この記事の結論:初心者が最初に用意する行動食は、①すぐエネルギーになる甘いもの(チョコ菓子・ようかん・ラムネなど)、②食事代わりになるもの(カロリーメイトなどの栄養補助食品、おにぎり)、③塩分がとれるもの(塩飴・柿の種など)の3種類を少しずつ。選ぶ基準は「軽くて高カロリー」「片手ですぐ食べられる」「季節に合う(夏は溶けない・冬は凍らない)」の3つ。日帰りなら食事とは別に600〜1,000kcalが目安です。
(2026年11月2日更新:紹介している栄養補助食品のエネルギーをメーカー公式サイトで確かめ直し、確認できなかった数値を外して、選び方・比較表・季節別の選び分け・よくある質問を整理しました。)
「登山に行動食って本当に必要?」「何を持っていけばいいかわからない」という人のために、行動食の基本、選び方、コンビニやスーパーで買えるおすすめ、手作りレシピ、入れ物、必要な量と食べるタイミングまでまとめました。
山旅旅のYouTubeでも行動食を紹介しています(動画を見る)
登山の行動食とは?

行動食とは、登山中に手軽に口にできる、エネルギーや栄養を補給するための食べ物です。昔はチョコレートが定番でしたが、いまはコンビニやスーパーの食品から登山・スポーツ用の補給食まで選択肢が豊富です。
- 食事との違い:山頂で調理して食べる「山ごはん」と違い、行動食は立ったままや歩きながらでも食べられる携帯性の高い食べ物です。おにぎりやパンも、休憩中にさっと食べるなら行動食になります。
- おやつとの違い:お菓子が多いのでおやつに近いですが、目的は「不足しがちなエネルギーと栄養を補うこと」。テント泊縦走などでは、歩きながら行動食でエネルギーを補い続けます。
なぜ登山では行動食が必要なの?

1.エネルギーを補い、血糖値の低下を防ぐ
登山は長時間の有酸素運動です。エネルギーが足りなくなると血糖値が下がり、強い疲労や脱力感が起こります。これを登山では「シャリバテ」と呼びます。ひどくなると思考力や判断力も落ちて危険です。すぐエネルギーになる糖質をこまめにとりましょう。
シャリバテ(ハンガーノック)の兆候と対処法
突然足に力が入らなくなる、手足の震え、めまい、冷や汗、ぼーっとするなどがサインです。感じたら無理に歩き続けず、安全な場所で止まり、ブドウ糖のタブレットやラムネ、エナジージェル、甘い飲み物など吸収の早い糖質をとります。回復するまで15〜30分ほど休んでから、ゆっくり歩き出しましょう。
2.汗で失われる栄養を補う
汗とともに水分やミネラルが失われると、熱中症や足のつりの原因になります。ビタミン不足はだるさにもつながります。
3.非常食になる
軽くて日持ちのする行動食は、道に迷ったときなどの非常食にもなります。少し多めに持っていきましょう。
行動食の選び方

「栄養」「食べやすさ」「持ち運びやすさ」の3つの観点で選びます。
1.高カロリー|体を動かす力のもと

登山はエネルギーをたくさん使います。荷物を軽くしたいので、軽くてカロリーの高いものを選ぶのがコツです。お菓子を手にとったら栄養成分表示でカロリーを確かめましょう。
2.糖質|すぐエネルギーになる

ようかん、飴やキャラメル、ラムネ、練乳など、甘いものは即効性があります。甘いものが苦手なら、菓子パンやおにぎりで糖質をとりましょう。
3.タンパク質・アミノ酸|筋肉の疲れに


プロテイン入りのバーや魚肉ソーセージ、アミノ酸入りのゼリー飲料などは、筋肉の疲れや筋肉痛対策に役立ちます。
4.ミネラル・ビタミン・塩分・クエン酸|体の調子を整える


ドライフルーツやナッツはビタミン・ミネラルが豊富。汗をかく季節は塩飴や塩分タブレット、経口補水液で塩分を。疲れたときは梅干しやレモン味など酸っぱいものもおすすめです。
5.甘くないもの・しょっぱいものも用意する

おにぎり、総菜パン、魚肉ソーセージ、柿の種、ナッツ、ビーフジャーキーなど、甘くない行動食があると飽きずに食べ続けられます。
6.片手で食べられる・傷みにくい・軽くてコンパクト



個包装の飴やチョコ、スティック状のようかん、パウチのゼリー飲料は、歩きながらでも片手で食べられます。夏や縦走では傷みにくいものを選び、おにぎりなどは消費期限内に食べきりましょう。
よくある失敗
- お腹がすいてから食べる(エネルギーになるまで時間がかかるので、すく前に少しずつ)
- 甘いものばかりで途中から食べられなくなる
- 夏にチョコが溶ける、冬にようかんやゼリーが凍って固くなる
- 行動食をザックの奥にしまい、取り出すのが面倒で食べなくなる
夏山と冬山での選び分け
- 夏山:チョコレートなど溶けやすいもの、傷みやすい手作りのおにぎりや生ものは避け、個包装で日持ちするものを。汗で失う塩分とクエン酸(塩飴・梅味など)を意識しましょう。
- 冬山・雪山:水分の多いゼリー飲料やようかん、バーは凍ったり固くなったりします。ナッツやクッキーなど冷えても食べやすいものを選び、すぐ食べたい分は上着の内ポケットに入れて体温で温めておきましょう。
おすすめ

