「登山に行動食って本当に必要?」「行動食に何を持って行けばいいかわからない」など行動食に関するお悩みをお持ちの方。
この記事では登山におすすめの行動食を、定番のコンビニやスーパーで買えるものから意外と簡単に作れる手作り品まで幅広く紹介しています。
また、行動食を入れるのに便利な入れ物もピックアップ。
さらに、初心者向けに行動食とは何か、その必要性や摂取したい栄養素、選び方などをわかりやすく解説し、経験者向けにエネルギー補給系のゼリーやテント泊縦走の行動食のコツなどを詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。
登山の行動食とは?
行動食とは、登山中に手軽に口にできる、エネルギーや栄養を補給する食料のことをいいます。昔はチョコレート一択でしたが、現在はコンビニやスーパーで買えるものから登山専門の携帯食料までバラエティに富んだ選択肢があり、好みや登山形態、季節などに応じて選ぶことができます。
行動食は食事と違うの?
行動食と食事は、どちらも山で食べるという点では同じです。しかし、行動食は立ったままや歩きながらでも口にできる、携帯性の高い食料という特徴があります。
山で食事を作って食べる、いわゆる「山ごはん」は行動食とはいえませんが、おにぎりやパンなら立ったままや歩きながらでも食べることができるため、行動食になります。
例えば、唐揚げ弁当をランチとしてゆっくり食べれば食事ですが、唐揚げおにぎりを休憩時に立ったまま食べるなら行動食といえます。
行動食はおやつと同じ?
山頂でいただく山ごはんを食事とするなら、休憩時に立ったまま口に入れるような行動食は、おやつと考えていいでしょう。実際、行動食ではお菓子を食べることが多く、「行動食=お菓子、おやつ」ととらえて差し支えありません。
ただ、行動食には登山で不足しがちなエネルギーや栄養を補うといった目的があり、単なるお楽しみでいただくおやつとは考え方が異なります。
テント泊縦走などでは、日中のんびりとした山ごはんタイムをとれないこともあり、歩きながら行動食を口にすることでエネルギーや栄養を補給しています。
軽量で栄養価が高く、立ったままや歩きながら食べることができる食料であれば、全て行動食といっていいでしょう。
なぜ登山では行動食が必要なの?
登山で行動食が必要な理由を3つ紹介します。
1.エネルギーを補い血糖値の低下を防ぐ
登山は長時間の有酸素運動です。エネルギーの消費量が多く、放置すると血糖値が下がって激しい疲労や脱力、倦怠感などが生じます。登山ではこの状態を「シャリバテ」といい、文字通りシャリ(=ごはん)がないのでバテることを意味します。
血糖値の低下は、身体がバテるだけにとどまりません。ひどくなると脳の活動を低下させ、登山に必要な思考力や注意力、判断力を低下させ、危険な状態となります。
そのため、脳に届いてエネルギーとなる糖質(=食物繊維以外の炭水化物)を補わなくてはなりません。行動食に甘いものが多いのは、糖分を摂取することで脳や体に素早くエネルギーを行き渡らすためです。
糖質を摂らずに登山を続けていると、筋肉や内臓のタンパク質が分解されてエネルギーに充当されてしまいます。そういった状態を防ぐためにも、行動食でエネルギーを補う必要があるのです。
2.不足した栄養を補い登山中の健康を保つ
登山は汗をかくことで水分やミネラルが失われ、熱中症や筋肉のけいれん、貧血を招く可能性があります。また、ビタミンが不足して倦怠感や疲労感が生じることも。
登山中こうした事態に陥らず、体が常に正常に機能し続けていられるよう、行動食で必要な栄養素を補給する必要があるのです。
3.非常食になる
軽量コンパクトで携帯性に優れ、日持ちがする行動食は、遭難したとき非常食になります。万が一のときの備えとして、少し余分に持って行くといいでしょう。
行動食の選び方10のポイント
