
栃木県の名峰・那須岳(茶臼岳 1,915m)。ダイナミックな活火山の噴煙と紅葉が同時に楽しめる日本百名山です。今回は10月21日(月)に歩いた記録をもとに、上部・下部のリアルな色づき状況や、激しい駐車場争奪戦の実態、山行の様子をまとめました。

今回の周回ルート(峠の茶屋駐車場〜峰の茶屋跡〜姥ヶ平・ひょうたん池〜牛ヶ首〜茶臼岳〜峰の茶屋跡駅経由で下山)
1. 那須岳の概要と10月下旬の紅葉状況
那須岳は茶臼岳・朝日岳などからなる活火山群の総称です。荒々しい溶岩の稜線、立ち上る白煙、山腹を染める紅葉のコントラストが一番の見どころ。ロープウェイを使えば初心者でも手軽に絶景へアクセス。紅葉は標高差約900mをかけて山頂から山麓へと下りてきます。

上部(姥ヶ平・ひょうたん池周辺/標高約1,600m): 10月中旬は見頃終盤〜落葉ギリギリ。北風で葉は散り始めていますが、水面に映る「逆さ茶臼」や吹きだまりに残る紅葉の絨毯が楽しめます。
中腹〜下部(峠の茶屋・大丸・温泉街周辺): 10月中旬からが最盛期。山腹のカエデやミズナラが鮮やかに色づき、ドライブウェイや登山口周辺のグラデーションが見事です。


紅葉期の那須岳は全国屈指の激戦区です。
週末・三連休: 登山口直結の「峠の茶屋駐車場」は前日22時〜23時時点で車中泊組により満車になるケースが多発。朝には県道17号が数キロにわたり渋滞します。
平日(今回の月曜日): 週末を避けて月曜日に訪問しましたが、それでも深夜3時時点で駐車場は8割ほど埋まっていました。
【駐車場難民を避ける対策】
前日夜〜深夜入りで車中泊する(峠の茶屋狙いなら必須)
裏側の「沼ッ原(ぬまっぱら)湿原駐車場」から登る(比較的空いており姥ヶ平へアプローチ可能)
昼(11:30〜13:00)の入れ替わりを狙う(※日没が早いため時短ルート・ヘッデン必携)
3. それでも行く価値はあるか?
結論:十分に行く価値あり。ただし「防寒」と「時間戦略」が必須。上部のピークが過ぎていても、火山の噴煙と紅葉のコントラストは唯一無二の迫力です。さらに見頃を迎えた中腹〜山麓の大パノラマが楽しめます。ただし稜線の風はすでに「冬」の冷たさなので、万全の防風・防寒対策で向かいましょう。
4. 【那須岳レポート】10月21日(月)の記録
深夜3時で8割満車!峠の茶屋駐車場からスタート
深夜3時に到着し、仮眠をとって朝6時40分すぎに行動開始。すでに駐車場はキャンピングカーや登山者の車でびっしりです。


整備されたトイレに立ち寄り、登山口の石鳥居で安全を祈願してスタートします。

樹林帯を抜け、錦秋の山肌と火山帯へ

樹林帯を抜けると、抜けるような青空と茶臼岳が姿を。

少し登ると視界が一気に開け、「狛犬」の石積みの先にゴツゴツとした茶臼岳が迫ってきます。

朝日岳方面の斜面は見事な紅葉。急峻な岩壁と、斜面を埋め尽くす赤・橙・緑のパッチワーク。日当たりの良い中腹斜面はまさに紅葉のピーク。険しい岩肌と鮮やかな紅葉の対比に足が止まります。

峰の茶屋へと続くトラバース道。眼下にはハイマツと紅葉の稜線。

森林限界を越えて「峰の茶屋跡避難小屋」へ。見上げると紅葉の彩りから一変し、白く焼けた巨石が積み重なる別世界が広がります。

体感はすでに「冬」!強風を越えて姥ヶ平・ひょうたん池へ

山麓は穏やかでしたが、峰の茶屋跡から先は冷たい強風が吹き抜け、体感温度は一気に「冬」に。油断すれば低体温症などの遭難事故に繋がる山だと肌で実感。

牛ヶ首から下り、お目当ての「ひょうたん池」へ。風が一瞬止んだタイミングで、水鏡に噴煙を上げる茶臼岳と紅葉が映る「逆さ茶臼」を拝むことができました。


姥ヶ平の木道。背後の斜面には赤・橙・ダケカンバの幹が織りなす錦秋模様。

牛ヶ首への登り返しで振り返る姥ヶ平。陽が差し込むと一段と鮮やかさが増す。10月中旬過ぎ、上部の紅葉は終盤戦ですが、これだけ鮮やかに残っていれば大満足です。
ロープウェイ山頂駅から主峰・茶臼岳のピークへ
牛ヶ首からトラバースしてロープウェイ山頂駅へ。ここからは火山灰と巨石が続く急坂を登り、主峰・茶臼岳のピークを目指します。

多くの観光客や登山者で賑わう那須ロープウェイ山頂駅。

ロープウェイ山頂駅から茶臼岳山頂へ続く、白くザレた急登。

巨石が積み重なる岩場の急登。ロープに沿って慎重に足を運ぶ。

ガスが流れ込む中、山頂の那須岳神社鳥居が見えてきた。


お鉢付近から見下ろす峰の茶屋跡避難小屋(左下の赤い屋根)と朝日岳の荒々しい稜線。山頂直下はガスが湧き上がってきましたが、雲の切れ間からは大迫力の景色が広がっていました。
下山、そして那須湯本「小鹿の湯」の白濁硫黄泉へ

お鉢を巡り、峰の茶屋跡へ向けて下山開始。白い岩場のすぐ先に広がる中腹の紅葉を見下ろしながら、滑りやすいガレ場を慎重に下ります。

眼下に赤い屋根の峰の茶屋跡避難小屋と、背後にそびえる剣ヶ峰・朝日岳。

賑わう峰の茶屋跡避難小屋で一息つき、峠の茶屋駐車場へと無事下山しました。

下山後は那須湯本温泉へ移動し、鹿の湯源泉かけ流しの「小鹿の湯」へ(日帰り入浴:大人500円)。那須岳の冷たい強風で冷え切った体に、濃厚な白濁の硫黄泉がじんわりと染み渡り、最高の締めくくり。

5. まとめ
紅葉の狙い目: 10月中旬、上部のひょうたん池は終盤ギリギリでも「逆さ茶臼」の美しさは健在。中腹〜山麓の最盛期の紅葉と合わせて見応え抜群です。
駐車場は深夜勝負: 週末は前夜22時満車、平日(月曜)でも深夜3時で8割埋まるため、早めの到着か裏ルート(沼ッ原)の活用がおすすめ。
冬山並みの防寒を: 稜線は冷たい強風が吹くため、シェル・防寒着・グローブは必携です。

