9月は、登山初心者にとって絶好の季節です。夏の猛暑が落ち着き、空気が澄みはじめ、草紅葉や秋の花々が山を彩ります。
汗ばむ陽気のなかでも、どこか爽やかな風が吹く9月。そんな秋の入口に、無理なく楽しめる山を探している方も多いのではないでしょうか。
この記事では、「初めての登山」「ブランクがある」「のんびり景色を楽しみたい」そんな方にぴったりの山を8座ご紹介します。
いずれも比較的アクセスがよく、歩行時間も短め、そして温泉や絶景グルメが楽しめる場所もありますよ。
ぜひ、秋の山旅の参考にしてください。
■1. 霧ヶ峰(長野県)|9月の爽やかな高原ハイキングとススキ・草紅葉の絶景
標高約1,500mの霧ヶ峰高原は、9月になると涼しい風とともにススキが揺れ、草紅葉が一面に広がります。車山山頂からは八ヶ岳や富士山まで望め、初心者でも歩きやすい緩やかなコースが魅力。日帰りで爽快な高原ハイキングが楽しめます。

霧ケ峰は長野県の美しい高原地帯で、標高約1,500メートルのなだらかな丘陵が広がる主峰車山(1,925m)から八島ヶ原湿原、鷲ヶ峰一帯を指します。霧の発生が多いところで、昭和38年には年間293日も霧を観測しました。日本百名山・花の百名山です。
8月中旬にはヤナギラン、9月中旬にはススキ、草紅葉は9月下旬から見頃を迎えます。2本の展望リフトで車山山頂まで気軽に登頂でき、山頂からは八ヶ岳や日本アルプスの大パノラマを見ることができます。
9月の霧ケ峰は、夏の暑さが和らぎ、澄んだ空気と爽やかな風が吹き抜ける。高原ならではの広大な草原と色とりどりの秋の草花が見どころで、ゆったりと自然散策を楽しめます。
霧ヶ峰おすすめハイキングコース
必要日数 | 日帰り |
コースタイム | 4時間28分(休憩時間1時間4分) |
距離 | 10.7㎞ |
累積標高 | のぼり463m/くだり461m |
難易度 | ★☆☆☆☆ |
車山肩駐車場⇒霧ヶ峰(車山)⇒車山乗越⇒蝶々深山⇒物見岩⇒八島ヶ原湿原⇒ヒュッテ御射山⇒ころぼっくるひゅって⇒チャプリン⇒車山肩駐車場
蝶々深山から物見岩を経て天然記念物指定の八島ヶ原湿原へ。木道が整備されているため歩きやすく、初心者でも安心して歩けます。湿原の散策路をゆっくり進むと、季節ごとの花々や湿地帯特有の生態系を観察できます。
霧ヶ峰へのアクセス
車でアクセス
中央自動車道諏訪ICから県道424号⇒県道40号を経由して約30分です。駐車場も複数あり、ドライブとセットで訪れやすい場所です。
電車・バスでアクセス
公共交通機関ではJR茅野駅⇒(40分)⇒霧ケ峰高原入口の「霧ヶ峰・車山高原」バス停で下車。
バス停からは散策路がすぐ近くにあり便利です。
霧ヶ峰のおすすめグルメ
「ころぼっくるひゅって」

車山肩近くにある小さな山小屋です。無雪期にはカフェもオープンしています。サイフォンで淹れるコーヒー、ボルシチとトーストの組み合わせが最高。(@korobokkuru_hutte) • Instagram写真と動画
霧ヶ峰のおすすめ日帰り温泉
岳の湯温泉雲渓荘

標高約1000mにあり、渓谷美に囲まれた静かな公共の宿。江戸時代から胃腸病に効果が高く、頭のよくなる湯と言われ地元で親しまれてきた温泉です。岳の湯温泉 雲渓荘 公式サイト【ベストレート】|森と渓谷に囲まれた名湯一軒宿
おすすめビュースポット

