紅葉シーズンの到来とともに、多くの登山者が山々に足を運ぶ季節となりました。しかし、秋の山は気温の変化が激しく、適切な装備選びが重要です。その中でも、ミドルレイヤーは快適な登山を左右する重要なアイテム。今回は、秋の紅葉登山に最適なミドルレイヤーを8点ご紹介します。
軽量で保温性に優れたものから、汗処理に特化したものまで、各ブランドが誇る最新テクノロジーを駆使した製品をラインナップしました。ARC'TERYX、ファイントラック、パタゴニア、THE NORTH FACE、Rab、MAMMUT、モンベルなど、信頼のブランドから厳選してお届けします。紅葉に彩られた山々を快適に楽しむための準備を始めましょう!
ミドルレイヤーの役割
ミドルレイヤーはベースレイヤーの上、アウターの下という中間に位置づけられます。ミドルレイヤーの役割を単純に考えれば防寒着なのですが、そう簡単ではありません。
内側(ベースレイヤー側)から見た時には、ミドルレイヤーは汗を吸い取り(吸湿性、吸水性)、ベースレイヤーをドライに保つ役割を担います。またこもった熱を適度よく排出(通気性・透湿性)し、発汗を防ぎます。
外側(アウター側)から見た時には、冷たい外気温を遮断(保温性)し、体温の低下を防ぐ役割を担います。ちょっとした雨が降って濡れてしまっても、ミドルレイヤーが重くならない(速乾性、耐水性)機能を備えたモデルも多く見られます。
登山におけるミドルレイヤーの種類
登山におけるミドルレイヤーには代表的なものとして
ダウンインサレーション
化繊インサレーション
アクティブインサレーション(化繊)
フリース
シャツ
の5種類に分けることができます。それぞれに良し悪しがあるので、行動のしやすさから適切な種類を選ぶようにしましょう。
ダウンインサレーション
保温力に対し非常に軽量で、防風性にも優れています。
しかし濡れに対して弱く、通気性や速乾性も低いため、汗をかく可能性が低い冬の高所登山におすすめです。手入れが面倒なのがデメリットです。
化繊インサレーション
ダウンよりかは軽量性には劣りますが、濡れに対しては強く、さらに手入れも簡単です。汗をかく可能性もあるけれども寒さもしっかり凌ぎたい、標高差がある冬の登山におすすめです。
アクティブインサレーション(化繊)
通気性と速乾性に優れ、動きやすいストレッチ素材を採用した、行動着として着用しやすい特徴があります。化繊インサレーションの中でも、保温性よりも通気性に重きをおいたモデルとして位置付けるとわかりやすいでしょう。
アークテリクスのコアロフト、ポーラテックのアルファ、ファイントラックのファインポリゴン、モンベルのエクセロフトなどが代表的なアクティブインサレーションの素材です。
フリース
濡れに強く、フリースそのものがストレッチするため動きやすいミドルレイヤーです。肌触りがよく快適な着心地なので、大きな行動が多いトレイルランニングやクライミング向けのミドルレイヤーです。
ポーラテックのフリースやパタゴニアのレギュレーターなどが、このフリースに該当します。
シャツ
フリースやアクティブインサレーションなどが、世の中に浸透していない時は登山シャツをミドルレイヤーとして活用していました。ボタンダウンなので、通気性に優れ、乾きも早く、腕をまくれば涼しく過ごすことができるため、アークテリクスなどが登山用シャツを販売し脚光を浴びています。
ミドルレイヤーの選び方
ミドルレイヤーを選ぶときには、上に挙げたような機能を備えたアイテムを選ぶようにしましょう。
ベースレイヤーの汗を吸い上げ吸湿性と吸水性
熱を適度に排出する通気性と透湿性
外気温を遮断する保温性
汗を吸っても重くならない速乾性
ちょっとした雨にも濡れない耐水性
防寒着として持ち歩きやすい軽量性
これらの機能は、登山をする季節や、アクティビティによって重要度が異なります。以下はその例です。
秋の低山におけるミドルレイヤー
まだ残暑の厳しい時期であればミドルレイヤーを行動着として省くこともありますが、休憩中は防寒着として活用することが想定できます。また、紅葉の時期であれば山の上は肌寒くなり、保温着としての活用が想定されるでしょう。
このような場合はザックの中に入れて持ち歩くか、行動着として身に着けて活動する場合が多いので以下の3点がミドルレイヤーを選ぶ時に重要視します。
防寒着として持ち歩きやすい軽量性
熱を適度に排出する通気性と透湿性
- 外気温を遮断する保温性
秋の高所登山におけるミドルレイヤー
先の低山の状況に加えて、登山スタート時などで風が直接体に当たる稜線上の歩行でもミドルレイヤーを着用することになります。寒暖差が激しくなるため、汗をかかないで着用し続けられるミドルレイヤーが重視されます。
この場合は以下の4点がミドルレイヤーを選ぶときに重要視します。
ベースレイヤーの汗を吸い上げ吸湿性と吸水性
熱を適度に排出する通気性と透湿性
汗を吸っても重くならない速乾性
防寒着として持ち歩きやすい軽量性
秋の紅葉登山に必携!おすすめのミドルレイヤー8選!
