春の登山は、気温や天候が変わりやすく、適切なアウター選びが快適さと安全性を左右します。
本記事では、初心者でも迷わないよう、春登山におすすめのアウターを4種類(レインウェア・ハードシェル、ウインドブレーカー、ソフトシェル、軽量ダウン)に分け、それぞれの特徴とおすすめ商品を厳選して3つずつご紹介します!
アウターの役割と重要性
1. 防風・防寒

・春山では稜線や標高の高い場所で強風が吹くことがあり、体感温度が急激に低下します。防風性能のあるアウターは、体温を維持し低体温症を防ぐ役割を果たします。
・人里では桜が咲き暖かくなった春でも、山の上では朝晩や荒天時に気温がとても低くなるため、行き先に合わせた保温性も重要です。
2. 防水

・春は天候が変わりやすく、突然の雨や雪に対応する必要があります。また、標高の高い山ではまだまだ残雪が溶け残っています。防水性能を備えたアウターで、濡れることで体温が奪われるリスクを回避しましょう。
3. 透湿性

登山中は思いのほか汗をかくことが多いため、透湿性のあるアウターを選ぶことで蒸れを防ぎ快適さを保てます。特に、汗が蒸れて湿ったウェアに風が当たると想像以上に体温が奪われます。汗冷えによる体温低下を防ぐためにもゴアテックスなどの防水透湿性素材を活用しましょう。
4. 汎用性

春山では寒暖差が激しいため、アウターは行動中だけでなく休憩時や悪天候時にも対応できる汎用性が求められます。低山なのか高山なのか、天気はどうか、その時のシチュエーションによって適切なアウターを使い分けましょう。
行動中は着用せずに、万が一のために持ち運び場合には、軽量でコンパクトに収納できるとザックの中でも邪魔にならず便利です。
選び方のポイント
1. 天候と標高に合わせる

標高100mごとに気温は約0.6℃下がります。さらに、風が1m吹くごとに体感気温は1℃下がっていきます。高山では防風性と防水性を重視したアウターが必要です。
東京の4,5月の平均気温を基準に、標高1,000mごとに体感気温を算出した値が以下の表です。行き先に合わせて、十分なた防寒性能を持ったアウターを選ぶようにしましょう。
標高と風速 | 4月 | 5月 | |||
最高 | 最低 | 最高 | 最低 | ||
0m (東京) | 風速0m | 18 | 14 | 23 | 19 |
風速5m | 13 | 9 | 18 | 14 | |
1,000m (妙義山) | 風速0m | 12 | 8 | 17 | 13 |
風速5m | 7 | 3 | 12 | 8 | |
2,000m (雲取山) | 風速0m | 7 | 3 | 11 | 7 |
風速5m | 2 | -2 | 6 | 2 | |
3,000m (槍ヶ岳) | 風速0m | 1 | -3 | 5 | 1 |
風速5m | -4 | -8 | 0 | -4 |
2.素材選び

・ゴアテックスなどの防水透湿素材は万能でおすすめ。軽量でストレッチ性のある素材は動きやすさを向上させます。
・ただし、重量と保温性は基本的には反比例の関係です。必要な保温性は確保した上でできるだけ軽量なものを選びましょう。
3.携帯性と軽量性

・荷物を軽くするため、コンパクトに収納できるモデルを選びましょう。
・ウインドブレーカーなどの超軽量アウターでは、胸ポケットなどに収納できるパッカブル仕様が扱いやすくおすすめです。
4. レイヤリングとの相性

・基本的な考え方として、ベースレイヤーとミドルレイヤーで汗処理と保温性を確保し、アウターでは防風防水性で外部からの影響を防ぎます。
・アウターは最外層として機能するため、ベースレイヤーやミドルレイヤーとの組み合わせで効率的な体温調節が可能です。
春登山に適した4種類のアウターとおすすめ商品!
1. レインジャケット(ハードシェル)
- ・特徴: 防水・防風性能が高く、急な雨や強風から身を守る。
- ・素材: ゴアテックスなどの防水透湿素材がおすすめ。
- ・用途: 春でも雪の可能性があったり残雪が残っているような標高の高い山ではハードシェルを、それ以外の山では万が一の雨に備えてレインジャケットを装備しましょう。
春登山のアウターにおすすめのレインジャケット(ハードシェル)3選!
〜軽さと防水性で春山の王道的アウター〜 『モンベル ストームクルーザー ジャケット』