霧ヶ峰のビューポイントといえば車山山頂(車山SKYTERRACE)。リフトを使えば気軽にアクセスでき、山頂からは八ヶ岳連峰や南・北アルプス、富士山までも見渡せる360度の絶景が広がります。
特に朝焼けや夕焼けに染まる空と高原の稜線はまるで絵画のよう。季節ごとの草花も美しく、訪れるたびに異なる表情を見せてくれます。青空と風、広大な景観に包まれるこの場所は、写真好きにも自然愛好家にもたまらないスポットです。
また、霧ケ峰高原はハイキングだけでなく、美術館やカフェ、牧場なども点在し、山小屋での食事や休憩も楽しめます。9月の秋風に吹かれながら、ゆったりとした時間を過ごすのにぴったりの場所です。
■2. 美ヶ原高原(長野県)|日帰りで楽しむ天空の散歩道と360度パノラマ
「日本一広い高原」とも呼ばれる美ヶ原は、標高2,000mから見渡す360度の大パノラマが圧巻。9月は空気が澄み、北アルプス・南アルプス・八ヶ岳を一望できます。整備された遊歩道は初心者にも安心で、日帰り登山やドライブ観光にもぴったりです。

美ヶ原高原は、長野県松本市と上田市にまたがる標高約2,000メートルの広大な高原台地。主峰・王ヶ頭(2,034m)を中心に、美しの塔や放牧された牛がのんびりと過ごす牧歌的風景が広がる、日本百名山にも選ばれた人気エリアです。
ビーナスラインによって、霧ヶ峰や白樺湖へもアクセスできるためドライブ観光で人気。高原の大部分は平坦な地形で整備された遊歩道が多く、登山というより「天空の散歩道」のよう。体力に自信のない方や登山初心者でも安心して楽しめるのが特徴です。
9月の美ヶ原は空気が澄みわたり、秋の訪れを告げる草紅葉が始まる季節。昼夜の寒暖差がもたらす色彩の変化が美しく、360度の大パノラマと共に、さわやかな風を感じながら散策を楽しめます。
美ヶ原おすすめハイキングコース
必要日数 | 日帰り |
コースタイム | 2時間53分(休憩時間1時間8分) |
距離 | 5.1㎞ |
累積標高 | のぼり179m/くだり179m |
難易度 | ★☆☆☆☆ |
美ヶ原自然保護センター⇒塩くれ場⇒美しの塔⇒王ヶ頭⇒王ヶ鼻⇒美ヶ原自然保護センター
王ヶ頭からは八ヶ岳、南・北・中央アルプス、浅間山などが一望でき、天気が良ければ富士山の姿も。「美しの塔」は美ヶ原の象徴で、霧が出やすいこの地で、道に迷わないように設置された鐘塔です。訪れたら、鐘を鳴らしてみましょう。
さらに、王ヶ鼻からの断崖絶壁の眺望も圧巻。松本市街地を眼下に望む絶景スポットで、日の出や夕暮れ時は特に幻想的な風景が広がります。
美ヶ原へのアクセス
車でアクセス
上信越自動車道・東部湯の丸ICから約1時間15分。あるいは中央自動車道・松本ICから約1時間。
「美ヶ原高原美術館」や「美ヶ原自然保護センター」付近に駐車場があり、そこからすぐ散策開始できます。
電車・バスでアクセス
JR松本駅から「美ヶ原高原行き」の路線バス(季節運行)で約90分。美ヶ原自然保護センターまたは美術館前で下車。路線バスは運行日が限られるため、事前にチェックを。
美ヶ原のおすすめグルメ
「山本小屋ふる里館」

美ヶ原の中心、美しの塔の近くにある宿泊施設。標高2,000㎡の絶景の宿です。ランチ営業時には地元産の食材を使った「信州味噌ラーメン」や「信州牛ステーキ」など、地元ならではの温かいメニューを提供。絶景を眺めながらの食事は格別です。
美ヶ原高原 星空へ続く宿 山本小屋ふる里館【公式】
美ヶ原のおすすめ日帰り温泉
別所温泉「石湯」

「信州の鎌倉」とも呼ばれる歴史ある別所温泉街にある、趣のある日帰り入浴施設。1,400年続く信州最古の温泉は、源泉かけ流しのやわらかい湯で、登山後の疲れをゆっくりと癒せます。弱アルカリ性の美肌の湯です。
別所温泉の泉質と効能 〜美肌から健康増進へ〜
おすすめビュースポット