行動食の選び方は次の3つの観点から考えることが大切です。
- 栄養
- 食べやすさ
- 持ち運びやすさ
登山に必要な栄養が含まれ、食べやすく、持ち運びしやすい食料を選ぶポイントを詳しく解説します。
1.高カロリー|体を動かす力のもとになる
「高カロリーなんてダイエットの敵!」と考える方もいるでしょうが、カロリーとはエネルギーの単位で、体を動かす力になります。登山では体を動かす力が大量に要るためエネルギーを消費しやすく、カロリーの高い食料でエネルギーを補う必要があります。
以下の表は、登山で必要な男女別・年齢別のエネルギー量を示しています。
性別 | 男性 | 女性 |
18〜29歳 | 3,050kcal | 2,300kcal |
30〜49歳 | 3,050kcal | 2,350kcal |
50〜64歳 | 2,950kcal | 2,250kcal |
65〜74歳 | 2,750kcal | 2,100kcal |
登山では、持ち歩く荷物をできるだけ軽くしたいので、行動食は軽量でありながらカロリーの高い食品を選ぶのがコツです。コンビニやスーパーでお菓子を手にとったら、栄養成分表示を見てカロリーをチェックしてみましょう。
人気行動食のカロリーランキング
コンビニやスーパーで簡単に購入できる人気の行動食を、1gに対してのカロリーが高い順にランキングにしました。軽量・高カロリーな行動食選びの参考にしてください。
順位 | 商品名 | 1gあたりのカロリー | 重量 | カロリー |
1位 | ブラックサンダー | 5.3kcal | 21g | 112kcal |
2位 | カロリーメイト | 5.0kcal | 20g | 100kcal |
3位 | スニッカーズ | 4.9kcal | 51g | 248kcal |
4位 | カントリーマアム | 4.8kcal | 10g | 48kcal |
5位 | SOY JOY(コーヒー&ナッツ) | 4.7kcal | 30g | 142kcal |
6位 | スポーツキャラメル | 4.1kcal | 74g | 310kcal |
7位 | 柿の種 | 3.9kcal | 100g | 387kcal |
8位 | 大粒ラムネ | 3.7kcal | 41g | 153kcal |
9位 | えいようかん | 2.9kcal | 60g | 171kcal |
10位 | スポーツようかんあずき | 2.8kcal | 40g | 113kcal |
11位 | inゼリーエネルギー | 1.0kcal | 180g | 180kcal |
2.糖質|すぐエネルギーになる
エネルギーとなる炭水化物の中でも、糖質は摂取してすぐエネルギーに変わるため、甘くて食べやすいお菓子は行動食に最適です。スティック状のようかん、飴やキャラメル、ラムネ、チューブ状の練乳などは即効性があっておすすめです。
糖質はお米、パン、麺類など主食となる食料にも含まれているので、甘いものが苦手な方は菓子パンやおにぎりなどで補給するといいでしょう。
3.タンパク質|筋肉疲労を助ける
タンパク質(=プロテイン)は、体のあらゆる組織を作る重要な栄養素で、特に筋肉を作るにはタンパク質が欠かせません。タンパク質は糖質のように即効でエネルギーにはなりませんが、筋肉の疲労を助けてくれるので、プロテイン入りのバーや魚肉ソーセージなどは行動食としておすすめです。
4.アミノ酸|疲労や筋肉痛を軽減
タンパク質を構成するアミノ酸は、筋肉組織のタンパク質の分解を防ぎ、傷ついた筋肉の回復を早める働きがあるため、登山中の疲労感が少なく、筋肉痛を軽減します。アミノバイタルなどアミノ酸の含まれたジェルやゼリー飲料を摂取するのがおすすめです。
5.ミネラル・ビタミン・塩分|体の調子を整え疲労を軽減