防水透湿性素材「ゴアテックス」を採用し、高い防水性(耐水圧20,000mm以上)と透湿性(35,000g/m²/24hrs)を兼ね備えています。軽量でコンパクトに収納可能なため、携帯性にも優れています。
さらに、モンベル独自の縫い目を減らした「K-Mono Cut」により防水性が向上し、動きやすさも向上しています。
変わりやすい春の天候に対応できる信頼性の高いアウターとして、王道の一着です。
〜動きやすさと防水性で、春の高山に対応〜 『ファイントラック エバーブレスアクロ ジャケット』

防水透湿素材「エバーブレス」を採用し、高い防水性と透湿性で蒸れを軽減。さらに、縦横に伸びるストレッチ性により、肩回りや背面の動きがスムーズで、長時間の登山でも快適です。
ベンチレーターやダブルカフなどの機能が充実し、天候変化や寒暖差に対応可能。軽量ながら耐久性も高く、春の登山における信頼できるフルスペックのアウターとしておすすめです。
〜軽量、防水、快適。春山に寄り添う万能シェル〜 『アークテリクス ベータジャケット』

軽量で耐久性のある3層構造ゴアテックス素材を採用し、高い防水性と透湿性を実現しています。内側のC-Knitバックテクノロジーにより肌触りが滑らかで快適な着心地を提供し、長時間の登山でも蒸れなどからくる不快感を軽減します。
シンプルで洗練されたデザインに加え、調整可能なフードや裾、耐水性の高いジッパーなど機能性も充実。春の変わりやすい天候に対応する信頼性と汎用性を備えたアウターとしておすすめの一着です。
2. ウインドブレーカー
- ・特徴: 軽量でコンパクトに収納可能、防風性能が高い。生地が薄く、耐寒性能は低い。
- ・用途: 寒さに対する不安が全くない暖かい地域や低山で使用。稜線での休憩時や軽い雨の際に便利。
春登山のアウターにおすすめのウインドブレーカー3選!
〜軽さと風防で、春山をもっと快適に〜 『Rab バイタルフーディ』

130gの超軽量設計とナイロン素材を採用し、高い防風性と撥水性を実現。フッ素化合物を含まないDWR加工で環境にも配慮されています。
調整可能なフードや裾ドローコード、内部ストームフラップなどの機能が充実し、快適さと保護性能を両立。コンパクトに収納可能なため、春の変わりやすい天候に対応しやすく、暖かい地域の低山登山やトレイルランニングに最適なアウターです。
〜風を制し、軽やかに進む春山の相棒〜 『アークテリクス スコーミッシュフーディ』

超軽量でコンパクトに収納可能な設計が特徴。Tyono 30ナイロン素材を使用し、高い防風性と耐久性を実現しています。
DWR加工により撥水性も備え、軽い雨にも対応可能。優れた通気性があり、汗をかいても蒸れにくく快適です。
調整可能なStormHoodやシンプルなデザインが行動の自由度を高め、春の変わりやすい天候に対応する信頼性の高いウインドジャケットとしておすすめです。
〜超軽量、防風快適。春山をもっと軽やかに〜 『モンベル ウルトラライトシェルパーカ』

