登山で必要な持ち物をリストアップし、忘れ物のないよう心がけることは大変重要です。登山の持ち物の中でも必須装備と言われる必ず持ち歩くべきものと、あると便利な持ち物とに分けることができます。また日帰り登山、山小屋泊、テント泊とシーン別で便利な持ち物と必要な持ち物があります。 忘れ物チェックリストと合わせて役立ててください。
対象となる登山のレベル
- はじめてテント泊登山に挑戦する人
- 調理をする
- 無雪期(春・夏・秋)
- 一般的な登山道を使用
テント泊登山に最低限必要な持ち物(行動用)
山中は低山でも夜は冷え込みますので、必ず防寒着は用意しましょう。
特に春や秋は昼夜の寒暖差が激しいので十分な対策が必要です。
アイテム | 説明 |
---|---|
登山用ザック | 必要な装備、食料、水などを運び、緊急時には生命を守る重要な装備です。 |
登山靴 | 足元の安定性を保ち、足への負荷を軽減し、滑りやすい地形での滑倒を防ぎます。 |
レインウェア | 突然の雨や風から身体を保護し、体温の低下を防ぎ、快適な登山を続けるために必要です。 |
防寒具 | 寒冷な気候や急激な気温変化による体温低下を防ぎます。 |
グローブ | 手を保護するために必要です。 |
サングラス | 目を保護するために重要です。 |
ザックカバー | 雨が降った時にザックが濡れないようにするために使用します。 |
水と水筒 | ボトルかハイドレーションタイプのどちらかを選びましょう。 |
ファーストエイドキット | 体に傷を負ったときに応急処置ができる必要最低限のキットです。 |
登山用地図とコンパス | スマホや時計に備わった地図、もしくは紙地図でルートを確認できるように準備しましょう。 |
タオル・てぬぐい | 汗拭き、日焼け防止に役立ちます。 |
行動食 | エネルギ、ミネラル、ビタミンなど登山で必要な栄養を補給しましょう。 |
健康保険証のコピー | 万が一のためにコピーを用意しておくと安心です。 |
ビニール袋 | ゴミ袋や濡れたものをしまうときに役立ちます。 |
現金 | 山小屋での買い物や自動販売機の使用に必要です。 |
携帯電話 | 万が一の通信手段として重要です。 |
エマージェンシーシート | 急な気温の低下や怪我など緊急時に役立ちます。 |
モバイルバッテリー | スマートフォンやその他の電子機器の充電に必要です。 |
登山靴
主に不整地を歩く登山において、登山靴は足と足首を保護するために非常に重要です。また、足に合わない登山靴を使用すると、疲労が増し、さらに怪我を引き起こす可能性もあります。そのため、自分の足に合った登山靴を選ぶことが重要です。
レインウェア
登山では予期しない天候に遭遇する可能性が常にあります。
身体が濡れてしまうと、低体温症を引き起こすリスクが高まるため、レインウェアは登山者にとって重要な装備となります。また、レインウェアは防寒着としても役立ちます。
天候が良く雨が降らないと思われても、必ずレインウェアを持参しましょう。
防寒着
登山は高い運動強度を伴い、活動中には汗をかくほど暑く感じることもある一方、休憩を取ると体感温度が急速に下降します。
このため、特に高山では適切な防寒着が欠かせません。ダウンジャケットはその軽量性と保温性から防寒着に適していますが、濡れるとその保温性が大幅に低下するため、発汗が予想される活動時や雨天時の使用には制限があります。
これらの点から、アウターの下にレイヤリング可能なインナーダウンが登山用の防寒着としておすすめです。
グローブ
登山におけるグローブは手の保温だけでなく手の保護、 手の防水という三つの役割を担います。またそれぞれの役割は季節によって形状や素材で快適性が異なり、登山用グローブ選びは混乱する人も多いようです。
それぞれの季節と登山スタイルによって快適なグローブが異なるので、いろいろなグローブを試してみて自分にとってベストなアイテムを手に入れるようにしましょう。
ザックカバー
ザックカバーはザック用のレインウェアです。
登山用ザックはある程度の撥水加工がされていますが、本格的な雨には対応することができません。