ビタミンやミネラルは体の調子を整え、身体機能を正常に保つ役割をします。不足すると体のバランスが乱れ、疲労感や足がつるなどの症状が現れるので、ドライフルーツやミックスナッツなどビタミンやミネラルを豊富に含む行動食を摂ることをおすすめします。
また、登山中は汗をかくことで体内の塩分が失われるため、塩分やミネラルが配合された経口補水液や塩分タブレット、塩ようかんなどを摂取するのもいいでしょう。
6.クエン酸|疲労回復を促進
クエン酸には疲労物質である乳酸を分解して新陳代謝を促す働きがあります。クエン酸はすっぱいものに含まれているため、酢昆布やカリカリ梅、レモン味のゼリー飲料や飴などを行動食として摂取するといいでしょう。
7.甘くないもの、しょっぱいものもおすすめ
行動食におすすめなのは甘いお菓子ですが、甘いものがニガテな方は、カロリーや糖質、タンパク質など登山に必要な栄養素が含まれている甘くないもの、しょっぱいものを行動食にするといいでしょう。
甘くないものには、おにぎり、サンドイッチ、コロッケパンなどの総菜パン、ささみバー、カロリーメイトなど食べ応えのある食品が多いです。おにぎりの具を梅干しにすればクエン酸も摂取できます。
しょっぱいものは柿の種、ミックスナッツ、ポテトチップス、ビーフジャーキー、サラミなどが高カロリーでおすすめです。
8.片手ですぐに食べられる
行動食は、立ったまま、あるいは歩きながらでも食べられるのが基本ですので、片手で持ってそのまま口にできる食料がおすすめです。個包装された飴やキャラメル、チョコレートやシリアルバー、スティック状のようかんやジェル、パウチのゼリー飲料などは片手で手軽に摂取できておすすめです。
9.傷みにくく日持ちがする
行動食は傷みにくいものを選びましょう。夏山の強い陽ざしや長時間歩き続ける縦走登山で品質が劣化してしまうような食料はNGです。おにぎりやサンドイッチを行動食にするなら、消費期限内に食べきってください。
滅菌処理されたパウチのエナジー系ゼリー飲料などは高カロリーで日持ちがするので、テント泊縦走などにおすすめです。いざという時の非常食にもなります。
10.軽量コンパクトが基本
行動食は持ち運びしやすいよう、軽量コンパクトで個包装されており、すぐに食べられるものがおすすめです。ウェアのポケットやサコッシュ、ザックのポケットなどに入れておけば、食べたい時にサッと口にできます。
柿の種やミックスナッツなどは、小袋に入っているものを選ぶといいでしょう。または、後で詳しく紹介しますが、ジップロックや専用のボトルに入れて持ち歩くこともできます。
コンビニ・スーパーで手軽に買えるおすすめの行動食18選
「行動食を持って来るの忘れた!」そんなときでもコンビニやスーパーがあれば大丈夫。登山口に到着する前に見つけたコンビニやスーパーで即買いしたい、おすすめの行動食を重量やカロリーとあわせて紹介します。
定番の行動食3選
これさえ持って行けば間違いない定番の行動食を3つ紹介します。
【食事代わり/カロリー】カロリーメイト
カロリーに加え、ビタミンやカルシウムなど体に必要な栄養素がバランス良く配合されているため、食事代わりになる行動食です。個包装されているので携帯性にも優れています。行動食を何にしたらいいかわからない方におすすめしたい、安心の大定番です。
- 重量:4本80g
- エネルギー:400kcal
- 1gあたりの熱量:5.0kcal
【食事代わり/タンパク質】1本満足バー
文字通り1本で満足感が得られるお馴染みの栄養補給食品。炭水化物とビタミン、食物繊維が豊富に摂れます。プロテインシリーズ、ギガプロテインシリーズなら筋肉に欠かせないタンパク質をたっぷり摂取でき、行動食として最強です。ザクザクとした食感で食べ応えもバッチリです。
- 重量:シリアルタイプ1本37g、プロテインタイプ1本39g、ギガプロテインタイプ1本65g
- エネルギー:シリアルタイプ188kcal、プロテインタイプ185kcal、ギガプロテインタイプ332kcal