平均重量136gの超軽量設計で、携帯性抜群のポケッタブル仕様が特徴です。
表地には12デニールのバリスティックエアライトナイロンを使用し、高い防風性と撥水性を実現。裏地には吸水拡散性に優れたメッシュ素材を採用し、発汗時でも蒸れず快適な状態を維持します。
ストレッチ性が高く動きやすいため、トレッキングやスピードハイクなど運動量の多い春の登山に最適なアウターです
3. ソフトシェル
- ・特徴: 防風性と通気性を兼ね備え、動きやすい。
- ・用途: 雨が少なく、行動中の快適さを重視する場合に適している。ハードシェルほど耐寒性は必要ないが、ウインドブレーカーでは不安な中途半端な時期に活用。
春登山のアウターにおすすめのソフトシェル3選!
〜動きやすさと快適さで春山をもっと楽しむ〜 『THE NORTH FACE マウンテンソフトシェルフーディ』

軽量で薄手ながら耐久性の高いナイロン素材と16%配合のポリウレタンによる優れたストレッチ性が特徴。立体裁断設計により動きやすく、登山やアウトドアでの複雑な動きをサポートします。
撥水加工も施されており、小雨にも対応可能。シンプルでスタイリッシュなデザインはタウンユースにも適しており、春の変わりやすい天候に対応する万能アウターとしておすすめです。
〜軽さと暖かさで、春山をもっと安全に〜 『モンベル EXライト サーマラップ パーカ』

わずか200gの超軽量設計で、携帯性と動きやすさに優れた中綿ジャケットです。
耐久性の高い20デニールのバリスティックナイロン表地と、さらに薄い12デニールの裏地を採用し、軽量性と強度を両立。中綿には濡れに強く速乾性のあるストレッチエクセロフトを使用し、適度な保温性と通気性を提供します。
コンパクトに収納可能で、寒暖差の激しい春の登山や行動着として最適な一着です。
〜耐久性と快適性に安心のクオリティを〜 『パタゴニア フーディニジャケット』

90%リサイクルポリエステルと10%ポリウレタンのダブル織り素材を使用し、優れた耐久性と風・軽い雨への耐性を実現しています。内側のR1グリッドフリースが汗を効率的に吸収し、通気性を確保するため、アクティブな登山でも快適です。
DWR加工による撥水性や調整可能なヘルメット対応フードなどの機能が充実しており、本格派ソフトシェルにしては軽量で携帯性も抜群。春の変わりやすい天候に対応する万能なアウターとしておすすめです。
4.軽量ダウンジャケット
- ・特徴: 保温性が高く、コンパクトに収納可能。防水性はない。
- ・用途: テント泊はや小屋泊の朝晩や休憩時の防寒対策として使用。濡れないよう注意が必要。
春登山のアウターにおすすめの軽量ダウンジャケット3選!
〜驚異の軽さと暖かさで、安心の防寒着〜 『モンベル プラズマ1000 ダウンジャケット』

わずか130gという超軽量設計と、最高品質の1000フィルパワーEXダウンを採用し、抜群の保温性を実現しています。
極薄7デニールのバリスティックエアライト素材により、耐久性と軽量性を両立。独自のキルティングパターンで冷気の侵入を防ぎつつ、コンパクトに収納可能です。
春の登山での寒暖差や休憩時の防寒対策として、携行性と機能性を兼ね備えた理想的なアウターです。
〜軽量・高品質ダウンで、春山を暖かく快適に〜 『ナンガ マウンテンロッジダウンジャケット』

860フィルパワーのポーリッシュグースダウンを使用し、270gという軽量性と高い保温性を実現。10デニールのリサイクルナイロン素材が柔らかな着心地と効率的な体温伝導を提供します。
パッカブル仕様でコンパクトに収納可能なため、携行性も抜群。シンプルなデザインと広い可動域を確保した設計により、アウターとして抜群の安心感を誇ります。
〜軽量で暖かさを極める、春山の頼れる相棒〜 『Rab ミシックアルパインジャケット』

900フィルパワーのヨーロピアングースダウンを採用し、252gという超軽量設計ながら抜群の保温性を提供します。
10デニールのリサイクルPertex Quantumナイロン素材にフッ素化合物フリーのDWR加工を施し、耐風性と撥水性を両立。スリムフィットで動きやすく、収納可能なスタッフサック付きで携帯性も抜群です。
春の寒暖差や休憩時の防寒対策として、軽量性と機能性を兼ね備えた理想的なアウターです。