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丹沢の大山登山-必要な服装と装備をご紹介

丹沢の大山登山-必要な服装と装備をご紹介

関東圏に位置する山域のひとつ、丹沢。1,000m前後の山々が連なるエリアの中でも、独立峰として強い存在感を放ち、信仰登山の対象として存在する大山は、老若男女、多くのハイカーに人気があります。登山デビューとしてもおすすめの山ですが、必要な服装や装備は何にしたら良いのか、初めての登山なだけに気になるもの。今回は大山登山に必要な服装と装備をご紹介します。

大山登山コースの特徴

大山 阿夫利神社 登山

大山は東西南北に登山コースがあり、中でも南面から登る阿夫利神社コースは人気が高く、ケーブルカー、整った登山道を始め、登山デビューに最適な環境が揃っています。この他、同じく南面からヤビツ峠を経て山頂へアプローチする蓑毛コースや、東面からの日向薬師コースがあり、登山者のレベルに合わせてコース設定が可能となっています。ここでは阿夫利神社コースを基準としたコースの特徴をご紹介します。

特徴①:登山道

大山 登山道

大山山頂へ続く登山道は明瞭な道が続き、崩れやすい場所や道迷いを起こしやすい場所がない歩きやすい登山道です。石段や道標が随所に設置されているので、初心者の方でも他の山と比較すると不安要素は少ない点が魅力です。途中の阿夫利神社下社から見る相模湾、丹沢が持つ豊かな自然と人間の歴史の融合を肌で感じながら登れる登山道があるのは、人と密接な関係を築いてきた大山ならではです。

気になる点としては、丹沢の成り立ちからくる急勾配が挙げられます。大山ケーブル駅から山頂までは、距離3.3kmに対し、上りで969m歩くのですが、平坦な道や緩やかな上りがあるものの、多くは急な階段を登るような道が続きます。

概ね整備された登山道が続く大山でも、街の舗装路や凹凸が多く天候で状況が変わりやすいため、足元は安全性の高い登山靴を履き、怪我や悪天候時のリスクを最大限対応できる準備をしておくと良いです。

特徴②:気候

大山 眺望 登山

大山を含む丹沢エリアは海から近い場所に位置し、温暖な気候であることが特徴です。積雪も12月以降に見られますが、膝まで埋まるような積雪はなく、無積雪期の登山を経験している方なら年間を通して歩くことも可能です

特に秋から冬にかけては空気が澄んでいて、丹沢の近くに住み良く大山を歩く私の登山適期です。春も気持ちの良い風が吹き、季節の移ろいを感じながら登山が楽しめるのは、日本の山に登れていて良かったなと心から感じます。

夏は雨量が多く、また海との位置関係から湿気があるので、タイミングが悪いと少し歩いただけで汗が吹き出るほどです。

非常に高価なアウトドアウェアが必要な場面はありませんが、風雨から身体を守るレインウェアを始めとした、季節や天候に応じた機能性のあるウェアを持っておく必要があります

特徴③:気温

大山は1,000前後の山で、夏は20度以上が続き、冬は最低気温で氷点下を下回ることがありますが、降雪で根雪となるようなことはありません。

そのため夏は吸汗速乾性の高いウェア、冬はこれに保温性をプラスしたインナーウェア着用すると良いです。アウターも季節に応じて選ぶのがおすすめで、暑い時期は薄手のウインドシェル、冬場は適度な保温力を持ったソフトシェルや休憩時に着用するダウンジャケットを常備しておくと、暑さや寒さに悩まされることはありません。

平均気温
1月4.4度
2月5.1度
3月8.2度
4月12.7度
5月17度
6月20.3度
7月24.1度
8月25.2度
9月22.2度
10月17.2度
11月12度
12月7度

特徴④:動植物

大山 登山 山頂 動物

標高1,252mの大山には、多様な動植物をコース上で見ることができます。ヤマボウシやツツジなど、美しい花を咲かせたり実をつける植物を愛でられ、鹿やタヌキなど、里山で見かける動物との出会いがあります。秋の紅葉から盛夏まで、季節ごとに楽しませてくれる大山の登山道は、登山を通して生の自然の雄大さと美しさを感じられる絶好のスポットです。

大山は朝から登山を開始すれば周囲の自然にも目を向けながら歩くことができます。登山中は低山ならではのStop&Goがあり、山の自然を快適に楽しむためにも、保温着を始めとしたウェアの調整ができる様にしておくのが良いです。

美しく、また可愛らしい動植物が多いですが、よく見ると毒草がコース上にあったり熊の出没など、知識として心得ておきたい存在もあり、敏感になるほどではありませんが、自然というフィールドの中であることを押さえておく必要もあります。

大山登山に必要な服装

インナー:季節に応じて通気性と保温性を使い分ける

冬のベースレイヤー:モンベルのジオライン M.W.ラウンドネックシャツ

大山は1,000m前後の低山なので、日中の気温が麓で氷点下になることは1年の中では少なく、歩き出して30分もすると汗が出ているのをすぐに感じます。

夏場は通気性の高い半袖のウェア、春秋は同機能を持つ長袖インナー、冬場は保温性のあるインナーをベースにすると良いです

アウター:防風性の高いウェアを持ちながら、休憩時の保温着を持っておく

大山 登山 ウェア
モンベル:U.L.サーマラップ パーカ

大山は3,000m級の高山ほど移動時のウェア調節は必要ありませんが、天候によっては夏でも肌寒く感じる時があったり、風の強い日は樹林帯の中でもその勢いを体感できます。

春から秋にかけては薄手のウインドシェルを持っておくと気温や環境の変化にも対応でき快適に歩けるので、ザックに忍ばせておくのがおすすめです。冬は薄手のソフトシェルを持っておくと安心です。

