登山のテント泊で楽しみの1つなのが山の中で楽しむ料理ではないでしょうか?疲れた体を癒してくれる食事の時間は山旅の中で最も楽しい時間と言っても過言ではありません。
そんなテント泊で楽しむ料理に必要な道具と使い方について紹介します。
テント泊で楽しむ料理に必要な道具一覧
どのような料理をするかによって必要な道具は変わりますが、基本的な道具は変わりありません。テント泊では高所で、風がある外で料理をすることが基本となります。
- 燃料(ガス、アルコール、固形燃料など)
- 五徳
- ストーブ(ガスやアルコールを燃料とする場合)
- クッカー
- カトラリー(スポーク、先割れスプーンなど)
- 食料
- 水&水筒
上の道具がテント泊で必要な料理道具一式です。燃料の種類によって五徳やストーブの種類が異なります。
クッカーには様々な素材と形状があり、作りたい料理の種類、使い勝手、個人的なこだわり(重さやサイズなど)で選びましょう。
カトラリーは麺類を食べるならばお箸が楽だし、スープやカレーなどを食べるならばスプーンは必須です。このように料理の種類によって必要なカトラリーも変化します。
食料はなるべく腐らないもの、またフリーズドライや乾燥食材を活用することで、軽量化することができます。
水は山の中で手に入れることができる場合は、調達をすることで前提で計画を行うと装備の軽量化につながります。水場が枯れていないか?山小屋はあいているか?など事前の確認が重要です。
テント泊で利用する燃料の比較
テント泊時の料理で最も頭を悩ますのが燃料です。代表的な燃料にはガス、アルコール、固形燃料、ホワイトガソリンがあります。それぞれに特徴があり、行く山、楽しむスタイル、作りたい料理によって持っていく燃料が異なります。
※横スクロールで表がスクロールできます。種類 | 火力 | 調整 | 軽量性 |
---|---|---|---|
ガス | 強い | 可能 | 重い |
アルコール | 弱い | ストーブによる | 軽い |
固形燃料 | 弱い | 不可能 | 軽い |
ホワイトガソリン | 強い | 可能 | 重い |
ガスストーブはトータルバランスが良くテント泊登山で使用する燃料として最も一般的です。入っているガスの違いによって価格と火力が異なるので、登山に適したガス缶を選びましょう。
アルコールストーブはお湯を沸かす程度なら軽量で便利な燃料です。火力調整がしにくいことと、風に弱いことを念頭において選ぶようにしましょう。
固形燃料は非常にシンプルな燃料です。火力調整は火からクッカーを遠ざける方法となります。アルコールストーブよりも軽量のものが多く、装備の軽量化にインパクトを及ぼします。
ホワイトガソリンは雪山登山などで使用する燃料として火力が強いため安心感の高い燃料です。着火の手順や燃料の取り扱いには注意が必要です。
おすすめの燃料別おすすめストーブ
以下では、燃料物で人気のストーブを紹介します。
ガスストーブ
燃費が良く風につよい『SOTOウインドマスター』
SOTO独自の風に強いバーナーヘッド構造と、寒さに強いマイクロレギュレーター技術を搭載した登山の使用に適したストーブです。寒さに強く外気温が氷点下であっても火力が衰えることがなく、登山初心者から上級者に愛用者の多いガスストーブです。
圧倒的な燃焼効率の良さが特徴『ジェットボイルミニモ』
熱効率の高いストーブとクッカーがセットになったジェットボイルの中でも、高さが低く火加減を繊細に調整できる調理に最適なクッカーとバーナーセットです。一般的なバーナーと比較するとジェットボイルは約半分のガス消費量でお湯を沸かすことができます。付属の五徳に変えることでフライパンや異なるメーカーのクッカーを使用することもできます。
アルコールストーブ
高火力で登山でも安心な『エバニューチタンアルコールストーブ』
他のアルコールストーブと比較しても強い火力でお湯を沸かす事が早いことで知られるアルコールストーブです。チタン製なのでわずか34gと軽量で、非常にコンパクトなのでどうしたのチタン製クッカーの中に収納することができます。