美しの塔と放牧風景:牛たちが草を食む風景と鐘塔のコントラストが「絵になる」風景。霧に包まれた朝は幻想的な雰囲気に。
王ヶ頭ホテル前の展望スポット:星空観察にも人気。街の灯りが遠くにきらめき、静寂と宇宙を感じられる神秘の時間。
美ヶ原高原は、美術館や宿泊施設、遊歩道などが整備された滞在型高原リゾートとしても人気。ハイキングだけでなく、星空観察や高原ドライブ、美術鑑賞など、多彩な楽しみ方ができるのが魅力です。
■3. 入笠山(長野県)|ゴンドラで行く花の百名山と草紅葉ハイキング
ゴンドラを使えば標高1,780mまで一気にアクセスでき、手軽に絶景を楽しめる入笠山。9月は草紅葉と秋の花々が咲き誇り、山頂からは南アルプスや八ヶ岳が広がります。ゆったり散策できる湿原コースもあり、家族や初心者にも人気です。

入笠山は、長野県富士見町に位置する標高1,955メートルのなだらかな山。八ヶ岳の南麓にあり、ゴンドラを使って標高1,780メートルの入笠山登山口まで一気にアクセスできるため、初心者や体力に自信のない方にも人気の登山スポットです。
登山口から山頂までは30分程度なので大人から子供まで気軽に登ることができ、山頂の大パノラマは富士山、八ヶ岳、アルプスの山々まで一望できます。
9月の入笠山は、夏の暑さが和らぎ、澄んだ空気の中で爽やかな秋風を感じながら散策が楽しめる季節。花の百名山に選定されている入笠山は、入笠湿原や大阿原湿原の高山植物、草紅葉など四季折々の花々が咲き誇ります。
入笠山おすすめハイキングコース
必要日数 | 日帰り |
コースタイム | 3時間18分(休憩時間47分) |
距離 | 4.5㎞ |
累積標高 | のぼり311m/くだり306m |
難易度 | ★☆☆☆☆ |
富士見パノラマリゾート山頂駅 ⇒ 入笠湿原 ⇒ 山彦荘 ⇒ 入笠山山頂(1,955m) ⇒ 復路は同じ道を戻る
ゴンドラ「富士見パノラマリゾート」を利用すれば、標高1,780mまで15分で到達。そこから入笠湿原へと向かい、湿原の木道を抜けて山頂を目指します。入笠湿原は国の天然記念物に指定される貴重な植物群落があり、9月には草紅葉が始まり、幻想的な雰囲気に包まれます。
山頂からは、南アルプス、中央アルプス、北アルプス、八ヶ岳連峰、天気が良ければ富士山まで一望できる大パノラマが広がります。
入笠山へのアクセス
車でアクセス
中央自動車道「諏訪南IC」から約7分で「富士見パノラマリゾート」へ。無料駐車場完備。ゴンドラ山麓駅から山頂駅まで15分。
電車・バスでアクセス
JR中央本線「富士見駅」から富士見パノラマリゾート行きの無料シャトルバス(※季節運行・要確認)で約10分。ゴンドラ利用で標高を一気に稼げるため、アクセスも良好。
入笠山のおすすめグルメ
「山彦荘(やまびこそう)」

入笠湿原近くの山小屋で、登山者に人気。名物の「きのこうどん」や「山菜そば」は、地元食材をふんだんに使い、身体に優しい味。宿泊も可能で、夜は満天の星を楽しむことも。入笠山の山彦荘(yamabikoso)ホームページ
入笠山のおすすめ日帰り温泉
「ゆ~とろん水神の湯」(富士見町)

100%源泉かけ流しの温泉はアルカリ性単純泉で肌がつるつるになると評判。8種の露天風呂とサウナ風呂、2種類の内湯があります。登山後の疲れを優しく癒してくれる立ち寄り湯として人気です。
ゆーとろん水神の湯|入笠山の麓、8種の露天風呂が特徴の日帰り温泉
おすすめビュースポット