コンビニやスーパーで手に入りやすい行動食を、タイプ別にまとめました。エネルギーの数値はメーカー公式サイトで確かめたもの(2026年11月2日確認)です。それ以外の商品は、パッケージの栄養成分表示で確かめてください。
- 栄養補助食品(ブロック):例 カロリーメイト ブロック / 重さ・エネルギー 1本100kcal(4本入りで400kcal) / 特長 五大栄養素をバランスよく / 向く場面 食事代わり・非常食
- プロテインバー:例 1本満足バー プロテインブラック / 重さ・エネルギー 1本39g・174kcal(たんぱく質16g) / 特長 たんぱく質がとれる / 向く場面 長い行程・筋肉の疲れ対策
- チョコレート菓子:例 ブラックサンダー、スニッカーズなど / 重さ・エネルギー 表示を確認 / 特長 軽くて高カロリー / 向く場面 春・秋・冬の手軽な補給
- ようかん:例 井村屋 スポーツようかんなど / 重さ・エネルギー 表示を確認 / 特長 片手で食べられ糖質を素早く補給 / 向く場面 縦走・トレイルラン
- ゼリー飲料:例 inゼリー、アミノバイタルなど / 重さ・エネルギー 表示を確認 / 特長 水分と一緒にとれる・食欲がなくても飲める / 向く場面 夏・疲れたとき
- 飴・ラムネ:例 塩飴、ブドウ糖のラムネなど / 重さ・エネルギー 表示を確認 / 特長 歩きながらなめられる・即効性 / 向く場面 シャリバテ対策
- ナッツ・ドライフルーツ:例 ミックスナッツ、デーツなど / 重さ・エネルギー 表示を確認 / 特長 ビタミン・ミネラル・脂質 / 向く場面 冬(凍りにくい)
- しょっぱいもの:例 柿の種、カルパス、魚肉ソーセージなど / 重さ・エネルギー 表示を確認 / 特長 塩分・たんぱく質がとれる / 向く場面 汗をかく季節・口直し
- 主食系:例 おにぎり、菓子パン・総菜パン / 重さ・エネルギー 表示を確認 / 特長 腹持ちが良い / 向く場面 日帰りの昼食兼用
定番:カロリーメイト ブロック

エネルギーに加えて、ビタミンやミネラルなど五大栄養素をバランスよくとれる栄養補助食品。1本100kcalで、4本入りなら400kcalです。食事代わりにもなり、何を持っていくか迷ったときの大定番です。
定番:1本満足バー

1本で満足感のある栄養補助バー。プロテインシリーズの「プロテインブラック」は1本39gで174kcal、たんぱく質16g。ザクザクとした食感で食べごたえがあります。
定番:チョコレート菓子

ブラックサンダーのような個包装のチョコ菓子は、軽くてカロリーが高く、非常食にもなります。夏は溶けやすいので、春・秋・冬向きです。
甘いもの系



チョコバー、しっとりしたクッキー、ブドウ糖のラムネ、飴、ドライフルーツ、シリアル(フルグラなど)、チューブ入りの練乳など。糖質は即効性が高く、行動食でいちばん人気です。ドライフルーツやナッツは、輸入食料品店のカルディなどで種類豊富にそろいます。



甘くないもの系





菓子パン・総菜パン、おにぎり(梅干しや海苔付きがおすすめ)、魚肉ソーセージ、カルパス、ナッツなど。食事の感覚で食べられ、たんぱく質や脂質もとれます。
しょっぱいもの系



柿の種、塩分タブレット、経口補水液(オーエスワンなど)。汗をたくさんかく夏山やトレイルランニングで、塩分・ミネラルを手軽に補えます。
まとめ買いしたい登山・スポーツ用の補給食

山に行くたびに買うより、スポーツ用の補給食を通販でまとめ買いするとお得なこともあります。エネルギーの数値は商品や味によって違うので、パッケージや公式サイトで確かめてください。

アミノバイタル:アミノ酸を手軽にとれるゼリーや顆粒。連日歩く山小屋泊にも。

inゼリー:登山でも定番のゼリー飲料。初めてなら「エネルギー」タイプから。

スポーツようかん(井村屋):片手でさっと食べられるスティック状のようかん。

エナジージェル:噛まずにとれるので、疲れて固形物がのどを通らないときにも。



パラチノース入りのライスジュレやおもち系の補給食、玄米と味噌のシリアルバーなど、和風の補給食も増えています。甘い行動食に飽きたときの口直しに。
山旅ショップのおすすめ
山旅ショップでは、登山向けの行動食も扱っています。軽くて高カロリーな塩チョコは、甘さと塩分を一度にとれるので、シャリバテ対策の「切り札」としてポケットに入れておくのに向いています。
甘い行動食に飽きたら、水に溶かして飲める熟成味噌も。塩分補給になり、温かい味噌汁にすれば冬の休憩で体が温まります。
テント泊なら、山旅オリジナルの高カロリーなレトルトカレーも食事の選択肢になります。
手作り派におすすめの行動食レシピ