メーカー | ARC'TERYX | ファイントラック | パタゴニア | ARC'TERYX | THE NORTH FACE | Rab | MAMMUT | モンベル |
商品名 | イオニア メリノウール フーディ | ドラウトクロージャケット | R1 エア フルジップ フーディ | アトム フーディ | エクスペディショングリッドフリースフルジップフーディ | アルファ フラッシュ | クライム ハイブリッド ミドルレイヤー ジャケット | ライトシェル ジャケット |
イメージ | ||||||||
価格 | ¥24,200 | ¥19,580 | \24,750 | ¥49,500 | ¥19,800 | ¥17,600 | \13,090 | ¥9,240 |
重量 | 225g | 340g | 366g | 370g | 210g | 273g | 400g | 252g |
素材 | 87% メリノウール、13% ナイロン | ポリエステル100% | ポリエステル100% | ナイロン100%(身生地、裏地)、コアロフト60ポリエステル(インサレーション) | ポリエステル100% | Polartec® Alpha™ ポリエステル100% | polyamide-elastane double weave | ナイロン88%+ポリウレタン12% |
サイズ | S - XL | S - XL | XS - XXL | XS - XXL | WS - XXL | S - XL | XS - L | S - XL |
カラー | Black、lola、Yukon | ディープフォレスト、エルムグリーン、ナイトブルー、ブラック | Burnished Red、 Oar Tan、 Black、 Forge Grey 、 Torrey Pine Green、 Lagom Blue | Chloris、Solaris、CanvasⅡ、Black、Black Sapphire | サファイアスレート、アンバーグリーン、ブラック、ダスティペリウィンクル、オーバーングレーズ | Army, Beluga | deep ice | ブラック(BK)、ブルー(BL)、ライトグレー(LGY)、ネイビー(NV)、レッド(RD) |
ARC'TERYX イオニア メリノウール フーディ
ARC'TERYXのイオニア メリノウール フーディは、秋の登山に最適なミドルレイヤーです。メリノウール素材を使用し、優れた温度調節機能と防臭性を備えています。薄手の設計により、暑すぎず適度な保温性を提供し、快適な着心地を実現しています。
最も大きな特徴は、厳選され高品質なメリノウールを使用していることです。天然の温度コントロール機能により、体温を適切に維持し、激しい運動中でも快適さを保ちます。また、フーディデザインにより首元まで保護でき、寒い日でも暖かさを逃しません。
重量は軽めで、バックパックに入れても嵩張らず、レイヤリングの調整が容易です。価格は約2万5千円と高めですが、耐久性に優れ、長期間使用できる満足度の高いアイテムとなるでしょう。
メーカー | ARC'TERYX |
商品名 | イオニア メリノウール フーディ |
価格 | ¥24,200 |
重量 | 225g |
素材 | 87% メリノウール、13% ナイロン |
サイズ | S - XL |
カラー | Black、lola、Yukon |
ファイントラック ドラウトクロージャケット
ファイントラックのドラウトクロージャケットは、秋冬の登山に最適な高機能ミドルレイヤーです。この製品の最大の特徴は、優れた汗処理機能を持つ「ドラウト構造」の採用です。
ドラウトクロージャケットは、汗を素早く吸い上げて蒸散させる能力に優れており、一般的なフリースと比較して、圧倒的に速乾性が高いのは特筆すべき点です。 登山中に大量の汗をかいても、ウェアの外に効率的に排出するため、汗濡れを気にすることなくアクティブに動き続けられます。
ドラウトクロージャケットの生地は、ヘタりにくいパイル生地を使用しているため、高い耐久性も実現しています。高性能な吸湿速乾性は100回洗った後でも持続するように作られており、長い年月使用できるでしょう。
