この記事の要点:北アルプス表銀座の玄関口・燕岳まわりで、今季の小屋閉めと冬への切り替えが進んでいます。燕山荘の宿泊は11月22日泊まで(昼食営業は23日13時まで)で、そのあとは12月24日からの年末年始営業になります。有明荘と大天荘は11月3日泊で今季の宿泊営業を終え、穂高駅から中房温泉への定期バスも11月3日で運行期間を終えました。登山口へ向かう県道槍ヶ岳矢村線(中房線)は、12月1日15時から冬期閉鎖の予定です。
何が変わったか
燕岳(2,763m)は北アルプスの入門として人気が高く、11月に入っても登山者が多い山です。ただ、この時期は山小屋・バス・道路が少しずつ冬の体制に切り替わります。11月4日時点で、燕山荘グループの公式サイトと長野県安曇野建設事務所が案内している主な変化は次のとおりです。
- 中房温泉(燕岳登山口)へ向かう定期バス(穂高駅→有明荘→中房温泉)は、今季の運行期間が4月24日〜11月3日でした。4日からはタクシーかマイカーで向かうことになります。
- 登山口の有明荘は11月3日泊で宿泊営業を終了。昼食と日帰り入浴は11月4日までです。
- 大天井岳の大天荘も11月3日泊で今季の営業を終えました。表銀座の縦走や常念岳への稜線歩きは、小屋に頼れない時期に入っています。
- 燕山荘は11月22日泊まで営業し、23日は13時まで昼食営業。冬は12月24日〜2027年1月3日の年末年始営業(予約制)だけになります。
- 中房線の宮城ゲート〜中房温泉(12.2km)は、12月1日15時から2027年4月23日まで冬期閉鎖の予定です。
山小屋・登山口の営業状況(11月4日時点の公式サイトの案内)
- 燕山荘(燕岳):営業状況 営業中 / 期間 11月22日泊まで(23日は13時まで昼食営業)。年末年始は12月24日〜1月3日泊 / 予約 WEB予約または松本事務所。年末年始も予約制 / アクセス 中房温泉から合戦尾根。冬期は中房線が閉鎖され宮城ゲートから歩く
- 有明荘(中房温泉):営業状況 宿泊は営業終了 / 期間 11月3日泊まで。昼食・日帰り入浴は11月4日まで / 予約 ― / アクセス 中房線の終点近く
- 大天荘(大天井岳):営業状況 営業終了 / 期間 6月13日〜11月3日泊 / 予約 ― / アクセス 燕山荘から表銀座を南へ
- ヒュッテ大槍・ヒュッテ西岳:営業状況 営業終了 / 期間 西岳は10月11日、大槍は10月12日で今季の営業を終了 / 予約 ― / アクセス 東鎌尾根・喜作新道
- 常念小屋(常念乗越):営業状況 冬季休業の時期 / 期間 公式サイトでは通常の営業期間を11月初めまでと案内(積雪で変動)。冬は小屋南東側の冬期避難小屋が使える / 予約 冬季は松本事務所へ / アクセス 一ノ沢林道は崩落で一般車通行止め。崩落箇所から登山口まで約1.5km歩く
営業状況は天候や積雪で変わることがあります。出かける前に、各山小屋の公式サイトで最新の情報を確かめてください。
登山口までの道路とバス
中房線(県道槍ヶ岳矢村線)
中房線は、8月の土石流災害のあと規制つきで通行が続いています。長野県安曇野建設事務所の案内(10月15日更新)では、通行できる時間は朝5時〜夕方18時で、車幅2.2m・高さ3.0mを超える車や総重量8t以上の車は通れません。雨や地震で急に通行止めになることもあります。
そのうえで、宮城ゲート〜中房温泉の12.2kmは12月1日15時から2027年4月23日まで冬期閉鎖の予定です。冬期はバス・タクシーを含め車が入れず、燕山荘の案内では宮城ゲートから中房温泉まで歩いて約5時間かかります。凍った箇所もあるため、チェーンアイゼンがあると歩きやすいとしています。
また有明荘の案内では、11月に入ると天候によって中房線に雪が積もることがあり、車で向かうときは冬用タイヤが必要になる場合があります。
バスが終わったあとの行き方
定期バスが終わったため、穂高駅からはタクシーか、登山口近くの安曇野市営の登山者用駐車場を使うことになります。路上駐車はしないよう呼びかけられています。常念岳の一ノ沢登山口へは、林道の崩落で一般車が入れず、一の沢ゲートから崩落箇所の手前まで市内のタクシーだけが通れます。復旧工事は2027年1月末に終わる予定です。
11月の燕岳・表銀座で気をつけたいこと
- 下山の足を先に決める:バスがないため、帰りのタクシーの予約や駐車場の位置を、出発前に決めておきます。中房線は18時以降は通れないため、下山が遅れると車を出せなくなります。
- 日の短さ:燕山荘の冬山の案内では、冬の日没は16時30分ごろ。合戦小屋を12時までに出て、14時ごろに燕山荘に着く計画をすすめています。11月も同じ考え方で、早めの出発と早めの到着を心がけます。
- 合戦小屋より上の風と寒さ:合戦尾根の上部から稜線は風をさえぎるものが少なく、気温が急に下がります。防寒着・手袋・帽子を必ず持ち、雪が付いていれば滑り止めを使います。
- 縦走は小屋に頼れない:大天荘・ヒュッテ西岳・ヒュッテ大槍が閉まり、表銀座の縦走や常念岳への稜線は、小屋に逃げ込めない状態です。この時期に計画するなら、冬山の装備と経験を前提にします。
確かめ方と登山届
中房線の通行規制は、長野県安曇野建設事務所の「道路情報(通行規制)」のページと公式Xで最新の状況が出ます。一ノ沢線や駐車場の情報は、安曇野市の「北アルプス登山(中房線・一の沢線の状況)」のページにまとまっています。年末年始に燕山荘を使う人は、予約がWEB予約に集約されていることにも注意してください。
長野県では登山安全条例により、県が指定した登山道(燕岳・常念岳を含む北アルプスの主な登山道)を歩くときは登山計画書(登山届)の提出が求められています。長野県の公式ページで案内されているオンラインの「コンパス」などを使い、出発前に出しておきましょう。
出典:燕山荘グループ「燕山荘」(2026年11月4日閲覧)/燕山荘グループ「有明荘」/燕山荘グループ「大天荘」/燕山荘グループ「最新情報」(2026年10月12日〜11月3日)/燕山荘グループ「交通アクセス」/燕山荘「年末年始営業のご案内」/常念小屋「ご予約」/長野県安曇野建設事務所「道路情報(通行規制)」(2026年10月15日更新)/安曇野市「北アルプス登山(中房線・一の沢線の状況)」(2026年10月5日更新)(2026年11月4日確認)