入笠湿原の木道と草紅葉:9月中旬から色づく草紅葉が一面に広がる風景は、まさに秋の絨毯。
入笠山山頂からの大展望:富士山、八ヶ岳、南アルプスを一望できる頂上は、SNS映えする一枚が撮れる絶景ポイント。
ゴンドラからの空中散歩:眼下に広がる紅葉のパッチワークが見事。上りも下りも見逃せません。
入笠山は、「登山初心者の聖地」とも呼ばれるほど、気軽に山の魅力を味わえる名山。ゴンドラを使えば登りの負担が少なく、湿原、花、絶景、グルメ、温泉まで満喫できる贅沢なコースです。
■4. 赤城山(群馬県)|初心者向け湿原散策と大沼・覚満淵の秋景色
赤城山は、標高1,828mの黒檜山を主峰とする群馬県の名峰。9月は覚満淵や大沼周辺が黄金色に染まり、静かな湿原散策が楽しめます。山頂コースも比較的緩やかで、初心者や観光客にも歩きやすいのが魅力です。

赤城山は群馬県前橋市の北に位置する火山群の総称で、最高峰・黒檜山(くろびさん/1,828m)をはじめ、駒ヶ岳、地蔵岳、長七郎山など複数の山々が連なる広大なエリア。カルデラ湖「大沼(おの)」を中心に美しい自然が広がり、日本百名山にも数えられています。
赤城山頂の火口湖・大沼は四季を通じて楽しめるレジャースポット。その隣には小尾瀬とも呼ばれる湿原・覚満淵があります。高山植物やコケ植物が群生している貴重な湿原は、木道が敷設され、赤城公園ビジターセンターから約30分で周遊できます。
9月の赤城山は、夏の暑さが一段落し、登山や散策にぴったりの季節。高原の空気はひんやりとして心地よく、山肌は徐々に秋色へ。草紅葉や色づき始めた木々が、秋の訪れを静かに告げてくれます。
赤城山のおすすめハイキングコース
必要日数 | 日帰り |
コースタイム | 3時間30分(休憩時間43分) |
距離 | 6.5㎞ |
累積標高 | のぼり293m/くだり291m |
難易度 | ★☆☆☆☆ |
赤城山ビジターセンター ⇒ 覚満淵 ⇒鳥居峠⇒小地蔵岳⇒ 長七郎山(1,579m)⇒小沼 ⇒ 赤城公園小沼駐車場⇒赤城山ビジターセンター
赤城山の定番・初心者向けルートとして人気なのが長七郎山と覚満淵(かくまんぶち)をめぐるコース。覚満淵は「小さな尾瀬」とも呼ばれる湿原で、9月は草紅葉が始まり、金色に染まる景色が広がります。
長七郎山の山頂からは大沼や地蔵岳が見渡せる絶景が広がり、体力に自信がない方でも無理なく楽しめるコース設計になっています。
赤城山へのアクセス
車でアクセス
関越自動車道「赤城IC」または北関東自動車道「伊勢崎IC」から赤城山方面へ約1時間。大沼周辺に駐車場多数あり(無料・有料混在)。
電車・バスでアクセス
JR前橋駅から関越交通バス「赤城山ビジターセンター行き」で約1時間30分。登山口・大沼・覚満淵・赤城神社など主要スポットに停車します(※季節運行・要確認)。
赤城山のおすすめグルメ
「青木旅館レストラン 沼尻(のしり)」

大沼の目の前にある老舗旅館併設の食事処。明治8年創業のレトロな館内で、ワカサギや上州豚、刺身こんにゃくなど地元食材にこだわったメニューが人気です。大沼と黒檜山を一望しながらお腹を満たせます。
青木旅館 – 赤城山大沼湖畔の老舗旅館
赤城山のおすすめ日帰り温泉
「富士見温泉 見晴らしの湯 ふれあい館」

赤城山の南麓、前橋市富士見町にある日帰り温泉施設。大浴場や露天風呂からは赤城山の稜線が望め、露天風呂からは関東平野が一望できます。泉質は肌にやさしいアルカリ性単純泉。ハイキング帰りの休憩に最適です。
富士見温泉~見晴らしの湯ふれあい館~
おすすめビュースポット