30mlで5分間燃焼。
火力調整が可能な『エスビットアルコールバーナー』
92gで真鍮製のアルコールバーナーです。チタンと比較すると購入価格が安く、使うほどに味わいが出てきます。アルコールストーブでは珍しい火力調整が可能です。
70mlで約25分間燃焼。
固形燃料
ミニマムな使いやすいデザイン『エスビット固形燃料』
固形燃料と言えばエスビット一択です。もっと安くて燃焼時に煤が出ないニイタカ(ニチネン)、ダイソーの固形燃料もありますが、これらの固形燃料はエスビットのものと比較すると大きく、さらに出力が少ないため寒い場所でお湯を沸かす力が少ないです。
テント泊で利用するクッカーの比較
クッカーの金属性質の比較表をチェックすると重量の点からステンレス製のクッカーは登山には向いていないことが分かります。ステンレスは耐食性に優れているため、長く使用することができるメリットがあるため、アルミやチタンと組み合わせて使用されているクッカーがあります。
※横スクロールで表がスクロールできます。金属素材 | アルミ | チタン | ステンレス |
---|---|---|---|
重量 | ◯(比重:約2.7) | ◎(比重:約4.5) | ✕(比重:約7.8) |
熱伝導率 | ◎(236) | ✕(4.5) | ✕(20) |
保温性 | ◯ | ◯ | ◎ |
耐食性 | ◯ | ◯ | ◎ |
価格 | ◎ | ✕ | ◯ |
融点 | 約660.3°C | 約1668℃ | 約1400~1500℃(合金なので配合によって変わる) |
テント泊で使用するクッカーは、料理をするならば、熱伝導率の良いアルミ製のクッカーを使用しましょう。
お湯を沸かしてアルファ米やフリーズドライを作るならば、軽量なチタン製クッカーが装備の軽量化にインパクトを及ぼします。
目的別おすすめのクッカー
炊飯から様々な料理が可能『トランギアメスティン』
キャンプユーザーにも人気のメスティンはトランギアだけでなく100円均一のダイソーなどでも購入することができ、手軽な価格で使用することができることから、人気を集めているクッカーです。
価格が安いだけでなく、その形状から炊飯だけでなくフライパンのような使用から鍋料理なども可能で、様々な料理を楽しむことができます。多くの人が利用しているのでインターネット上でもたくさんのレシピが確認できます。
軽量な湯沸かしクッカー『エバニューTi570cup』
Ti570cupは装備の軽量化にこだわる登山者に大変人気のあるクッカーです。クッカーの内側には160ml/330ml/450mlとメモリが付いており、フリーズドライやカップラーメンなどに使用するお湯を沸かすのに便利です。
テント泊で利用するカトラリーの選び方
クッカーの中に収納することができる折りたたみ式のコンパクトなカトラリーから、スプーンとフォークとナイフが一体型になったカトラリーまで様々です。
食事をするための道具なので、使いづらいカトラリーを選ぶのは、せっかくの楽しい食事にストレスを感じてしまいます。
このようなことがないように、コンパクト性、軽量性を維持しながらも、使いやすいカトラリーを選びましょう。
おすすめのカトラリー
全てのバランスに優れた登山用カトラリー『UL先割れスプーン』
7gという極限の軽さに挑戦した先割れスプーンです。軽いからと言って食べづらいということは全く無く、『すくう・絡める』がしやすく食事中にストレスを感じません。アルマイト加工済みのアルミニウム素材で、口当たりが優しく、熱いスープでカトラリーが熱くなることがありません。
丈夫で切り離して使える樹脂製カトラリー『ミニトライテンシル』
スポークでよくありがちな、使っていて折れてしまうということがない、非常に丈夫な分離型スポークです。切り離した後に連結することができ、持ち手を長くすることができます。またスプーンの柄の部分にはナイフが付いています。重量は8.5gです。