定番シリアルナッツバー

材料:グラノーラ300g、ミックスナッツ・シード(お好みで)、マシュマロ100g、バター40g
- 耐熱容器にシード以外の材料を入れ、電子レンジで40秒ほど加熱して混ぜる
- クッキングシートを敷いた天板に平たくのせ、形を整える
- シードを振りかけ、粗熱が取れたら食べやすい大きさに切る
干し芋

材料:サツマイモ(好みの量)
- サツマイモを切って蒸す
- 食べやすい大きさにカットし、ドライネットなどで干す
- 好みで半乾燥か完全乾燥にして完成
行動食の入れ物と持ち歩き方

- ジップ付き保存袋:小分けにしてウェアやザックのポケットへ。食べた後の小袋もそこに入れればゴミを落とさず持ち帰れます。100円ショップの保存袋でもOK。
- 広口ボトル:ナッツやシリアル、柿の種などを入れ、ボトルに直接口をつけて流し込めば、歩きながら食べられます。
- すぐ手が届く場所に:サコッシュやウエストポーチ、ショルダーベルトやヒップベルトのポケットに入れておくと、立ち止まらずに補給できます(サコッシュの選び方)。
- 出発前に開封:外箱や大袋は家で外してまとめておくと、軽くなるうえ、山で包装が風に飛ばされるのを防げます。
行動食はどれくらい?食べるタイミングは?

登山で使うエネルギーのおおよその目安は「(体重+荷物の重さ)kg × 行動時間(時間)× 5」で計算できます。たとえば体重60kg・荷物10kgで6時間歩くなら、70×6×5=約2,100kcal。このうち朝食・昼食で補えない分を行動食で補います。日帰りなら、食事とは別に600〜1,000kcalほどが目安。予備として200〜300kcal分を多めに持っておくと安心です。
食べるタイミングは「お腹がすく前」。1時間に1回ほどを目安に、少しずつ食べましょう。
テント泊縦走なら

朝・夕はアルファ米とフリーズドライのおかず、昼はシリアルバーやようかん、ジェル、チョコ、魚肉ソーセージなどの行動食、という組み合わせが軽くて便利です。
山小屋泊なら
食事は山小屋でとれるので、行動食はアミノ酸入りのゼリーやタブレット、疲労回復にクエン酸入りの飴などを中心にすると身軽です。
動画で紹介した「登山者のリアルな行動食」のコツ
山旅旅のYouTubeで、登山者が実際に持ち歩く行動食を紹介しています。
- おにぎりを小さめに握って何個か持ち、5〜10分の休憩ごとに1個ずつ食べる。行動食とお昼ごはんを分けずに兼用するスタイル(動画を見る)。
- 水に味噌や梅を入れて、甘くない塩分・ミネラル補給をする工夫も。
- ナッツやドライフルーツを混ぜた「ゴープ」をボトルや保存袋に入れ、歩きながら食べる。チョコがコーティングの内側にあるお菓子は夏でも溶けにくく混ぜやすい(動画を見る)。
- 甘いものが続いたら、酸っぱいお菓子で口直しを。
よくある質問
Q. 日帰り登山では、行動食をどれくらい持っていけばいいですか?
A. 朝食・昼食とは別に600〜1,000kcalほどが目安です。「(体重+荷物の重さ)×行動時間×5」で使うエネルギーを計算し、食事で補えない分を小分けにして持っていきましょう。
Q. シャリバテになったらどうすればいいですか?
A. 安全な場所で止まり、ブドウ糖のタブレットやラムネ、ジェル、甘い飲み物など吸収の早い糖質をとって、15〜30分ほど休みます。そうならないよう、お腹がすく前に少しずつ食べるのが一番の予防です。
Q. 夏山・冬山で気をつけることは?
A. 夏は溶けるもの・傷みやすいものを避けて塩分を意識し、冬は凍りにくいナッツ類を選んで、すぐ食べる分は体温で温めておきます。
Q. コンビニで買うなら何がおすすめ?
A. 栄養補助食品(カロリーメイトなど)、チョコ菓子、塩飴、おにぎり、ナッツを少しずつ組み合わせると、エネルギー・塩分・満腹感をバランスよくとれます。
Q. ゴミを山で落とさない工夫は?
A. 出発前に外箱や大袋を外して保存袋にまとめ、食べた後の包装は同じ袋か専用の小さなゴミ袋に入れて持ち帰りましょう。
行動食と一緒に、水筒やボトル選びは登山用水筒の記事、持ち物全体は登山の持ち物リストも参考にしてください。自分の山行スタイルや好みに合った行動食を見つけて、最後まで元気に歩きましょう。
※本記事の作成にはAIを活用し、製品の仕様は各公式サイトの掲載情報(確認日時点)と照合しています。






