この記事の要点:神奈川県秦野市の弘法山公園周辺で出没が続いていたツキノワグマ1頭が、10月31日に捕獲され、駆除されました。10月20日にいったん捕獲して丹沢の奥に放した個体とみられます。閉鎖されていた浅間山・弘法山・権現山の登山道は、安全を確かめたうえで11月3日に再開する予定です。再開後も、丹沢の山すそではクマの出没がありうる前提で歩くことが大切です。
何があったか
秦野市は10月31日、弘法山公園の権現山(243m)付近で、ツキノワグマ1頭を捕獲して駆除したと発表しました。NHKによると、捕獲は31日朝で、10月20日に捕獲して山に放したクマと同じ個体とみられています。
市は10月24日から、善波峠に続く浅間山(196m)・弘法山(約235m)・権現山の登山道を閉鎖し、立ち入りを禁止していました。神奈川新聞によると、市はこの3つの山の登山道を11月3日から再開する予定で、それまでセンサーカメラで周辺の見守りを続けるとしています。
くわしく:放したクマが戻ってきた経緯
- 10月中旬以降:秦野市と伊勢原市の境にある善波峠などで、クマの出没が相次ぐ。
- 10月20日:権現山の山頂付近に置いた箱わなで、体長約1.36m・体重約101kgのオスの成獣を捕獲。位置を知らせる発信器を付け、約10km離れた丹沢山地の奥に放した。
- 10月23日夜:善波峠のセンサーカメラにクマが写る。24日、県と市が周辺を探し、発信器の電波を受けたことから、放した個体と判断。同日15時に3つの登山道を閉鎖した。
- 10月27日夜:山道をクマが横切る様子が目撃される。
- 10月31日:権現山付近で捕獲し、駆除。
弘法山公園は秦野駅から歩いて登れる、標高200m台の身近なハイキングコースです。人の暮らしのすぐそばに同じクマが戻ってきたことから、県と市は捕殺も含めて対応を検討していました。
登山者にとっての意味・気をつけたいこと
今回の個体がいなくなっても、丹沢にクマがいなくなるわけではありません。神奈川県は、県内のツキノワグマは主に丹沢山地に暮らし、その数はおよそ80頭と推定しています。11月は冬ごもりの前に食べ物を探して動き回る時期で、低い山や里に近い場所に下りてくることもあります。
- 再開日と閉鎖の情報を確かめてから出かける:再開は「予定」です。センサーカメラの結果しだいで変わることもあるため、出発前に秦野市の発表や報道を確認してください。
- 音で人の存在を知らせる:弘法山から善波峠、吾妻山へ続く尾根は、林の中を歩く区間が多くあります。鈴やときどきの声かけで、出会い頭を避けます。
- 朝夕の薄暗い時間を避ける:今回の目撃やカメラの記録は夜でした。11月の日の入りは16時半すぎと早く、低山でも15時ごろまでに下山を終える計画にすると安心です。
- 食べ物やごみを残さない:山頂や休憩所でのごみや食べ残しは、クマを人の近くに呼び寄せる原因になります。すべて持ち帰ります。
- 見かけたら近づかず、すぐ知らせる:静かにその場を離れ、市や警察に連絡します。写真を撮ろうと近づくのは危険です。
また神奈川県は、シカやイノシシ用のわなにクマがかかったときは、近づかず、自分で逃がそうとせず、県や市町村に連絡するよう呼びかけています。登山道の近くでわなにかかった動物を見つけたときも、同じように離れてください。
次の確かめ方
- 登山道の再開や閉鎖:秦野市の発表と、神奈川新聞・NHKなどの地元の報道。
- 丹沢・大山の登山情報:神奈川県の「丹沢大山なび」ページ。
- 登山届:丹沢を歩くときは、神奈川県警の登山計画書のページから出せます。弘法山のような低山でも、行き先と下山予定時刻を家族に伝えておきます。
神奈川県警察:山の事故防止・登山計画書/神奈川県:丹沢大山なび
出典:神奈川新聞「秦野市、ツキノワグマ1頭を捕殺」(2026年10月31日)/神奈川新聞「秦野にツキノワグマ再出没」(2026年10月24日)/NHK「捕獲後に山に放した個体 クマ再出没し駆除 神奈川 秦野」(2026年10月31日)/神奈川県「ツキノワグマの錯誤捕獲」(2026年11月1日確認)





