自然の美しい景色を眺めながら食べる山ごはんは格別です。しかし、山の上では食材や調理器具を持ち運ぶのが大変だったり、調理するのが難しかったりしますよね。そこで、登山の食事におすすめのレシピを15個ご紹介します。火を使わない簡単レシピやメスティンを使った本格的なレシピをまとめましたので、山ごはんを満喫することができるでしょう。
登山では食事でエネルギー補給しよう
登山中は大いに体を動かすため、かなりのエネルギーを消費します。そのため、失ったエネルギーを補給するために食事を摂ることが大事です。もしも空腹のまま活動すると、体が重くなったり、すぐバテてしまったりする「シャリバテ」状態になります。シャリバテを起こさないためにも、こまめに食べ物を口にしたり、栄養のある食事を摂ったりしましょう。
登山の食事におすすめのレシピ15選
登山の食事は、パンやおにぎりじゃ物足りない!という人向けに、おすすめの山ごはんレシピを15個にまとめました。火を使わない簡単レシピから、メスティンを使った本格レシピまであるので、お好みのレシピを探してみてくださいね。
火を使わない簡単レシピ3つ
以下では、火を使わない簡単レシピを3つご紹介します。どれも食材を混ぜるだけで作れるので、お手軽に山ごはんを楽しめます。
卵とろーり!かにかまタルタル
かにかまを使った、タルタル風の和え物です。とろっとした口当たりに、シャキシャキとした歯ごたえのネギが病みつきになります。
かにかまタルタルの作り方は、以下の通りです。まずは、かにかまとネギを細かくきざみます。次に、ボウルにかにかまとマヨネーズ、酢、みそを入れて、よくかき混ぜます。最後に卵黄を乗せ、ネギを散らして完成です。
▼必要な材料(1〜2人分)
- かにかま 100g
- 卵 人数分
- マヨネーズ 大さじ3
- 酢 小さじ1
- みそ 小さじ1
- ネギ 適量
生ハムユッケ&ユッケの丼
生ハムを使った、アレンジのユッケです。生ハムのうま味と、きゅうりのシャキシャキ感がたまらなくおいしい料理です。お酒との相性もよく、おつまみとして食べるのもよいでしょう。フリーズドライなどのご飯を用意すれば、生ハムユッケ丼としても食べられます。
▼作り方
①きゅうりと長ネギは千切りにし、生ハムは一口サイズに切る
②切った食材をボウルに入れ、さらに鶏ガラやコチュジャン、ごま油、白ごまを入れて混ぜる
③卵黄を乗せる
▼必要な材料(2〜3人分)
- 生ハム 100g
- きゅうり 1本
- 長ネギ 1/2本
- 卵 人数分
- 鶏ガラ 小さじ1
- コチュジャン 大さじ1/2
- ごま油 大さじ1
- 白ごま 大さじ½
- (丼用のご飯)
ピリ辛なちくわ詰め3種
ちくわにピリ辛な食材を組み合わせた、ちくわ詰めのレシピです。ちくわはピリ辛の味付けがよく合い、おいしく食べられます。また、組み合わせ次第でいろいろアレンジできるので、お好みの味付けも楽しめます。
ちくわ詰めの作り方は、ちくわを半分に切り、空洞のなかに材料を詰め込むだけです。
ちくわのキムチ詰め&粉チーズ | ちくわの明太子詰め&バジル | ちくわのいわし詰め&唐辛子 |
---|---|---|
ちくわ 1本 | ちくわ 1本 | ちくわ 1本 |
キムチ 適量 | 明太子 適量 | いわしの缶詰 適量 |
粉チーズ 適量 | バジル 適量 | 唐辛子 適量 |
オリーブオイル 小さじ1 |
▼その他 火を使わない簡単レシピはこちらから
お湯だけ簡単レシピ3つ
以下では、お湯を注ぐだけで作れる簡単レシピを3つご紹介します。お湯はバーナーで沸かすか、保温ボトルで持ち歩いて用意しましょう。
炒めない海老ピラフ
お湯を注いで混ぜるだけの簡単ピラフ料理です。ご飯は、蒸したお米を平たくして乾燥させたライスフレークを使用しており、お湯で素早く戻せます。
炒めない海老ピラフの作り方は、食材をすべてまとめ、お湯を注いで混ぜるだけです。
▼必要な材料(1人分)
- ライスフレーク 100g
- コンソメスティック 1袋(5g入り)
- 粉チーズ 大さじ1(5g)
- 乾燥小えび 大さじ2(5g)
- 乾燥パセリ 少々
- (熱湯 200㏄)
登山仕様 ボリューミーなカレー
市販のカレーメシにサバ缶や大豆でかさ増ししたレシピです。登山仕様のボリューミーな食事が摂れます。
作り方は、下記の食材をすべて保温ジャーに入れ、お湯を注ぐだけです。食材は登山前に保温ジャーに入れておけばいいので、持ち運びしやすく、包装紙などのゴミを減らせます。
▼必要な材料(1人分)
- カレーメシ
- サバ缶orツナ缶
- 大豆ミートミンチタイプ(湯戻し・水切りがいらないタイプ)
