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【日本百名山-東北地方】秘境感あふれる東北の山々をご紹介

【日本百名山-東北地方】秘境感あふれる東北の山々をご紹介

登山をする人にとって、日本百名山の山々に登ってみたいと憧れをもつ人も多いでしょう。なかでも東北地方の山々は、自然が豊かで静かな山歩きを楽しめるのが魅力です。今回は、日本百名山に選ばれる東北地方の山の特徴や見どころをご紹介します。

日本百名山に選ばれている東北の山は15座

小説家および登山家であった深田久弥氏が、日本の多くの山を踏破した経験から選んだ「日本百名山」。なかでも、東北地方の山は15座選ばれています。

山名場所標高(m)
八甲田山青森県1,585
岩木山青森県1,625
八幡平岩手県・秋田県1,613
岩手山岩手県2,038
早池峰山岩手県1,917
鳥海山秋田県・山形県2,236
月山山形県1,984
蔵王山山形県・宮城県1,841
大朝日岳山形県・新潟県1,871
飯豊山山形県・福島県・新潟県2,105
吾妻山山形県・福島県2,035
安達太良山福島県1,700
磐梯山福島県1,816
会津駒ヶ岳福島県2,132
燧ヶ岳福島県2,356

東北エリアの日本百名山15座をご紹介

ニッコウキスゲの花と飯豊連峰・大日岳
ニッコウキスゲの花と飯豊連峰・大日岳

東北の山は自然豊かで、静かな山歩きを楽しめるのが魅力です。そんな秘境感あふれる東北地方の百名山15座をご紹介します。

八甲田山(はっこうださん)/青森県

八甲田山 登山
八甲田山 山頂

八甲田山は青森市の南側にそびえる火山群の総称です。八甲田山の主峰は八甲田大岳で、標高は1,585m。

八甲田山の見どころ

  • 山頂から見渡す360度の大展望
  • 広大な高層湿原に見られる高山植物や草紅葉
  • ロープウェイでお手軽に散策できる「八甲田ゴードライン」

八甲田山の山頂は、青森市内や陸奥湾が見渡せる好展望。さらに岩木山が望め、堂々とたたずむ山容に存在感を感じます。そして、八甲田山の中腹には高層湿原が広がっており、ロープウェイで登って、お手軽に散策も楽しめます。

八甲田山のおすすめ登山コースは「八甲田大岳周回コース」。酸ヶ湯温泉にある登山口から八甲田山を周回するコースです。

▼八甲田山の登山コース詳細はこちらから

岩木山(いわきさん)/青森県

岩木山からの眺め
岩木山からの眺め

岩木山は青森県最高峰の山で、標高は1,625m。十二単の裾を広げたような美しい山容から『津軽富士』と呼ばれることもあります。

岩木山の見どころ

  • 青森県最高峰から望む大パノラマ
  • 岩木山の名花「ミチノクコザクラ」
  • 津軽岩木スカイラインで楽々8合目まで行ける

岩木山は独立峰のため山頂は視界を遮るものがなく、360度の展望が見られます。白神山地や八甲田連峰などを一望できるのが魅力。また、岩木山固有の高山植物「ミチノクコザクラ」が夏季に見られます。うすむらさき色の可愛らしい花が登山道を彩ってくれます。

岩木山のおすすめ登山コースは「嶽温泉コース」。道中の美しいブナ林を眺めながら山頂へ登ります。疲れたら、8合目からシャトルバスで下山できるのもうれしいポイント。

▼岩木山の登山コース詳細はこちらから

八幡平(はちまんたい)/岩手県・秋田県

八幡平の高層湿原
八幡平の高層湿原

八幡平は、岩手県と秋田県の境にあり、標高は1,613m。山名に「平」とつくように、なだらかな山容の高原台地です。

八幡平の見どころ

  • 壮大な湿原と高山植物のお花畑
  • 雪解け時に見られる神秘の光景「ドラゴンアイ」
  • 高原や岩手山を一望できる「八幡平三大展望地」

雪解けしている鏡沼が、まるで竜の目のように見える「ドラゴンアイ」。雪解けの時期にしか見られない神秘的な光景です。夏季には高層湿原にたくさんの高山植物が咲き誇り、ニッコウキスゲやコバイケイソウなど、高山植物のお花畑になります。