- 1gあたりの熱量:シリアルタイプ5.1kcal、プロテインタイプ4.7kcal、ギガプロテインタイプ5.1kcal
【カロリー/糖質】ブラックサンダー
「登山のお供にはやっぱりチョコレートでしょ」という方におすすめなのがブラックサンダーです。1gあたりのカロリーがとても高く、ザクザクとした噛み応えが魅力。万が一のときの非常食にもなります。軽量、個包装で携帯性に優れているため、トレイルランニングやファストハイクの行動食にも最適です。
- 重量:1個21g
- エネルギー:112kcal
- 1gあたりの熱量:5.3kcal
人気の甘いもの系行動食おすすめ7選
甘いものはエネルギーとして即効性の高い糖質が主成分のため、行動食で最も人気があります。多くの種類があるので、好みに応じて選ぶといいでしょう。
スニッカーズ
甘いヌガー、キャラメル、ピーナッツをミルクチョコレートでコーティングした最強クラスのチョコレートバー。1本あたりのカロリーは248kcalと、ほぼご飯1膳分なので食事代わりにもなり、お腹を満たします。ビタミン類も豊富です。
- 重量:標準サイズ1本51g
- エネルギー:248kcal
- 1gあたりの熱量:4.9kcal
カントリーマウム
クッキーの中ではカロリーが最も高く、軽量コンパクトで個包装されているので登山の行動食としてとても人気があります。クッキーにしてはしっとりと柔らかいのも魅力で歩きながら食べてもいいし、冬なら軽く温めてコーヒーブレイクのお供にするのもいいでしょう。
- 重量:1枚10g
- エネルギー:48kcal
- 1gあたりの熱量:4.8kcal
飴
歩きながらでも手軽に口にできる飴類は、気分転換になり、日持ちがするため行動食として人気があります。種類が多いので、好みの味が選べるのも魅力で、塩飴なら発汗で失われた塩分が摂取でき、レモンキャンディならクエン酸による疲労回復効果が期待できます。
- 重量:1個5g
- エネルギー:19kcal
- 1gあたりの熱量:3.8kcal
ラムネ
ラムネはブドウ糖でできているため、糖質の中でも極めて即効性に優れており、素早くエネルギーチャージできるのが魅力です。味も甘すぎないためトレイルランナーからも支持されています。
- 重量:1パック41g
- エネルギー:153kcal
- 1gあたりの熱量:3.7kcal
ドライフルーツ
糖分と共に豊富なビタミンが摂取できる上、日持ちがするので行動食として最適です。また、くだものなのでお菓子に比べてヘルシーなのも魅力。非常食にもなります。
ドライフルーツは輸入食料店のカルディで豊富に取り扱っています。
- 重量:カルディ ドライデーツ1袋130g
- エネルギー:449kcal
- 1gあたりの熱量:3.5kcal
フルグラ
シリアル+ドライフルーツで、カロリー、糖質、食物繊維、ビタミンなどがバランスよく摂れるのが魅力です。フルグラビッツなら食べやすい一口サイズなので登山の行動食に最適です。ザクザクとした食感が心地よく、休憩中の食事代わりにもなります。
- 重量:フルグラビッツ1袋26g
- エネルギー:116kcal
- 1gあたりの熱量:4.5kcal
練乳
登山上級者に人気なのがチューブに入った練乳です。とても甘く高カロリーなので、素早くエネルギーチャージができます。片手で練乳のチューブを持ち、直接口を付ければ、行動を止めずに飲めるので、険しい縦走登山の際のエネルギー補給に役立ちます。
- 重量:120g
- エネルギー:395kcal
- 1gあたりの熱量:3.3kcal
甘くない行動食おすすめ5選
甘いものが苦手な方におすすめしたい、甘くない行動食を紹介します。甘い行動食はおやつのイメージが強いですが、甘くない行動食は食事の感覚でいただけます。
パン