- ガラムマサラ(ミックススパイス):小さじ1程度
- 濃厚トマトペースト:1袋
コンビニ食材だけで作る「濃厚トマトチーズ辛ラーメン」
辛ラーメンにトマトジュースとチーズを加え、辛さをマイルドにしたアレンジラーメンです。食材はコンビニだけで揃えられます。
作り方は、クッカーにソーセージとトマトジュース、水とチーズ1枚を入れて加熱します。沸騰したら、かやくや粉末スープ、麺を半分加えて混ぜるだけです。出来上がりの30秒前ぐらいにもう一枚チーズを乗せると、触感の異なるチーズを楽しめます。
▼必要な材料(1人分)
- ソーセージ
- トマトジュース200ml
- 辛ラーメン
- スライスチーズ2枚
- (水150ml)
▼その他 お湯だけで作れる簡単レシピはこちらから
万能ギア「メスティン」で作るレシピ6つ
以下では、メスティン(取手付きアルミ製飯ごう)を使ったレシピを6つご紹介します。メスティンを使うことで、調理の幅がグッと広がります。炊きこみご飯や焼き物など、比較的簡単に作れますよ。
さんまの炊き込みご飯
缶詰を使った簡単な炊き込みご飯です。さんまの他に、サバやホタテなどの缶詰を使えばアレンジもできます。
▼作り方
①無洗米をメスティンで30分水に浸す
②メスティンに缶詰の中身を入れ、水の量を調節する
③メスティンを強火で10分、煮立ったら弱火で5分火を付ける
④火を止めて10分蒸らす
調理時間:約45分
▼必要な材料(1人分)
- さんまの煮付け(缶詰)
- 無洗米
- ネギ(お好みで)
- ショウガ(お好みで)
コーンとベーコンの炊き込みご飯
コーンとベーコンを使った炊き込みごはんです。お米にコーンの汁を吸わせているので、ほんのり甘いご飯を楽しめます。
▼作り方
①メスティンにお米とコーンの缶詰の汁を入れ、20分おく
②メスティンに他の材料をすべて入れ、15分炊きこむ
③火を止め、10分蒸らす
調理時間:約45分
▼必要な材料(1人分)
- コーンの缶詰
- カップスープコーンクリーム 1袋
- ベーコン 少々
- 玉ねぎ 少々
- お酒 大さじ1
- コンソメ 小さじ1
- お米 一合
トマトのチーズリゾット
トマトの栄養が詰まった、トマトのチーズリゾットです。調理はシンプルで、具材をメスティンに入れて炒め、炊飯するだけで作れます。具材は魚肉ソーセージやベーコンなど、腐りにくい食材なのもよいポイントです。
▼作り方
①材料を食べやすい大きさにカットする。
②ベーコン、魚肉ソーセージ、人参、玉ねぎを炒める。
③メスティンに水、ケチャップ、コンソメ、お米を入れて15分ほど炊く。
④チーズを散らし、蓋をして1分待つ
調理時間:約25分
▼必要な材料(1人分)
- 魚肉ソーセージ:1本
- ベーコン:2枚分ほど
- 人参:3分の1
- たまねぎ:4分の1
- コンソメ:1袋
- トマトペースト:1袋
- ケチャップ:大さじ1
- 粉チーズ:お好み
- オリーブオイル:小さじ1
- お米:一合
きのこと豚肉の焼きうどん
ラージメスティンをフライパン代わりに使って作る焼きうどんレシピです。味付けはソースに醤油、砂糖を入れており、甘じょっぱくて病みつきになる味です。豚肉やきのこの他に、キャベツや玉ねぎを入れると、さらにかさ増しして、おいしく食べられます。
▼作り方
①しめじやエリンギ、豚肉を一口サイズにカットする
②しめじやエリンギ、豚肉を炒める
③うどんと水を入れて火を通す
④ソースや醤油、砂糖を入れて味付けをする
調理時間:約5分
▼必要な材料(1人分)
- 豚肉
- しめじ
- エリンギ
- 冷凍うどん
- ソース
- 醤油
- 砂糖
- 水
- 油
スーラータン
酸味と辛味が効いたスーラータンのレシピです。お酢の疲労回復効果に加えて、温かいスープが体を包み込んでくれます。スープに麺を入れたり、ご飯を入れたりすれば、スーランタンメンやリゾットとしても楽しめます。
▼作り方
①カットしたたけのことしめじを沸騰したお湯に入れる。
②中華だし、お酢を入れて片栗粉でとろみをつける。
③溶き卵を入れ、最後にラー油を垂らす。
▼必要な材料(1人分)
- たけのこ水煮 50g
- しめじ 15g
- 卵 1個
- 片栗粉 大さじ1
- 中華だし 大さじ1
- ラー油 適量
- 酢 大さじ2
簡単フレンチトースト
フランスパンとアイスクリームを活用したフレンチトーストです。卵や牛乳を使わないので、お手軽に調理ができます。旬の果物を添えると、彩りがよく、よりおいしく食べられます。
▼作り方
①メスティンの高さにバケットをスライスし、アイスクリームを浸み込ませる