適度な保温力と通気性を兼ね備えており、ハンドポケットも装備されているため、初秋のアウターから冬のミドルレイヤーまで幅広く活躍する設計になっています。
メーカー | ファイントラック |
商品名 | ドラウトクロージャケット |
価格 | ¥19,580 |
重量 | 340g |
素材 | ポリエステル100% |
サイズ | S - XL |
カラー | ディープフォレスト、エルムグリーン、ナイトブルー、ブラック |
パタゴニア R1 エア フルジップ フーディ
パタゴニアのR1エア フルジップ フーディは、秋の登山に最適な高機能ミドルレイヤーです。この製品の最大の特徴は、独自開発の軽量で通気性に優れたテクニカル・フリース素材を使用していることです。
中空糸を独自のジグザグ構造で仕上げたリサイクル・ポリエステル100%素材のジャカード・フリースを採用しており、激しい運動中も優れた吸湿発散性と速乾性、通気性を発揮します。
着心地の面では、ストレッチ性が抜群で動きやすさに優れています。また、バックパックのストラップの下でも快適に着用できるよう、肩の縫い目の位置をずらすなどの工夫が施されています。
価格は24,200円(税込)と、高機能ウェアとしては比較的手頃な価格設定です。アウトドアシーンだけでなく日常使いにも適しており、多くのファンを持つパタゴニアの名品といえるでしょう。
メーカー | パタゴニア |
商品名 | R1 エア フルジップ フーディ |
価格 | \24,750 |
重量 | 366g |
素材 | ポリエステル100% |
サイズ | XS - XXL |
カラー | Burnished Red、 Oar Tan、 Black、 Forge Grey 、 Torrey Pine Green、 Lagom Blue |
ARC'TERYX アトム フーディ
ARC'TERYXのアトム フーディは、秋の登山に最適な多機能ミドルレイヤーです。軽量で暖かく、優れた通気性を備えたインサレーションフーディとして人気を集めています。
この製品の特徴は、合成素材のインサレーションを使用していることで、ダウンと違って濡れても保温力が落ちにくく、圧縮収納の繰り返しや洗濯をしてもロフトを維持してくれます。また、サイドパネルに伸縮性のある素材を使用しているため、動きやすさも抜群です。
アトム フーディは、幅広い温度帯で快適に着用でき、単体でのアウターとしての使用はもちろん、寒い時期のミッドレイヤーとしても活躍します。価格は約5万円と高めですが、長期間使用できる耐久性と多様な着こなしができる汎用性、そして高い品質と性能を考えると、値段以上の価値を感じるおすすめの一着です。
メーカー | ARC'TERYX |
商品名 | アトム フーディ |
価格 | ¥49,500 |
重量 | 370g |
素材 | ナイロン100%(身生地、裏地)、コアロフト60ポリエステル(インサレーション) |
サイズ | XS - XXL |
カラー | Chloris、Solaris、CanvasⅡ、Black、Black Sapphire |
THE NORTH FACE エクスペディショングリッドフリースフルジップフーディ
THE NORTH FACEのエクスペディショングリッドフリースフルジップフーディは、秋の登山に最適な軽量で機能的なミドルレイヤーです。薄手のフリース素材を使用しており、保温性、軽量性、通気性のバランスに優れています。
この製品の特徴は、その軽さとコンパクト性にあります。わずか210gという軽量性に加えて、バックパックに収納する際も嵩張らず、パッキングに大きな貢献をしてくれます。また、適度な保温性と通気性により、行動中のオーバーヒートを防ぎつつ、快適な体温維持を実現しています。
フルジップとフーディデザインにより、首元まで保護できるため温度調節が容易にできます。価格は19,800円(税込)と、比較的手頃な値段設定です。秋から冬山まで、また日常使いにも使用できる、汎用性の高いアイテムといえるでしょう。