身体と同様に荷物を濡らすことも安全に大きく関わりますので、重要なアイテムです。
ザックに付属している場合もありますが、付属していない場合は必ず購入しましょう。
ファーストエイドキット
、大きな怪我に発展しないように、応急処置ができる最低限のファーストエイドをもっていくようにしましょう。
転んで怪我をしてしまったときには、湿潤治療が重要です。水で汚れを落として、バンドエイドなどで応急処置ができる位のファーストエイドは最低でも準備しておきましょう。
登山において地図とコンパスは基本かつ重要なツールです。
初心者用の山は、登山道や案内板が整備されているので、あまり必要性を感じないかもしれません。しかし、逆に言うと地図読みの練習にも最適なフィールドといえます。
最近はスマホでも登山地図を閲覧可能です。ただし、山中は電波が届かない場合がありますので、予め地図はダウンロードしておきましょう。
行動食
登山は運動強度が高く、エネルギー消費の激しいアクティビティです。 そのため、カロリー補給が重要です。
さらに、発汗によりミネラルが失われるため、水分補給だけでなく、ミネラルの補給にも注意が必要です。
こまめな補給を心がけましょう
健康保険証のコピー
登山は自然との接触が深いため、予期しない事故やケガ、病気のリスクが常にあります。そのような場合に、健康保険証のコピーがあれば、救急車を呼んだり、病院での治療をスムーズに受けることができます。
ビニール袋
山では自分で出したゴミは自分で持ち帰るのがルールです。
ゴミ袋以外にも濡れたレインウェアをしまう際などにも重宝しますので複数枚持参しましょう。
現金
山小屋や自動販売機で飲食物を購入する際に必要になる場合がありますので、持っておくと安心です。
携帯電話
登山中に通信手段を確保することは、万が一の事態に備えて非常に重要です。
スマートフォンは通信だけでなく、登山に役立つ情報収集にも活用することが可能です。ただし、緊急時に備えて電源が切れないよう、バッテリー残量には十分に注意する必要があります。
さらに、モバイルバッテリーを持参すると、バッテリー切れのリスクを軽減できます。これにより、必要な時にスマートフォンを使用することが可能になり、より安心感を持つことができます。
エマージェンシーシート
エマージェンシーシートは、軽量でコンパクトに折りたたむことが可能で、緊急時に非常に有用な装備品となります。
エマージェンシーシートの主な機能は保温と防水で、アルミニウム製のものは体温を反射するため、寒さから体温を保つのに役立ちます。
また、防水性もあり、雨天や雪天の際に濡れることを防ぎます。また、適切に配置すれば、雨避けのシェルターとしても使用可能です。
さらに、その鮮やかな色や反射性は、救助隊が自分の位置を見つけやすくするための信号としても機能します。
モバイルバッテリー
モバイルバッテリーがあることで、スマホやヘッドライトのバッテリー切れのリスクを大幅に軽減することができます。
あると便利な持ち物(行動用)
アイテム | 説明 |
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トレッキングポール | 坂道の昇降を補助し、負担を減らすために使用します。 |
登山用時計 | 高度や気圧を測定するために重要です。また、予想到着時間の計算にも役立ちます。 |
ゲイター | 足元から泥や水、雪などを防ぐための装備です。 |
トレッキングポール
トレッキングポールは登山やハイキングにおいて非常に有用なツールです。
歩行時のバランスを安定させ、不安定な地形でも安全に移動するのを助けます。さらに、下半身にかかる負荷を軽減し、特に下り坂で膝への圧力を和らげます。適切に使用すると、全身を使った効率的な運動が可能になり、体力の維持に寄与します。
また、滑りや転倒のリスクを軽減し、さらに、トレッキングポールはテントの支柱としてや、非常時には担架の一部としても利用可能です。
登山用時計
登山用の時計は、ただ時間を知るためだけでなく、さまざまな機能を備えており、登山中の安全性や便利性を高めるために重要なアイテムです。