主食でもあるパンは、代表的な炭水化物食品です。コンビニやス―パ―で手軽に買える菓子パンなら軽量で片手で食べられる上、カロリーが高いため行動食として最適です。
甘い菓子パンが苦手なら、コロッケパンや焼きそばパンなどのおかずパンを選ばばおいしくいただけますが、甘い菓子パンのほうがカロリーは高めです。
- 重量:焼きそばパン1個116g、メロンパン1個82g
- エネルギー:焼きそばパン236kcal、メロンパン260kcal
- 1gあたりの熱量:焼きそばパン2.0kcal、メロンパン3.2kcal
おにぎり
コンビニの大定番おにぎりは、登山の行動食としても人気です。おすすめの具材はクエン酸の効果が高い梅干しと、良質なアミノ酸、カリウム、ビタミンが含まれるたらこ。海苔付きタイプのほうがビタミンとタンパク質が摂取できておすすめです。
- 重量:セブンイレブンおにぎり紀州南高梅1個105g
- エネルギー:165kcal
- 1gあたりの熱量:1.6kcal
魚肉ソーセージ
魚肉ソーセージは常温で保存できる上、豊富な動物性タンパク質が含まれているのが魅力。歩きながら片手で食べられる携帯性にも優れています。パンやおにぎりと一緒に食べれば腹持ちがいいでしょう。
- 重量:大1本90g
- エネルギー:142kcal
- 1gあたりの熱量:1.6kcal
カルパス(サラミ)
脂質が多く高カロリーで、動物性タンパク質が豊富です。また塩分も補給できます。小さいので持ち運びしやすいのも魅力。余ったらテントや山小屋でのお酒のおつまみにもなります。
- 重量:おやつカルパス1本3.4g
- エネルギー:16kcal
- 1gあたりの熱量:4.7kcal
ナッツ
ナッツはカロリーが高く、糖分をエネルギーに変換するのに必要なビタミン類が豊富に含まれています。塩味のナッツからは塩分も補給できます。
輸入食料品店のカルディはナッツの種類が豊富な上、価格もお手頃なのでおすすめです。徳用のミックスナッツをドライフルーツと組み合わせて適量をジップロックに入れておけばオリジナル行動食になります。
- 重量:カルディ 素焼きミックスナッツ1袋250g
- エネルギー:1668kcal
- 1gあたりの熱量:6.7kcal
しょっぱい行動食おすすめ3選
しょっぱい系の行動食は、カロリーだけでなく塩分が摂れるのが魅力です。飲料や飴、タブレットなどは、手軽に塩分補給ができるため、夏山登山やトレイルランニングなど大量に汗をかくときにおすすめです。
柿の種
しょっぱい系の行動食として人気が高いのが柿の種です。糖質、脂質が摂取でき、軽量小袋入りで持ち運びしやすく、高カロリーで塩分が補給できます。余れば夜のテントや山小屋でお酒のおつまみになります。
- 重量:亀田の柿の種1袋63g
- エネルギー:286kcal
- 1gあたりの熱量:4.5kcal
塩分チャージタブレット
汗により失われた塩分を手軽に補給できる上、クエン酸、カリウムも配合されているので疲労回復効果があり、ミネラル不足による足のつりを予防します。1個ずつ個包装されているので、こまめに補給できます。
- 重量:1粒3.0g
- エネルギー:11.3kcal
- 1gあたりの熱量:3.8kcal
経口補水液オーエスワン
塩分やミネラルが補給できるオーエスワンは、大量に汗をかくアクティビティには欠かせない飲み物で、現役医師も太鼓判を押すほどのクオリティの高さです。パウダーを水に溶かして飲むタイプが携帯性が高く、おすすめです。
- 重量:ペットボトル1本500ml
- エネルギー:50kcal
- 1gあたりの熱量:0.1kcal
まとめ買いでコスパの良い登山用行動食7選
山行の度にコンビニやスーパーで行動食を買うよりも、登山やスポーツ用に開発された行動食を通販サイトでまとめて購入したほうがお得な上、クオリティも信頼できます。コスパを重視したい方やスポーツに特化した商品を望む方におすすめしたい登山用行動食を重量やカロリーとあわせて紹介します。