覚満淵の木道と草紅葉:秋の草紅葉に染まる湿原と池、背景に広がる長七郎山の稜線が絵画のよう。朝の霧が幻想的。
赤城神社(大沼湖畔):朱色の橋と社殿が湖に映る姿は神秘的で、早朝や夕方の光で表情が変わります。
大沼の湖面と逆さ赤城:風のない日の湖面は鏡のように山を映し、撮影スポットとしても人気。
赤城山は、標高1,300〜1,800mの高原にありながら、湖・湿原・森林・神社など多彩な魅力を凝縮した「初心者にやさしい名山」。気軽に登れて絶景を楽しめるだけでなく、グルメや温泉も揃った1日ゆったり楽しめる山旅スポットです。
■5. 那須岳(栃木県)|ロープウェイで行く活火山の紅葉と絶景登山
茶臼岳を中心とした那須岳は、ロープウェイで標高1,684mまで楽々アクセス可能。9月下旬から始まる紅葉は、山肌を鮮やかな赤や黄金色に染めます。噴煙立ちのぼる活火山ならではの迫力と、爽やかな秋風が心地よい山歩きを演出します。

那須岳は、栃木県北部に広がる那須連山の総称で、主峰の茶臼岳(ちゃうすだけ/1,915m)は今も噴煙を上げる活火山。周囲には朝日岳、三本槍岳などの峰々が連なり、四季折々の登山が楽しめる人気の山域です。
日本百名山にも選ばれ、ロープウェイを使えば初心者でも気軽に山頂を目指せるのが魅力。山頂駅はすでに9合目なので軽装でも山頂に立つことができます。
9月の那須岳は、初秋の爽やかな風が吹き抜け、草紅葉や低木の色づきが始まる季節。山肌を彩る紅葉のグラデーションと、荒々しい火山の風景の対比が見どころです。
那須岳のおすすめハイキングコース
必要日数 | 日帰り |
コースタイム | 3時間30分(休憩時間44分) |
距離 | 4.2㎞ |
累積標高 | のぼり511m/くだり445m |
難易度 | ★☆☆☆☆ |
那須ロープウェイ山麓駅 ⇒ 山頂駅 ⇒ 茶臼岳山頂 ⇒ 牛ヶ首 ⇒ 那須岳避難小屋 ⇒ 峰の茶屋跡避難小屋 ⇒ ロープウェイ山麓駅
ロープウェイを利用すれば標高1,680mまで一気に登れるため、初心者でも安心。山頂駅からは岩場の登山道を登り茶臼岳山頂へ。火山特有のゴツゴツした荒涼とした風景が広がり、登山気分を味わえるコースです。
牛ヶ首方面への縦走路では、茶臼岳を間近に見ながら歩く稜線歩きが楽しめます。季節の風景や紅葉の始まりを感じながらのハイキングは格別。
那須岳へのアクセス
車でアクセス
東北自動車道「那須IC」から那須湯本方面へ約40分。那須ロープウェイ山麓駅付近に無料駐車場あり(紅葉シーズンは混雑注意)。
電車・バスでアクセス
JR東北新幹線「那須塩原駅」または「黒磯駅」から、関東自動車バスで「那須ロープウェイ」行き(那須湯本経由)約70分。
那須岳のおすすめグルメ
「茶屋 卯三郎」

田舎のおばあちゃん家を彷彿させる、どこか懐かしい古民家で食べるおこわ・おもちの田舎料理店。連日行列ができる人気店で那須に来たら一度は立ち寄りたいお店です。
那須高原|おこわ・もち 茶屋 卯三郎
那須岳のおすすめ日帰り温泉
「鹿の湯」(那須湯本温泉)

那須で最も有名な歴史ある温泉のひとつ。白濁した硫黄泉で、6つの湯船ごとに温度が異なるのが特徴。登山後に心身を癒すにはぴったりの湯治場。
那須温泉 鹿の湯l千三百年続く静寂と癒しの湯
おすすめビュースポット

茶臼岳山頂からの大展望:360度のパノラマで、会津磐梯山や尾瀬の山々まで見渡せることも。荒涼とした山頂はまさに火山の風格。
牛ヶ首からの茶臼岳遠望:活火山らしい噴気を上げる山体と紅葉のコントラストが絵になるスポット。
那須ロープウェイの空中散歩:登山気分と紅葉の絶景が手軽に味わえる。山頂からの空の色は、まさに秋そのもの。
那須岳は、首都圏からのアクセスも良く、ロープウェイと登山道が整備されているため、登山デビューにも最適。ただ紅葉シーズンも終盤に近づくと、那須岳特有の強風になることも多いため注意が必要です。
■6. 磐梯山(福島県)|火山の迫力と秋の絶景を日帰りで満喫
「会津富士」の愛称を持つ磐梯山は、裾野に広がる湖沼群と火山の雄大な景色が魅力。9月は空気が澄み、山頂から猪苗代湖を望む絶景が広がります。登山道は複数あり、初心者向けルートも充実しているため、日帰りで気軽に挑戦できます。

