルチツールがあると安心です。その他必要に応じて自分に合ったファーストエイドを準備するようにしましょう。
日焼け止め
紫外線が強い山では必ず日焼け止めを持ち歩くようにしましょう。汗によって日焼け止めが流れてしまうため、必要に応じて塗り直しを行いましょう。登山では紫外線量が平地に比べて、雪のない時で10〜30%、雪があると照り返しで80%増えると言われています。登山中に日焼けをするってとっても危険です、また年を重ねると『しっかりと日焼け止めをしておけばよかった』と悔やむこと間違いなしです。
キャップ
つばが短いキャップは、視界を遮ることがないためトレイルランニングにおすすめの形状です。トレイルランニング時には木の枝などが目に入ったり、強い日差しが直接頭に当たって頭皮を痛めたりすることを防いでくれます。
GPS 機能付き時計
トレイルランニング用の時計は、心拍数や現在地、標高、トレイルランニングコース情報などを時計1つで確認することができ、コース配分や道迷い、ペース配分などを調整することができます。
紙地図
トレイルランニングを走るルートがわかる紙地図を持参しておきましょう。計画通りに走ることができているか、またこの後どのような道になっているか、などを確認するのに便利です。紙地図に載っていない場所を走ることもあると思いますが、その場合はスマホアプリなどを使って場所の確認をするようにしましょう。ジオグラフィカは使い方を覚えれば大変便利なアプリです。
東京でトレイルランニングにおすすめなコースが多いのは奥武蔵と高尾山周辺と丹沢です。
ヘッドライト
里山でも、身近な山でもトレイルランニングともなると、勢いが余って道に迷ってしまうことがあります。日暮れまでに下山ができない場合も可能性としてゼロではないため、いつもの道具として癖付けて持ち歩くようにしましょう。
タオル
トレイルランニングでは汗が頭から滴り落ちて目に入ってくることがあります。速乾性タオルがあると何かと便利です。
あると便利なもの
必須装備ではありませんが、あると便利なものを紹介します。
大きめのトートバッグ
パッカブルができる大きめのトートバッグがあると、汚れたウェアやザックを持ち帰るのに便利です。公共交通手段でトレイルランニング用のザックと水を全てトートバッグに入れて、スタートする時に全てを体に身につけ、トートバッグはパッカブルしてザックにしまっておきます。
終了したら、持ってきたT シャツなどに着替えて、汚れたウェアやザックはビニール袋などに入れてトートバッグにしまって帰宅すれば、匂いも気になりまん。
着替え
たくさんの汗をかくトレイルランニングでは、終了後に温泉などに入れれば良いのですが、そうでない場合もどこか人目につかないところで着替えて帰宅します。お風呂に入る予定がない場合は、T シャツと靴下とタオル、お風呂に入る場合はアンダーウェアも一式揃えて装備に加えています。