アミノバイタル
ハードな山行を好む方に絶大に支持されているのがアミノバイタルです。アミノ酸を効率よく補給でき、バテない体を作ります。そのまま飲めるパウチのゼリーやショットゼリー、、水なしで飲める顆粒、水に溶かして飲むパウダーなどさまざまなタイプがあります。
- 重量:ショットゼリー1袋45g
- エネルギー:109kcal
- 1gあたりの熱量:2.4kcal
in ゼリー
ゼリー飲料の種類はたくさんありますが、inゼリーは登山の行動食として定番のゼリー飲料です。エネルギー、プロテイン、マルチビタミン、マルチミネラルと4種類があり、初めての方はエネルギーを選ぶといいでしょう。
- 重量:inゼリーエネルギー1袋180g
- エネルギー:180kcal
- 1gあたりの熱量:1kcal
スポーツようかん
井村屋のようかんには、登山の行動食に最適なシリーズがいくつかあります。スポーツようかんシリーズは登山ショップなどでも売られている人気商品でカロリーが高く、行動しながら片手でサッと食べられるとあって、登山者、トレイルランナーから広く支持されています。
- 重量:スポーツようかんあずき1個40g
- エネルギー:113kcal
- 1gあたりの熱量:2.8kcal
GUリキッドエネルギー
即エネルギーチャージできるゼリー飲料。電解質とアミノ酸も摂取できます。甘すぎず酸味のある飲み心地で暑い日でも喉を通りやすいです。
- 重量:レモン味1個60g
- エネルギー:95kcal
- 1gあたりの熱量:1.6kcal
ライスピュレ
ういろうをアレンジした、噛んで食べるライスジュレです。持久力のある糖分であるパラチノースを配合し、1袋で110kcal摂取できます。日本人に合う味わいです。
- 重量:リンゴとはちみつ味1個40g
- エネルギー:112kcal
- 1gあたりの熱量:2.8kcal
玄米×味噌シリアルバー
日本人に馴染みやすい玄米と味噌を使った無添加のシリアルバーです。噛み応えがあり、優しい味噌味で甘くないのが魅力。甘い行動食が苦手の方にもおすすめです。
- 重量:1本23g
- エネルギー:83kcal
- 1gあたりの熱量:3.6kcal
エネモチ
日本人に馴染むおもちの力に持久性の高い糖分パラチノースを配合。血糖値の急上昇を防いで長時間エネルギーとして使えます。人気の高いくるみ餅味で、気分転換にもなります。
- 重量:甘酒餅1本40g
- エネルギー:156kcal
- 1gあたりの熱量:3.9kcal
手作り派におすすめしたい行動食のレシピ2選
最近は行動食を自作する方が増えています。世界に1つしかない、こだわりのオリジナル行動食なら、山でのエネルギーもどんどん湧いてきそうですね。誰でも簡単にできる、おすすめの手作り行動食レシピを紹介します。
定番シリアルナッツバー
シリアル、ドライフルーツ、ナッツ、シード、マシュマロで作る栄養満点の手作りバーです。
材料
- フルグラ:300g
- ミックスナッツ:お好みで
- シード:お好みで
- マシュマロ:100g
- バター:40g
材料は家にあるものでかまいません。
作り方
- 耐熱容器にシード以外の材料を全部入れ、電子レンジで40秒加熱して混ぜ合わせます。
- クッキングシートを敷いた天板に1を平たく載せ、形を整えます。
- 2にシードを振りかけます。
- そのまま放置して粗熱が取れたら完成です。
- 食べやすい大きさに切り分けます。
干し芋
サツマイモを蒸して乾燥させる干し芋は、水分が抜けて日差しを浴びることで栄養価が爆上がりします。
材料
- サツマイモ:好みの量
作り方
- サツマイモを8等分に切り、鍋で蒸します。
- 1.のサツマイモを食べやすい大きさにカットし、ドライバスケットなどを利用して干します。
- 好みで半乾燥、または完全乾燥させれば完成です。
登山の行動食の入れ物は?