多くの登山用時計には、高度計、気圧計、方位磁針(コンパス)、温度計などの機能が搭載されています。
これらの機能は、天候の変化を予知したり、位置や方向を確認したり、高度の変化を把握することができ、登山中の判断を助け、安全な登山を実現します。
ゲイター
ゲイターは靴とズボンの間を覆う装備で、足元を雪や泥、砂、水、小石などから保護します。これにより足元の快適性を維持し、歩行効率を向上させます。
特に樹林帯では、雨が降った後に泥濘みが長く続くことがあります。そのような状況でも、ゲイターは靴の中に泥や水が入るのを防ぐ役割を果たします。
低山登山においても、足元を保護し、歩行の効率と快適性を高めるために、ゲイターは大変有用なアイテムとなります。
テント泊登山で最低限必要な持ち物(宿泊用)
宿泊用の装備はテント場の気温を鑑みて保温力と軽量性のバランスを考えて装備を選ぶことが重要です。
※横スクロールで表がスクロールできます。(アイテム名をクリックするとそのアイテムの詳しい記事を読めます。)# | 持ち物名 | 役割・ポイント |
---|---|---|
① | テント | 平均重量1キロ程度を目安にコンパクトにも持ち運べる軽量テント |
② | グランドシート | テントを地面から保護すると共に地面からの冷えを軽減 |
③ | ペグ | テントを風で飛ばされないように固定するとともにテント内の空間を確保 |
④ | 吸水シート | テント内についた結露を拭う |
⑤ | 枕 | テント内でより良い就寝を行うための軽量な枕、コンパクトに持ち歩ける機構 |
⑥ | テントマット | テント内でより良い就寝を行うための軽量なマット、コンパクトに持ち歩ける機構 |
⑦ | シュラフ | ダウン、化繊と種類があり、保温力と携行性に優れたモデル |
⑧ | シュラフカバー | シュラフを結露による濡れから守ると共に、保温力を向上させる |
テント
テントは就寝時に風雨から身を守ってくれる、安全上重要なアイテムです。
信頼性の高いメーカーのものを選びましょう。
グランドシート
テントの底部を地面の岩石や枝などの鋭利な物体から保護する役割を果たします。
さらに、グランドシートは防水機能も備えており、テント底部が濡れたり、地面から湿気が侵入するのを防止します。
ペグは、テントを地面に固定し、風などによる移動を防ぐ役割を果たします。
特に風が強い山頂付近では正しくペグを打ち込むことが重要です。
吸水シート
テントないの結露を拭いたり濡れた装備の拭き取りに役立ちます。
睡眠時の快適性を高めてくれます。
シュラフ
シュラフは保温性能が高すぎても低すぎても快適に睡眠することができません。
山の気候に対応する性能のものを選びましょう。
シュラフカバー
シュラフカバーは寝袋を湿気、汚れ、破損から保護し、さらに、寝袋の保温性能を高めることが可能です。
テント泊登山で最低限必要な持ち物(炊飯用)
作る料理によって最も持ち物が変わるのが炊飯用の持ち物です。
以下で紹介する持ち物は2泊3日テント泊を想定していますが、山小屋で食事をすれば、これらの持ち物は必要なくなります。
# | 持ち物名 | 役割・ポイント |
---|---|---|
①〜⑥ | 各種食料 | 好みの料理に合わせて持参しましょう |
⑦ | 燃料とバーナー | 写真はガスストーブだが、固形燃料やアルコールなど山ごはんに合わせて燃料を選択 |
⑧ | カトラリー | 折りたたみができてクッカー内に収納できるもの、スプーンとフォークが一体型のものなど |
⑨ | クッカー | 作りたい食事にあったクッカー。お湯を沸かす専用のもの、調理に向いているものなど |
⑩ | ランタン | 夜食事をする、テント内で過ごす際の明かり |
⑪ | コップ、お皿 | スープやおかずなど出来上がった料理を入れる。また飲み物を飲むため。 |
⑪ | ライター | ストーブに着火させるため |
⑫ | 調味料 | 塩、油、コンソメなどの必要な調味料 |
各種食料
好みの食材を用意しましょう。
慣れないうちは軽量で調理も楽なフリーズドライの食品がおすすめです。