八幡平のおすすめの登山コースは「八幡平三大展望地をめぐる縦走コース」です。八幡平三大展望地(畚岳・源太森・茶臼岳)で、高原や岩手山を一望できる景色を堪能できます。

▼八幡平の登山コース詳細はこちらから

岩手山(いわてさん)/岩手県

岩手山 山頂付近

岩手山は標高2,038mで、岩手県最高峰の山。東側に綺麗な裾野を長く引く形をしているため「南部片富士』という別名があります。

岩手山の見どころ

  • 迫力満天のお鉢めぐり
  • 風化せずに残る「焼走り溶岩流」
  • 植生の移り変わりが楽しめる「岩手山高山植物帯」

山頂では荒々しい噴火口が見られたり、ふもとでは溶岩がそのまま残る「焼走り溶岩流」が見られたり、火山風景が楽しめます。また、厳しい環境で育つ「コマクサ」が見られるなど、植生の移り変わりに目を向けると面白いでしょう。

岩手山のおすすめの登山コースは「焼走りコース」。焼走り溶岩流やコマクサ、絶景の展望ポイントがあるなど、岩手山の見どころだらけのコースです。

▼岩手山の登山コース詳細はこちらから

早池峰山(はやちねさん)/岩手県

早池峰山
早池峰山山頂前

早池峰山は、いたるところに巨岩が露出する岩峰です。蛇紋岩やかんらん石といった超塩基性の岩で構成されている山のため、植物が育ちにくい環境になっています。

早池峰山の見どころ

  • 特異な地質で構成される岩峰
  • 日本のエーデルワイスと呼ばれる「ハヤチネウスユキソウ」
  • 岩峰の頂から見る全方位の山岳風景

早池峰山の厳しい環境のなかで育つ、珍しい高山植物があります。ハヤチネウスユキソウをはじめ、ナンブトラノオやナンブトウウチソウなど、早池峰山固有の高山植物が多く見られます。また、山頂からは岩手山や焼石岳など、岩手県内の名峰が見渡せる好展望です。

早池峰山のおすすめ登山コースは「小田越コース」。比較的標高差が少なく、短時間で登れるため人気のコースです。

▼早池峰山の登山コース詳細はこちらから

鳥海山(ちょうかいさん)/秋田県・山形県

鳥海山・鳥海湖
鳥海山・鳥海湖

山形県と秋田県にまたがる鳥海山。東北地方で燧ケ岳に次ぐ高峰で、標高は2,236mです。裾野を日本海に伸ばす秀麗な姿から「出羽富士」とも呼ばれます。

鳥海山の見どころ

  • 日本海と庄内平野を望む大パノラマ
  • 雪解けとともに乱れ咲く花の楽園
  • 鳥海山のシンボル「鳥海湖」

鳥海山は日本海側に面しており、山頂から日本海や庄内平野の街並みが一望できます。また、中腹にある鳥海湖も景観がよく、夏季は雪解けとともにたくさんの高山植物が咲き競います。

鳥海山のおすすめ登山コースは「鉾立コース」です。登山道が比較的整備されており、道中の見晴らしもよいため、多くの登山者が利用します。

▼鳥海山の登山コース詳細はこちらから

月山(がっさん)/山形県

月山の稜線
月山の稜線

月山は、山形県中央部に位置する、標高1,984mの山です。月山と羽黒山、湯殿山を合わせて「出羽三山」と呼ばれ、山岳信仰の聖地として登拝者や登山者に親しまれています。

月山の見どころ

  • 美しい稜線と残雪が織りなすコントラスト
  • お花を愛でながらの楽しい稜線歩き
  • 修験道の聖地「月山神社」

月山の山域は雪量が多いため、盛夏まで雪が残ります。月山の美しい稜線と残雪の織りなすコントラストはまさに絶景です。さらに夏季には、チングルマやニッコウキスゲなどの高山植物がたくさん咲きます。

月山のおすすめ登山コースは「8合目コース」。登山口すぐの弥陀ヶ原の湿原では、多くの高山植物が見られ、なだらかな湿原での自然散策を楽しめます。

▼月山の登山コース詳細はこちらから

蔵王山(ざおうさん)/山形県・宮城県

南蔵王縦走路から振り返る蔵王山(熊野岳)
南蔵王縦走路から振り返る蔵王山(熊野岳)