磐梯山は福島県を代表する名峰で、標高1,816メートル。別名「会津富士」とも呼ばれ、山容の美しさと豊かな自然、2016年にミシュラン・グリーンガイド1つ星を獲得した裏磐梯の五色沼や檜原湖など火山による景勝地との調和が見事な日本百名山です。
登山道は四方から複数整備されており、初心者でも登りやすいルートがあるため、毎年多くのハイカーが訪れます。エリア内あちこちで見られる雄大な風景は、宝の山「磐梯山」が与えてくれた大きな恵みなのです。
山頂からは猪苗代湖や湖沼群、那須連峰まで見渡せる大パノラマ。9月の磐梯山は、空気が澄んで視界が良くなり始め、標高の高い場所から徐々に紅葉が色づく季節。涼風と初秋の色彩のなかで、爽やかな登山が楽しめます。
磐梯山のおすすめハイキングコース
必要日数 | 日帰り |
コースタイム | 4時間26分(休憩時間1時間28分) |
距離 | 8.2㎞ |
累積標高 | のぼり749m/くだり747m |
難易度 | ★★☆☆☆ |
八方台登山口 ⇒ 中ノ湯跡 ⇒ 弘法清水小屋 ⇒ 磐梯山山頂(往復)
もっとも初心者に人気のある「八方台登山口」ルートは、標高1,190mからスタートするため、実質の標高差は少なく、比較的楽に登頂できます。中ノ湯跡地を経由し、山頂直下の弘法清水小屋では冷たい湧き水で喉を潤すことも可能。
山頂からは会津盆地、猪苗代湖、吾妻連峰、遠くには那須や越後の山々まで一望でき、まさに360度の絶景パノラマが広がります。
磐梯山へのアクセス
車でアクセス
磐越自動車道「猪苗代磐梯高原IC」から八方台登山口まで約30分。駐車場あり(混雑時は早朝到着推奨)。
電車・バスでアクセス
JR磐越西線「猪苗代駅」から磐梯東都バス「裏磐梯高原行き」で約40分。「八方台登山口」バス停下車(※季節運行要確認)。
磐梯山のおすすめグルメ
「山の駅食堂」

登山口に近い道の駅のような施設。地元の食材を使った「激うまトマトラーメン」「会津山塩ラーメン」や「ソースカツ丼」が人気。登山前後の腹ごしらえにぴったりです。
山の駅食堂 (【旧店名】農家食堂 山ごはん) - 猪苗代/ラーメン | 食べログ
磐梯山のおすすめ日帰り温泉
「裏磐梯レイクリゾート」

登山後の疲れを癒すのに最適なリゾート型温泉。ホテル内から自噴する天然温泉は、体を芯から温め保湿効果も抜群の美肌の湯。「ひばらみの湯」は湯船に浸かりながら檜原湖を見渡せる露天風呂です。
猫魔温泉 | ホテル 裏磐梯レイクリゾート【公式】
おすすめビュースポット

弘法清水小屋からの山頂への登り道:山頂へ続く稜線と草紅葉が織りなす風景は、まさに絵になる一本道。
磐梯山山頂からの360度大展望:空と湖と山々が重なる絶景。天気が良ければ猪苗代湖が鏡のように輝きます。
五色沼自然探勝路(登山後の寄り道に):裏磐梯の宝石のような沼群。神秘的なコバルトブルーやエメラルドグリーンの水面がフォトジェニック。
磐梯山は、「会津富士」と呼ばれる美しい姿だけでなく、火山の力によって生まれた裏磐梯の湖沼群、展望の素晴らしさ、登山道の整備状況など、初心者にも親しみやすい条件が揃っています。
■7. 安達太良山(福島県)|9月の紅葉と乳白色温泉を楽しむ初心者登山
安達太良山はロープウェイで中腹まで登れるため、初心者にも人気。9月は山頂周辺が鮮やかに色づき、眼下に広がる紅葉のじゅうたんが見事です。下山後は日本三大薬湯の一つ・岳温泉で乳白色の湯に浸かり、登山の疲れを癒せます。