上記とは別にメスティンを使用してご飯を炊きます。メスティンを持ち歩かない場合は以下の②ナイフ以外を省いてアルファ米に変更することで軽量化が行なえます。
燃料とバーナー
ガス缶を点火する前に、周囲に燃えやすいものがないか確認しましょう。
点火時には適切な点火器具を使用し、ガス漏れがないことを確認してから点火します。使用後はガスの供給を止め、しっかりと消火しましょう。
カトラリー
軽量コンパクトなものがおすすめです。
特に、クッカーに収納できるとパッキングも用意です。
クッカー
クッカーは調理後、そのまま食器としても使用することができます。
軽量で耐久性の高いものを選びましょう。
ランタン
ヘッドライトでも良いですが、ランタンは広範囲を明るく照らすことができ、テント内や調理スペースなど広い領域を効果的に照らすことができます。また、設置して使用するため均一な明るさを保つことができます。
お皿・コップ
凝った料理を作らない場合はクッカーからそのまま食べてもOKです。
ライター
山の上では風が強いことがあるため、耐風性能のあるものを選びましょう。
また、高山では火がつきにくいこともあるため、防水マッチを予備で持っていると安心です。
調味料
調理する料理に合わせて適量を持参しましょう。
※横スクロールで表がスクロールできます。(アイテム名をクリックするとそのアイテムの詳しい記事を読めます。)# | 持ち物名 | 役割・ポイント |
---|---|---|
① | メスティン | 炊飯に適したクッカーで様々なレシピを楽しむことができる |
② | ナイフ | 食材を刻むなど、山ごはんを楽しむための必須装備 |
③ | メスティンコジー | メスティンで炊飯を行う際の蒸らしようギア兼メスティン用保温ケース |
あると便利な持ち物(炊飯用)
登山をする際に気をつけるべき点に軽量化があります。登山に持っていく持ち物が軽ければそれだけ必要な体力を温存することができ、結果、登山中の行動を完全に保つことができます。自分にとってどこまで重要性の高いものかを吟味しここで紹介する便利な持ち物を持っていくかの判断が必要です。
※横スクロールで表がスクロールできます。(アイテム名をクリックするとそのアイテムの詳細記事を読めます。)# | 持ち物名 | 役割・ポイント |
---|---|---|
① | テーブル | お皿やカトラリー作った食材を地面に置かずに済む |
② | 浄水器 | 水場以外で水の確保が可能 |
テーブル
最近は100g以下の軽量な製品もありますが、どうしても嵩張るのだけは避けられません。
他の荷物との兼ね合いで持参するか検討しましょう。
浄水器
水場がない場所でも飲料水を確保することが可能な上級者向けアイテムです。
浄水器を通した場合でも念のため煮沸することが望ましいです。
パッキング方法を身につけよう
ザックの中に揃えた持ち物を何も考えずにパッキングするのはやめましょう。パッキング方法は重量によって歩きにくくならないよう、身体の重心位置に近い場所に重いものを、離れた箇所に軽いものをしまうようにしましょう。
持ち物チェックリストで忘れ物防止!
テント泊登山に最低限必要な持ち物(行動用)
チェック | アイテム |
---|---|
登山用ザック | |
レインウェア | |
防寒着 | |
ヘッドライト | |
登山靴 | |
グローブ | |
サングラス | |
ザックカバー | |
水と水筒 | |
ファーストエイドキット | |
登山用地図とコンパス | |
タオル・てぬぐい | |
行動食 | |
健康保険証のコピー | |
ビニール袋 | |
現金 | |
携帯電話 | |
エマージェンシーシート | |
モバイルバッテリー |
テント泊登山にあると便利な持ち物(行動用)
チェック | アイテム |
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トレッキングポール | |
登山用時計 | |
ゲイター |
テント泊登山に最低限必要な持ち物(宿泊用)
チェック | アイテム |
---|---|
テント | |
グランドシート | |
ペグ | |
吸水シート | |
枕 | |
テントマット |