蔵王山は山形県と宮城県にまたがる火山群の総称で、「蔵王連峰」と呼ばれます。蔵王のお釜や樹氷は観光名所で、毎年多くの観光客が訪れます。

蔵王山の見どころ

  • 蔵王のシンボル「蔵王のお釜」
  • 約25キロにおよぶ蔵王連峰の美しい稜線
  • 氷と雪の芸術「蔵王の樹氷」

「蔵王のお釜」とは、蔵王山の火口湖のこと。湖面はエメラルドグリーン色ですが、季節や天候によって見え方が変わります。火口湖の近くに登山口があるため、手軽に絶景を見られるのが魅力です。

蔵王山のおすすめ登山コースは「南蔵王縦走コース」。蔵王連峰の美しい稜線を眺めながら歩けます。

▼蔵王山の登山コース詳細はこちらから

大朝日岳(おおあさひだけ)/山形県・新潟県

大朝日岳
大朝日岳

山形県と新潟県の県境に約60㎞にわたって峰を連ねる朝日連峰。その朝日連峰の主峰が大朝日岳で、標高が1,871mです。

大朝日岳の見どころ

  • 約60㎞にわたる朝日連峰の稜線
  • 登山道を彩るヒメサユリの群生
  • 四季折々の山岳風景が楽しめる

大朝日岳の山域は、人の手が入っていない場所が多く、東北の山らしい静けさと奥深さを感じることができます。夏季には、一部の山域にしか咲かないヒメサユリが見られ、登山道に彩りを添えてくれます。また、秋には紅葉、冬は雪景色など、四季折々の山岳風景が楽しめるのも魅力です。

大朝日岳のおすすめ登山コースは「小寺鉱泉往復コース」。危険個所が少なく、水場が豊富で水の確保がしやすいことから、登山者に人気のコースです。

▼大朝日岳の登山コース詳細はこちらから

飯豊山(いいでさん)/山形県・福島県・新潟県

飯豊本山から見るダイグラ尾根と朝日連峰
飯豊本山から見るダイグラ尾根と朝日連峰

飯豊山は2,000m級の山々が連なる大山塊。「東北のアルプス」とも呼ばれ、大山塊による自然の奥深さを感じられる山です。

飯豊山の見どころ

  • 「深い飯豊」と謳われる奥深い飯豊連峰
  • 厳しい自然のなかに咲く高山植物
  • 東北の名峰を望む好展望の山稜

飯豊連峰の山稜からは、朝日連峰や蔵王連峰、西吾妻山や磐梯山などの東北の名峰が望める大眺望。さらに、水に恵まれた環境により、高山植物が豊富です。色とりどりの高山植物が登山道を彩ります。

飯豊山のおすすめの登山コースは「大日杉往復コース」。ふもとから長時間歩きますが、各ピークでは好展望の景色が見られます。

▼飯豊山の登山コース詳細はこちらから

吾妻山(あづまやま)/山形県・福島県

西吾妻山
登山道から見える西吾妻山

吾妻山は、福島市の西部から山形市の南部にかけて連なる火山群の総称です。吾妻山の主峰は西吾妻山。全体的になだらかな山容で、広い山上には美しい高層湿原が点在しています。

吾妻山の見どころ

  • 湿原一帯に広がる高山植物のお花畑
  • コバルトブルーにきらめく火口湖「魔女の瞳」
  • お手軽お鉢めぐりができる「吾妻小富士」

夏季は、チングルマやワタスゲ、コバイケイソウなどの高山植物のお花畑が見られます。吾妻連峰の東側にある一切経山では、「魔女の瞳」と呼ばれる火口湖が見られたり、その隣の吾妻小富士ではお鉢めぐりができたりと、見どころがたくさん。

おすすめ登山コースは「天元台コース」。ロープウェイとリフトを乗り継いで登ります。道中に点在する湿原や天狗岩からの展望を楽しみながら、お手軽に登山できます。

▼西吾妻山の登山コース詳細はこちらから

安達太良山(あだたらやま)/福島県

安達太良山
安達太良山 沼ノ平

なだらかで大きな山容をもった福島県の名山。山頂部に岩がぽこんと乗った独特の姿から「乳首山」という別名もあります。

安達太良山の見どころ

  • 月世界のような沼ノ平火口原
  • 源泉かけ流し温泉がある山小屋「くろがね小屋」
  • 東北の名峰を一望する好展望

山頂付近に「沼ノ平」と呼ばれる噴火口があります。ぽっかりと空いた大きな穴は、まるで月面のクレーターのよう。火山の異様な雰囲気を感じられます。また、山頂からは磐梯山や飯豊連峰、蔵王連峰などを見渡せる好展望です。