安達太良山は、福島県中部にそびえる標高1,700メートルの活火山で、日本百名山のひとつ。「智恵子抄」で知られる詩人・高村光太郎が"本当の空"と詠んだ山としても有名で、穏やかな山容とダイナミックな火口、温泉地の豊富さが魅力です。
磐梯山とともに日本百名山に選定されている名山で、山頂はなだらかですが突き出た岩峰により乳首山などとも呼ばれます。安達太良連峰の鉄山の下にある山小屋「くろがね小屋」は源泉かけ流し温泉と名物くろがねカレーで有名です。(現在建て替え工事のため営業休止中)
9月の安達太良山は、紅葉の走りが始まり、山頂から中腹にかけて色づく樹々が見ごろを迎える直前。空気が澄みわたり、「本当の空」と呼ばれる深く蒼い秋空が広がります。登山道やロープウェイも整備されており、初心者でも安心してチャレンジできる山です。
安達太良山のおすすめハイキングコース
必要日数 | 日帰り |
コースタイム | 6時間15分(休憩時間1時間11分) |
距離 | 9.6㎞ |
累積標高 | のぼり409m/くだり813m |
難易度 | ★☆☆☆☆ |
あだたら山ロープウェイ山麓駅 ⇒ 山頂駅 ⇒ 薬師岳展望台 ⇒ 安達太良山山頂 ⇒ 牛の背・沼の平⇒ くろがね小屋 ⇒ 奥岳登山口
登りはロープウェイを使えば一気に標高1,350mまで上がることができ、薬師岳展望台から山頂までは初心者でも歩きやすい整備された登山道。山頂からは猪苗代湖、磐梯山、那須連峰まで見渡す360度の大パノラマが楽しめます。
帰路はくろがね小屋を経由する下山コースがおすすめ。途中の火山地形・沼ノ平は荒涼とした火口跡が広がり、まるで別世界。
安達太良山へのアクセス
車でアクセス
東北自動車道「二本松IC」から国道459号経由で約30分。あだたら高原スキー場(登山口)に無料駐車場あり。
電車・バスでアクセス
JR「二本松駅」からあだたら高原スキー場行きバスで約50分(※季節運行)。ロープウェイ山麓駅が登山口です。
安達太良山のおすすめグルメ
「 空の庭自然レストラン」

二本松岳温泉エリアにある自然派レストラン。地元の食材を使用し季節ごとに替わるメニューは何度訪れても新鮮。周辺の景色もすばらしく自然の中で贅沢なひと時を過ごすことができます。
【公式】空の庭自然レストラン|福島県二本松市|幻想的な自然飲食空間へようこそ
安達太良山のおすすめ日帰り温泉
「あだたら山 奥岳の湯」

標高950mに位置する展望露天風呂が自慢の天然温泉。登山口からすぐ入れる好立地で、泉質は全国的にも珍しいph2.5(強酸性)の単純酸性泉。疲労回復に効果があるので登山の汗を流しながら、山を見上げてほっと一息、解放感たっぷりです。
福島県・磐梯朝日国立公園 あだたら高原
おすすめビュースポット

薬師岳パノラマパーク:ロープウェイ山頂駅の目の前にある展望台。安達太良山を背景に記念写真が撮れる人気スポット。
牛ノ背〜沼ノ平:火山地形の荒涼とした景色は、まるで月面を歩くような体験。紅葉との対比が美しい。
安達太良山は、ロープウェイで手軽に標高を稼ぎながら、広大な火山地形と温泉を満喫できる「登山+癒やし」の理想形ともいえる山。9月は登山者も多すぎず、静かに秋の始まりを感じられる絶好のシーズンです。
初心者でも安心して登れるルートと整備された施設、そして山頂からの「本当の空」。ぜひ一度、その美しさを体験してみてください。
■8. 蔵王山(山形県・宮城県)|御釜のエメラルドグリーンと高原の秋景色
蔵王山の象徴・御釜は、火口湖とは思えない神秘的なエメラルドグリーンが魅力。9月は周囲の高原が秋色に染まり、ドライブと軽いハイキングで絶景を堪能できます。初心者でも安心して訪れられる観光・登山スポットです。