メーカー | THE NORTH FACE |
商品名 | エクスペディショングリッドフリースフルジップフーディ |
価格 | ¥19,800 |
重量 | 210g |
素材 | ポリエステル100% |
サイズ | WS - XXL |
カラー | サファイアスレート、アンバーグリーン、ブラック、ダスティペリウィンクル、オーバーングレーズ |
Rab アルファ フラッシュ
Rabのアルファ フラッシュは、秋の登山に最適な革新的なミドルレイヤーです。この製品の最大の特徴は、Polartec Alpha Directという高機能な素材を使用していることです。
アルファ フラッシュは、驚異的な軽量性と優れた保温性を両立しています。Polartec Alpha Directは、従来の素材と比較して格段に通気性が高く、激しい運動中でも蒸れにくい特性を持っています。また、この素材は速乾性にも優れており、汗をかいてもすぐに乾くため、長時間の行動中も快適さを維持できます。
重量もわずか273gと非常に軽量で、コンパクトに収納可能なためバックパックの中でもかさばりません。
価格は約2万円と、他のハイエンドミドルレイヤーと比較してもお手頃で、その機能性を考えると、コストパフォーマンスに優れたミドルレイヤーでしょう。オールシーズン活用できる汎用性の高さも、このアイテムの魅力の一つです。
メーカー | Rab |
商品名 | アルファ フラッシュ |
価格 | ¥17,600 |
重量 | 273g |
素材 | Polartec® Alpha™ ポリエステル100% |
サイズ | S - XL |
カラー | Army, Beluga |
MAMMUT クライム ハイブリッド ミドルレイヤー ジャケット
MAMMUTのクライム ハイブリッド ミドルレイヤー ジャケットは、秋の登山に最適な高機能ミドルレイヤーです。この製品の特徴は、異なる素材を組み合わせたハイブリッド構造にあります。
ジャケットの胴体部分には、Polartec Power Gridを採用しています。この素材は、格子状の構造により優れた撥水性と通気性を両立しています。一方、腕や脇の部分には、伸縮性に優れたPertex Quantum Air素材を使用しています。この組み合わせにより、体の動きを妨げることなく、快適な着心地を実現しています。
定価は他のハイエンドミドルレイヤーと同程度ですが、公式ストアではアウトレット価格の¥13,090と低価格で購入できるチャンスです。
メーカー | MAMMUT |
商品名 | クライム ハイブリッド ミドルレイヤー ジャケット |
価格 | \13,090 |
重量 | 400g |
素材 | polyamide-elastane double weave |
サイズ | XS - L |
カラー | deep ice |
モンベル ライトシェル ジャケット
モンベルのライトシェル ジャケットは、秋の登山に適した軽量で多機能なミドルレイヤーです。この製品の特徴は、優れた防風性と撥水性を備えながら、高い通気性を実現していることです。
ライトシェル ジャケットは、薄手で軽量な設計により、バックパックに収納しても嵩張らず、レイヤリングの調整が容易です。また、ストレッチ性のある素材を使用しているため、動きやすさも抜群です。
この製品は、単体でのアウターとしての使用はもちろん、ミッドレイヤーとしても活躍します。急な天候の変化にも対応できる汎用性の高さが魅力で、3シーズン活用できるできるでしょう。
価格は¥9,240と1万円を切る低価格で、コストパフォーマンスに優れています。登山やハイキングだけでなく、日常使いにも適したデザインで、幅広いシーンで活用できる実用的なアイテムといえるでしょう。
メーカー | モンベル |
商品名 | ライトシェル ジャケット |
価格 | ¥9,240 |
重量 | 252g |
素材 | ナイロン88%+ポリウレタン12% |
サイズ | S - XL |
カラー | ブラック(BK)、ブルー(BL)、ライトグレー(LGY)、ネイビー(NV)、レッド(RD) |