2日目は八島山荘ビジターセンターへ車を飛ばし、そこからハイキングを開始した。ルートは八島ヶ原高層湿原を時計周りに歩き、分岐に差し掛かったら物見石、蝶々深山。そこから車山乗越の分岐を経由し、来た道を戻るような方向へ南の耳、北の耳、ゼブラ山と経由し駐車場に戻るという、約4時間のコース。
霧ヶ峰は八島湿原から登山開始
朝起きたら天気は快晴。今日はいい景色が楽しめそうだ。八島山荘ビジターセンターから子供たち曰く『お化け屋敷の入り口』から八島湿原へ。
入り口の目の前にこの月に楽しめる花の写真があり、「今日は僕これを探す」「私はこれを探す」と遊びを作る。
右に湿原を見て木道を歩いていると霧が深くなり小雨がパラパラ。朝はあんなにも青空が広がっていたのに山の天気はわからない。子供たちに合羽を着させて、僕はここ最近愛用しているモンテインのミニマス777。
山ちゃんは「僕はこのままで大丈夫です」とTシャツと短パンで歩きとおすといういう。
雨も楽しみ変えて登山
途中不思議な名前の植物に出くわす。その名も「ワレモコウ」。「これ最後まで覚えていた人の勝ちね」という勝負を挑みつつ、雨の中を先へ急ぐ。
「どこまで歩くの~」「疲れた~」という案の定な文句が飛び交いつつ「このまま雨がひどければ戻るか」と山ちゃんと相談し、とりあえず物見石まで向かう。
すると神様が微笑んでくれたのか、少しづつ雨がやみ、雲も薄くなり暖かくなってきた。雨も弱くなったので合羽を脱ぎ、物見ができない物見石でちょっと休憩。子供たちにも相談し先へ進もうという事にし蝶々深山へ。
物見石から蝶々深山までの道は緩やかで歩きやすく眺めもよく、気持ちの良いコースだった。グー・チョキ・パーの形をした小さな石を拾ってジャンケンゲームをしながらゆっくりと先へ進む。
蝶々深山までくればあとちょっとで折り返し地点。雨も小降りだったりやんだりと安定しないものの予定通りのコースで辿ってみようということになった。
子供主体で楽しむ登山
車山乗越の分岐までは人もまばらに歩いていたが、この分岐から南の耳方面に向かって歩く人は皆無に近く、結局このルートからゴールに近い湿原まで人と会うことは一度もなかった。
このトレイル長和町の長門牧場から白樺湖、霧ヶ峰、和田峠を経て美ヶ原高原にいたる全長38kmの中央分水嶺トレイルの一部。晴れていればきっと素晴らしい景色を楽しめるだろうが、残念ながら霧が立ち込め景色は楽しめない。
しかしながら歩きやすいから「走ってみたい」という息子の一声で皆で軽いランを楽しんでみた。
歩いていれば肌寒いけど、走ることで体もポカポカ。小雨に濡れながらも「気持ちいい」と言い合いながらあっという間に南の耳へ。
途中高低差のある坂道を下ったり、登ったりする場面が数回あるもののしっかり大人がサポートをしてあげれば大いに楽しめる緩やかなハイキングコース。なんといってもトレランを子供たちが楽しんでいる事実に喜びを感じた。
こういう遊びをきっかけに「植物を踏んでは駄目だよ」とか「石が下に落っこちないように気をつけるんだよ」とか「歩いている人とすれ違うときは走らずにゆっくり歩くんだよ」という場面場面に応じて教育も忘れずに実施。
途中に不思議な色をした地衣類を見かけては鮮やかな色に驚かされる。こういうの拡大してみると面白いんだろうなあ~。
霧ヶ峰で会う楽しい名前
そうしてゼブラ山へ到着。なんでゼブラ山っていうんだろうね?と聞くと『シマウマのような形をした頂上だから』とか『シマウマが住んでいるから』とか突拍子もない答えがかえってくる。本来は雪が降るとシマウマの毛のような模様になる山だからということらしい。
ちなみに蝶々深山は昔、蝶々の形をした岩があったという事らしいが本当のところはどうなんだろう?
ゼブラ山で朝方作ってきた焼きそばを食べる。体を動かしお腹を空かせた時の食事というのは何とも美味しい。焼きそばはそんな環境で食べることを想像していたから少し塩味を濃い目にしておいた。汗で流れたミネラルを塩でしっかり補い力を取り戻す。
そうして残り少ないハイキングコースを進む。すると少し風が出てきて僕らの周りを覆っていた霧が勢いよく流れ、午前中歩いてきた物見石~蝶々深山に向けてのトレイルが見渡せた。
そこには何人ものハイカーさんが歩いていてそれを見つけた子供たちは「ヤッホー」と叫ぶ。すると向こうからも「ヤッホー」と声が返ってくる。なんとも気持ちの良いやりとり。
次に子供が機転をきかせて「がんばれ~」と叫べば「ありがとう」と返ってくる。次に「きりがみね~」と叫んだら何にも返ってこなかった。また1つ学びがあった。
八島湿原に再度戻ると、今度は大雨に見舞われる。びちょびちょになりながらも無事ハイキング終了。そこから温泉へ向かい美味しいビールを飲みにキャンプ地へ。
こうして霧ヶ峰での山遊びは終了した。今回は雄大な景色を楽しむという目的は少しばかりしか達成できなかったものの、雨に降られたことで暑苦しくなく、入った温泉は気持ちよく、花々はきらきらと輝き、裏を返せば楽しい出来事もたくさんあった。
今回のアウトドアでの子供たちの言動や行動は、前回のそれよりも格段に成長を見せていて、心に余裕を持ちながら接することが出来たのは非常に大きなことだった。日常から離れると子供の成長ってよくわかるなあと感じた3日間。非常に有意義な時間だった。
因みに問題にしていた「ワレモコウ」は「ワレモコワ」となり全員はずれ。残念な結果に終わった。
霧ヶ峰へのハイキング&トレラン『子供と行く山旅々』
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