蔵王山は、山形県と宮城県にまたがる火山群の総称であり、最高峰は熊野岳(標高1,841m)で山頂は山形県にあります。火口湖「御釜(おかま)」がシンボルとなっており、そのエメラルドグリーンの神秘的な色合いは訪れる人を魅了します。
日本百名山のひとつであり温泉の宝庫としても人気の山です。代名詞である冬の樹氷や、7月、頂上付近に群生する高山植物の女王コマクサや色づく秋の紅葉など、四季を通して絶景を楽しめる山です。
リフトやロープウェイを利用すれば登山初心者でもいろいろなルートを楽しめます。9月の蔵王は、残暑が和らぎ始め、秋風が涼しく心地よい季節。高山植物から草紅葉、そして色づき始めたナナカマドなど、山全体が少しずつ秋の装いへと変化していきます。
蔵王山のおすすめハイキングコース
必要日数 | 日帰り |
コースタイム | 2時間58分(休憩時間32分) |
距離 | 5.7㎞ |
累積標高 | のぼり192m/くだり195m |
難易度 | ★☆☆☆☆ |
蔵王山頂レストハウス ⇒ 刈田岳 ⇒ 馬の背⇒蔵王山(熊野岳)⇒ 熊野岳避難小屋⇒御釜展望 ⇒ 蔵王山頂レストハウス
蔵王エコーラインを登って「蔵王刈田岳駐車場」まで車でアクセスすれば、標高1,600m地点からスタート。標高差が少ないため、初心者でも無理なく周回できます。
熊野岳までの登り道はゆるやかで、御釜を眼下に見下ろしながら歩く尾根道が絶景。熊野岳山頂には蔵王山神社の奥宮もあり、信仰の山としての雰囲気も味わえます。
蔵王山へのアクセス
車でアクセス
東北自動車道「白石IC」から蔵王エコーライン経由で約60分。刈田岳駐車場(有料)あり。
電車・バスでアクセス
JR山形駅または仙台駅から「蔵王温泉」までバス利用可能(山形駅から約40分)。蔵王ロープウェイやリフトを使えば中腹から散策可能。
蔵王山のおすすめグルメ
「蔵王山頂レストラン いっぷく処御釜茶屋」

かつ丼を御釜に入れた名物「蔵王釜かつ丼」。蔵王連峰の麓で育ったやわらかい肉質が抜群のブランド豚"蔵王JAPAN-X"を使用した人気メニュー。ハイシーズンになると早々に売り切れてしまうためご注意を。御釜を見下ろせる「御釜展望台」はここから徒歩3分。
今日のお釜 | みやぎ蔵王えぼしリゾート
蔵王山のおすすめ日帰り温泉
「蔵王温泉大露天風呂」

開湯1,900余年。東北屈指の名湯「蔵王温泉」。ここは山の中腹にある野趣あふれる名湯。一度に200人は入れるという巨大露天風呂は強酸性硫黄泉で殺菌効果が高く、肌がツルツルになる美肌の湯。緑に囲まれた露天風呂は登山後のご褒美に最適です。
※営業期間・天候に注意(冬期休業あり)
蔵王温泉大露天風呂 - 【公式】山形蔵王観光情報 | 四季を感じる旅
おすすめビュースポット

御釜展望台:火口湖「御釜」は、天候によって色を変える神秘の湖。晴れた日はエメラルドグリーンに輝き、まさにインスタ映え。
熊野岳山頂からの眺め:蔵王連峰の山並みや、運がよければ鳥海山・月山などの遠景も。
リフトやエコーラインの沿道:初秋の山肌に点在する紅葉の始まりが絵画のような美しさ。
蔵王山は、アクセスの良さ、初心者向けルートの充実、そして温泉・グルメ・絶景の三拍子がそろった名山。特に9月は気温も穏やかで歩きやすく、混雑も夏に比べて落ち着くため、ゆったりと自然を味わうにはぴったりのタイミングです。
東北の自然と文化をまるごと体験できる蔵王山で、秋の始まりを感じてみてはいかがでしょうか?