安達太良山のおすすめ登山コースは「奥岳登山口コース」です。日帰りで行ける行程ですが、山腹のくろがね小屋に1泊して、山時間を堪能するとよいでしょう。

▼安達太良山の登山コース詳細はこちらから

磐梯山(ばんだいさん)/福島県

猫魔ヶ岳から見る磐梯山(表磐梯)
猫魔ヶ岳から見る磐梯山(表磐梯)

別名「会津富士」とも呼ばれる磐梯山。南側の表磐梯は秀麗な円錐の形をしています。一方、北側の裏磐梯は、噴火の影響で山肌の露出が多くなり、火山の荒々しい姿になります。

磐梯山の見どころ

  • 磐梯山の対照的な表と裏の顔
  • 磐梯山から見渡す高原湖沼群
  • 磐梯山の名花「バンダイクワガタ」

磐梯山は過去の噴火の影響により、大小さまざまな湖沼が形成されています。なかでも猪苗代湖は国内で4番目に大きく、磐梯山の山頂から一望するさまは絶景です。磐梯山には「バンダイクワガタ」と呼ばれる、兜の角のような飾りをつけた高山植物も見られます。

おすすめの登山コースは「八方台コース」。高低差が比較的少なく、利用者が多い王道のコースです。

▼磐梯山の登山コース詳細はこちらから

会津駒ヶ岳(あいづこまがたけ)/福島県

夏の会津駒ヶ岳から中門岳への稜線
夏の会津駒ヶ岳から中門岳への稜線

福島県南会津に位置する会津駒ヶ岳。頂稜部には高層湿原が広がり、池塘(湿原にできる池)が点在しています。

会津駒ヶ岳の見どころ

  • 頂稜に広がる高層湿原と池塘
  • 山肌を彩る高山植物のお花畑
  • 山上の楽園を味わう稜線散歩

会津駒ヶ岳では、素晴らしい稜線散歩が楽しめます。頂稜部の湿原の周りには高山植物が咲き乱れ、点在する池塘に青空が映える。そんな場所での稜線散歩は、まるで楽園のようです。

会津駒ヶ岳のおすすめ登山コースは「滝沢口~キリンテ口コース」。山頂付近の駒ノ小屋へ1泊し、会津駒ヶ岳・中門岳を周回するコースです。

▼会津駒ヶ岳の登山コース詳細はこちらから

燧ケ岳(ひうちがたけ)/福島県

燧ヶ岳から尾瀬ヶ原と至仏山を望む
燧ヶ岳から尾瀬ヶ原と至仏山を望む

標高2,356mで、東北最高峰の山となる燧ケ岳。山頂部は柴安嵓(しばやすぐら)、俎嵓(まないたぐら)、ミノブチ岳、赤ナグレ岳、御池岳の5つのピークで形成されています。

燧ヶ岳の見どころ

  • 本州最大規模の高層湿原「尾瀬」
  • 東北最高峰から見渡す雄大な景色
  • 四季折々の景観を楽しめる

燧ヶ岳は、一大景勝地である「尾瀬国立公園」の一部であり、広大な高層湿原や2,000m級の山々の雄大な景観が見られます。春夏にはたくさんの高山植物が咲き誇り、秋には湿原が黄金色に輝く草紅葉が見られるなど、四季折々の景観が楽しめます。

燧ヶ岳のおすすめ登山コースは「御池口コース」。尾瀬の玄関口である御池口から湿原歩きを楽しみながら山頂を目指します。

▼燧ヶ岳の登山コース詳細はこちらから

日本百名山に選ばれる、東北地方の山を15座ご紹介しました。東北の山は自然が豊かで静かな山歩きを楽しめるのが魅力です。特徴的な山ばかりなので、登ってみたいと感じる山が見つかるでしょう。気になる山が見つかりましたら、関連記事の「登山コース」の記事もぜひ見てみてください。

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