②メスティンにバターをひき、両面焼く
③焼き終わったらメープルをかけ、フルーツを乗せる
調理時間:約7分
▼必要な材料(1人分)
- バケット3個
- バニラアイスクリーム一個
- バター少々
- メープルシロップ適量
- 旬の果物
▼その他 メスティンで作れるレシピはこちらから
おいしさ満点!本格調理レシピ3つ
以下では、おいしさ満点の本格調理レシピを3つご紹介します。凝った食事で登山でおいしいご飯を楽しみましょう。
仙台麩ホイコーロー
お肉の代わりに麩を使ったホイコーローです。麩は軽くて日持ちもよく、タンパク源を手軽に摂れるのが魅力です。さらに麩や乾燥野菜は水で戻せるので、簡単に調理することができます。
▼作り方
① 仙台麩と乾燥野菜を水で戻す
② 水で戻した仙台麩を炒める
③ 乾燥野菜を加えて炒めた仙台麩とあえる
④ 回鍋肉の素を入れて馴染ませる
▼必要な材料(1人分)
- 回鍋肉の素
- 仙台麩(揚げ麩)
- 乾燥野菜
- 水
台湾風ラーメン
レトルトのミートボールを肉だねに使用し、唐辛子スナックや豆板醤で辛味を効かせた台湾風ラーメンです。スパイシーで濃厚な肉味噌が食欲を刺激し、ガツガツと食べたくなるような味です。
▼作り方
①ニンニクをスライス、ショウガを細切りにしてサラダ油で炒める
②香りが出てきたらうま辛唐辛子を入れて混ぜ合わせる
③レトルトのミートボールを袋でつぶし、混ぜ合わせる
④豆板醤と味噌で味付けし、水を加えながら炒めて肉味噌に仕上げる
⑤ラーメンを茹でる
⑥茹であがったら、肉味噌とニラを乗せる
▼必要な材料(1人分)
- 醤油ラーメン 1袋
- レトルトのミートボール 1〜2袋
- matsukiyo「うま辛唐辛子」 1/2袋
- 豆板醤 大さじ2
- 味噌 小さじ1
- ニンニク 2片
- 生姜 1かけ程度
- サラダ油 適量
- ニラ 適量
豆乳と味噌のクリームペンネ
豆乳と味噌を使った、ヘルシーなペンネです。味噌を加えることでコクが出て、ヘルシーながらも満足感のある食事を楽しめます。事前に食材を切っておいたり、ペンネを下茹でしておくと時短できます。
▼作り方
①しめじは石づきを取ってほぐし、キャベツは一口大に、ベーコンは1㎝幅に切る
②ペンネを8割程度、固めに茹で、粗熱をとってからオリーブオイルと絡める
③ベーコンやしめじ、キャベツをしんなりするまで炒める
④豆乳と味噌、ペンネを加え、弱火で1~2分煮込む
⑤塩コショウで味を整える
▼必要な材料(1人分)
- ペンネ 80g
- 味噌 大さじ1
- しめじ 30g
- 塩 少々
- キャベツ 30g
- こしょう 少々
- ベーコン 30g
- オリーブオイル 適量
- 豆乳 200ml
山で調理する際に注意すること
登山で食事をするにあたり、注意すべき点がいくつかあります。山の上で心地よく食事を楽しむために、以下のことに注意しましょう。
食中毒に気をつける
食材を常温で持ち運ぶと、食中毒のリスクが高まります。そのため、生ものの食材を持ち運ぶ際は保冷ケースを利用するなどして、原因となる菌を増やさないようにしましょう。また、調理する際は手を除菌したり、手袋をしたりなどの工夫も必要です。
火器類は使用場所に注意する
山では落ち葉や木材など、火の付きやすいものが多くあります。山火事を起こさないよう、周りに十分注意を払ってから火器類を使用しましょう。また、場所によっては火気禁止のエリアもあるので、事前に確認するのも大切です。
ゴミは持ち帰る
調理の際に出るゴミは持ち帰るのがマナーです。ゴミを山に置いていってしまうと、景観が悪くなるだけでなく、土壌や植生に悪影響が出るおそれがあります。美しい自然を守るためにも、ゴミは持ち帰るようにしましょう。
行動食と非常食について
登山では、弁当などの食事の他に、「行動食」や「非常食」を持ち歩くようにしましょう。行動食は、登山中に失ったエネルギーを素早く補給するために必要です。たとえば、クッキーやチョコ、ナッツ類など、すぐに口にできるものが好ましいでしょう。
非常食は、遭難時やバテて動けないときのための食料で、行動食よりも口にしやすく、即エネルギーになるものが適しています。たとえば、練乳やはちみつ、ゼリー飲料などです。
登山の食事を楽しんで山旅を満喫しよう
登山の食事におすすめのレシピを15個ご紹介しました。簡単なものから本格的なものまで、ちょっとの工夫でおいしいご飯が作れます。さらに、山の上で素晴らしい景色を見ながら食事をすると、特別な時間を過ごせることでしょう。ご紹介したレシピを参考に、山旅を存分に楽しんでくださいね。