この他、登頂時は風通しの良い山頂で過ごすことになるので、春から秋の3シーズンは薄手の保温着で、化繊系のダウンやソフトシェル、冬は厚手のダウンを持っておくと山頂でのんびり過ごせます。

雨具:高品質モデルでなくても良いがアウトドア専用モデルを

大山 ウェア レインウェア
モンベルのサンダーパス ジャケットとサンダーパス パンツ

主に樹林帯を歩き、下山に数時間を要する様な高山ではないので、ゴアテックスを始めとした軽量で高性能な防水透湿素材はオーバースペックになります。雨の日に終日レインウェアで歩くといったことでなければ、各ブランドの自社防水透湿素材を使用したエントリーモデルでも十分に対応できます。

とはいえ、見逃せないのがレインウェアの耐久性。アウトドアブランドのレインウェアはこの耐久性が高く、幾度の使用や劣化に耐えるという点で、タウン仕様のレインウェアとは圧倒的な差があります。

大山では、アウトドアブランドのレインウェアの中から選ぶと安心です。

小物:グローブや帽子でより快適に

大山 登山 ウェア グローブ
モンベル:トレッキンググローブ

ご紹介したウェアの他、グローブやハット、キャップなどの帽子を持っておくと、登山時の快適性は大きく向上します。この名脇役を外すことはできず、忘れるとソワソワしてしまいます。

グローブは移動時に木々や岩に触れたり、転倒時の傷を防ぐ役割だけでなく、冬場は末端の保温にも貢献します。

帽子は保温の助けとなるだけなく、紫外線対策や頭部の簡易的な保護、グローブと同じく冬場は保温性の高いアイテムを選べます。

大山登山の装備

バックパック:20L前後の日帰り向けがおすすめ

大山 登山 登山道具 バックパック
モンベル:バーサライトパック 20

大山はどのコースでも日帰りでの日程で登ることができます。宿泊用の装備は必要としないので、20Lから大きくても30Lのバックパックを選べば安心です

登山のバックパックはラインナップが多く、機能が豊富なものからシンプルなモデルまで、どれにしようか迷ってしまいますが、初めて登山をする場合は、背負ってみて自分の身体に合うもの、欲しい機能(荷物の種類が多い人はポケットが多いモデル、身軽に歩きたい場合はフィット感があり軽量なモデルなど)で選ぶと良いです。

登山靴:登山が初めての方はハイカットを

大山 登山 登山道具 登山靴
モンベル:アルパインクルーザー 2300

山登りを始める時に必ず用意して欲しいといわれるのが登山靴です。急勾配で段差が多く、木の根や石段といった状況の変化も随所にある大山では、足首をしっかり保護し、雨天での転倒や下山時の疲労による不意の怪我にも対応できる靴が良いです。

まずは足をしっかり保護してくれるハイカットモデルがおすすめで、重量があるものより、アッパーが柔らかく軽量なモデルだと、足の保護と移動時の負担も少ないです。

ヘッドライト:アウトドア専用モデルで軽量で辺りを照らせるものを

大山 登山 登山道具 ヘッドライト
モンベル:パワー ヘッドランプ

秋冬は日の入りが早く、山の世界は下界より早く周辺が暗くなります。スタートが遅れての登山、道迷いや怪我による緊急事態など、暗くなると移動は不可能になり、またその場で夜を明かすにも暗闇の世界は不安を大きくし、生命力を低下させるリスクを負います。

大山は整備された登山道が主になるので、光量のあるハイエンドモデルでなくても大丈夫で、すぐに取り出せて装着でき、足元から周囲を照らせるものがおすすめです。私は普段最大300ルーメンのヘッドライトを持っており、移動時は広範囲を40ルーメンで照らしています。

地図とコンパス:アプリでも地図でもOK!紙地図とコンパスの利点も知っておくと◎

大山 道具 時計
CASIO:PROTREK Smart Outdoor Watch WSD-F30

現在地と山頂までの所要時間を把握できる登山用の地図は必ず持っておきます。道迷いで遭難してしまうと、地図読みが難しい方では現在地の特定は困難ですが、随時現在地を把握しておくことで、遭難のリスクは下がります。

最近は登山用アプリがとても便利になり、地図上に現在地を表示してくれたり、コースが外れると知らせてくれたりと、一般登山道を歩く時には不安が少なくなりました。

登山アプリだけでも十分に対応できますが、より広範囲を俯瞰して確認したり、瞬時に方角を確認できるコンパスが扱いやすい方もいるので、自身の好みで選ぶのが良いです。

バーナーとクッカーを持っておくと非常時にも安心

大山 登山 登山道具 クッカー
SOTO:AMICUSとモンベル:アルパインクッカー ディープ

登山時の調理を可能にするバーナーとクッカー。山で温かく出来たての食事ができるのは、登山の思い出をより深いものにしてくれるだけなく、非常時にお湯を沸かしたり、暖を取るといった使い方もあり、命を守るためにも大事な役割を持っています

持っていて損はないので、バックパックに入れておくと良いです。

最適な服装と装備で楽しい大山登山を

登山 大山

大山は登山デビューにおすすめの低山で、毎年多くの方々が登られている人気の山です。登山の魅力が詰まった山ですが、街とは異なる自然の世界であり、怪我や道迷いなどのリスクがあります。

リスクに備えておき、快適に活動できるアイテムを持っておくことで、大山登山は安全で楽しく、そして山というフィールドで過ごす幸福感を全身で味わうことができます。

最適な服装と装備で、大山登山を存分に楽しんでください。

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