行動食を歩きながらサッと口にできるようにするには、次のような入れ物に入れておくと便利です。
ジップロック/100均の保存袋
行動食は、背負っているザックの中にしまい込むと取り出すのに面倒なので、体の前側に収納しておくことが大切です。ウェアやザックのポケットに、あらかじめ行動食を入れておいた小さめのジップロックをしまっておけば、必要なときにサッと取り出せて食べることができます。
ジップロックは少々値段が高いため、100均の保存袋を利用してもいいでしょう。小さめの保存袋にナッツとドライフルーツを混ぜて入れておけば、脂質と糖分とビタミンが一度に補給できる上、味も食感も良くなります。
また、個包装された飴やクッキーなどを直にウェアのポケットに入れておくと、知らないうちに食べた後の小袋がポケットから落ちてしまうことがあります。登山ではゴミを全て持ち帰らなければいけません。
個包装された飴やクッキーなどはあらかじめジップロックに入れておき、食べた後の小袋をジップロックの中に入れておけば、ファスナーがついているのでゴミを落としてしまう心配がなく、ゴミ袋として家へ持ち帰れます。
ナルゲンボトル/100均の広口ボトル
シリアル、ナッツ、ドライフルーツ、柿の種などはナルゲンボトルに入れ、片手で持って直接ボトルを口を付けてザラザラと流し込めば、手を使わずに歩きながら食べられます。ナルゲンボトルの代わりに100均のクリアボトルに入れてもいいでしょう。口が広いので洗いやすいのも魅力です。
行動食が入ったボトルは、カラビナでザックにぶら下げたりできますが、岩にぶつけたり藪に引っ掛けたりすることがあるので、ザックのサイドポケットに入れるなど、取り出しやすいところに収納したほうがいいでしょう。
行動食はどれくらい摂ればいい?食べるタイミングは?
行動食をどれくらい持って行けばいいかを知るには、登山で消費されるカロリーを知る必要があります。登山での大まかな消費カロリーは次の計算式で求めることができます。
登山の行動中のエネルギー消費量=体重×行動時間×7メッツ
メッツとは運動の強度を表す単位で、登山の数値は一般向けや健脚コースで7メッツ(※)とされています。(※出典:登山の運動生理学とトレーニング学)
この計算によって出た数値から朝食のカロリーを引いた分を、山ごはんや行動食で補います。たとえば体重60kgの人が6時間登山をするなら、60×6×7=2520kcalから朝食のカロリーを差し引いた分を食事や行動食で補給するようにすればいいでしょう。
行動食を食べるタイミングは、エネルギーに変換されるのに時間がかかることを見越して、小腹がすく前に食べるようにします。1時間に1回程度摂るのを目安に、山行スタイルに合わせて調節してください。
テント泊縦走登山にはアルファ米やフリーズドライ
テント泊では、行動食を含め、口にするものは全て自前で調達する必要があります。しかも重い装備を背負って歩くため、食料はできるだけ軽量で日持ちのするものでなくてはなりません。
テント泊には食事にもなる行動食と、おやつ感覚で手軽に栄養とエネルギーが補給できる行動食との2種類が必要です。
1泊2日から2泊3日ほどのテント泊なら、朝食と夕食はアルファ米のごはんにフリーズドライの味噌汁やカレー、丼物といったおかずをセットにし、昼食はシリアルバーや羊羹、エナジージェル、チョコレート、魚肉ソーセージといった行動食にするのがおすすめです。
最近は、日清「カレーメシ」の人気が高く、アルファ米の代わりにする人が増えているため、3食のうちの1食に採り入れてみるのもいいでしょう。
3泊以上のテント泊なら、カップ麺などの麺類を採り入れたり、途中で山小屋の食事を食べたりすると変化がついて飽きません。モチベーションアップにもつながります。
山小屋宿泊登山にはアミノ酸
基本的に食事は宿泊する山小屋で摂れるものと想定し、行動食にはアミノ酸が配合されたジェルやタブレットなどを携行するといいでしょう。
宿泊しながら連日登山をすると筋肉に疲労がたまりやすくなります。アミノ酸は筋肉にあるタンパク質の分解を防ぐため筋肉痛を予防し、快適に行動できます。アミノバイタルなどを携行し、登山前・中・後に摂取するといいでしょう。
あわせてクエン酸も摂取すると疲労回復に役立ちます。レモン味のキャンディなどがおすすめです。
まとめ
行動食に何をどれくらい持って行くかは、個人の山行スタイルや好みが異なるため、ひとつには決められません。本記事を参考にしつつ、自分に合った行動食スタイルを見つけてください。